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忘れられないドラマ『ナニワ金融道』

2008年07月21日 14時30分49秒 | Weblog

             ナニワ金融道

 青木雄二(故人)の原作で大ブレークした「ナニワ金融道」。この作品は、1990年から「週刊モーニング」という雑誌に掲載され、多くの人に衝撃を与えた。金融マンにとってのバイブル書的な扱いにまでなった画期的漫画であった。このコミック誌の掲載によって爆発的なヒットを記録したが、単行本(コミック)は、1,000万部突破した破格のものとなった。100万部を超えればベストセラーと言われるが、この単行本の人気度は、この驚異的な販売部数を見ても分かる。街金融の裏側を鋭いタッチで抉るこの漫画は、法の盲点や、実務上の落とし穴を多く突いた秀作であったことは間違いない。この印税で、青木雄二は5億円もの大金を手にしたといわれている。これをきっかけに、青木は、漫画の執筆活動を一切止め、毎日が日曜日という悠々自適の生活に入ることになる。まあ、これだけの知識を有していたのであるから、新聞や雑誌のコラム、講演は後を絶たないほどの依頼が来たそうである。私もこのコミックは、全巻初版本で揃えたほど魅力を感じたものだ。この作風には、真に裏側に存在したものでしか描けない独特の世界がある。

 【ナニワ金融道の概説】****************************************
 商人の町大阪を舞台に、マチ金(消費者金融)会社「帝國金融」の営業マン灰原達之と、借金にまつわる因業深い人間模様を描いた作品。連帯保証人になった彼氏の借金の肩代わりをしてソープ嬢になる女、ご祝儀を盗まれてしまい穴埋めに奔走したあげく取り込み詐欺に手を出し破滅する男、詐欺的先物取引で全てを失う小学校教頭、法律の網の目をかいくぐる闇金融業者、更にはライバル企業との対決など、様々な人間の裏表や社会の不条理を描く。青木雄二の独特なアクのある絵が読者に強いインパクトを与え、人気作となった。   

 作中では舞台となった大阪に合わせ大阪弁や、「浪速」の猥雑な雰囲気が違和感なく取り入れられている。また区名や番地などは、893 = ヤクザであったり、独特の名づけられ方がなされているのも特徴。看板だけでなく人名の名付け方にも猥雑な文字列を容赦なく多用しており、この演出を適用されていない帝國金融の社員たちが逆に清潔に思えるほどである。

  • 街金の看板に「ニシキヘビファイナンス」
  • ミナミセンズリこと銭田掏二朗
  • バブル景気で一山あてた肉欲企画の社長が肉欲棒太郎
  • 一流企業「巨大長商事」の社長が巨根三郎

これらは生の修羅場を容赦なく活写することへの青木の強いこだわりの賜物である。ヒントは『罪と罰』。表向き綺麗な看板でも現実にしていることは薄汚いことを主張するため、逆に作中の看板には猥雑な文字列を堂々と使用しているのである。しかし『BSマンガ夜話』で取り上げられた際に、看板の映ったコマを(画面に映し出すことは問題なかったものの)出演者同士で「あまり口に出して読まないように」と互いに注意した逸話がある。

 当初、純朴な青年であった主人公が様々な出来事に揉まれ、たくましく成長する様子を描いた一種のビルドゥングスロマンともいえよう。なお、作者が監修を担当した作品『カバチタレ!』とは、同じ世界に存在する地続きの作品である。
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 この原作を元に、TVドラマが制作された。SMAPの中居正広が主人公の灰原役を熱演、街金融のプロで先輩役の桑田役は小林薫、帝國金融の社長役には緒形拳と、そうそうたる顔ぶれの役者で固めたTVドラマであった。この作品は、非常に面白かったし、中居の演技も中々のものであった。ドラマの主題歌「借金大王」を歌うウルフルズも、このドラマを盛り上げた。

・「借金大王」ウルフルズの歌はこちら>>http://jp.youtube.com/watch?v=qin9Bq8LqII&feature=related
・「青木雄二の素顔」の動画はこちら>>http://jp.youtube.com/watch?v=sRKjWRKKQKY
・「ナニワ金融道」(ドラマ)の映像はこちら>>http://channel.pandora.tv/channel/video.ptv?ch_userid=jjongre#prgid=2572975&categid=all&page=192