10年以上前のご依頼人のDさん。
Dさんからの依頼は奥さんと子供が失踪してしまい、探してほしいとのこと。
探偵が調査を行うと、ほどなく奥さんと子供の居場所が分かった。
奥さんは別の男性と生活をしていたのでした。
紆余曲折があり、奥さんが離婚調停を起こしてくる。
調停で奥さんはご自分の都合のよいことばかりを主張してきていた。
探偵もDさんに奥さんの浮気をしていた事実関係を主張するように助言させていただいた。
だが、Dさんは「妻は子供たちの母親です」、
「子供たちの母親の悪口は言いたくないんです」と調停でも一切、奥さんの浮気には触れずにいた。
結局、奥さんの言い分通りの内容で調停が終了した。
離婚後、奥さんはその浮気相手の男性と結婚した。
そのため、Dさんには子供たちを一切、合せてくれなかった。
だが、Dさんは養育費を懸命に送り続けた。
今年、下の子が大学を卒業したそうです。
Dさんはそのとき、寂しそうに「養育費の送金も終わったよ」と探偵につぶやいていた。
昨日、その子供たちがDさんを訪ねてきてくれたそうだ。
12年ぶりの再会であった。
Dさんはその後、探偵に電話をくれました。
「俺、嬉しかったよ」
「嬉しくて、嬉しくて」
「今までなんとなく生きてきたけど、生きていてよかった」
Dさんは涙声で探偵に話してくれました。
子供たちの母親の悪口は言いたくないんです・・・・と言っていたDさんの人生。
漢の人生の一つを勉強させていただきました。