ついに、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の最終回『本能寺の変』を迎えた。天下を平らかにする、伝説の動物「麒麟」がきて、平和な安慧の幸せな世をつくるという・・・・、この麒麟を誰が連れてくるのか??天下を取ろうと奔走する、毎日が戦の世界で埋没する織田信長、それに使えるが、最終目的は天下泰平にして安寧な世にしたい切願する明智十兵衛光秀、戦いを重ねるうちに、求める目標が大きく異なっていくのである。泰平の世は誰が創るのであろうかと、問う御門。本当に天下泰平の世を想像することは、あの戦国時代はほとんど奇跡に近い所業であったと感じるのである。
最終回は、宿敵・武田家を打ち滅ぼした戦勝祝いの席で、光秀(長谷川さん)は信長(染谷将太さん)から理不尽な叱責を受け、饗応役(きょうおうやく)の任を解かれる。追い打ちをかけるように信長は、光秀と縁深い四国の長宗我部征伐に相談もなしに乗り出すと告げる。「殿は戦の度に変わってしまった」と、その行き過ぎた態度をいさめる光秀に、「己を変えたのは戦ではなく光秀自身だ」と信長は冷たく言い放つ。そしてついに、ある究極の命令を光秀に突き付けたのだった。
戦国時代、いや日本の歴史の中で、最大の謀反と言われる「本能寺の変」。この出来事がなかったら、日本の歴史は大きく変革していたと言われる。そのまま、織田信長が天下を納めたなら日本のその後はどうなったとか?この分岐点が、日本の最大の変革期であったことは、本当に真実だったのだろうと思う。今回の最終話は、御門主体に光秀の思いが変わっていくというストーリーで展開する。時代考証による原因説は、これまでは四国征伐に織田信長が舵を切ったからとか、収める領地を召し上げられ、しかも家康饗宴での叱責に恨みを持ったからとか考えられていたが、御門の変更を織田信長が迫ったという、最も新しい原因説がベースになっていることも、ものすごく興味が出る部分である。
軍記物では、勝者である方向からの、時代検証が大半。そのような状況では、本当の真実は分かりえない。やはり、種々の動きやその他の武士たちの行動から、時代考証をするのが客観的であり正しいのではないかと思うのである。光秀は謀反人であるというレッテルで近年まで見られてきたが、本当に天下泰平を切願していたのではないかと思えて仕方がないのである。