グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

アシナガバチ・ボール って いったい。

2018-10-17 16:16:12 | Weblog
​​​​アシナガバチ・ボール って いったい。

高温になった2018年夏。そんな本年は、自宅まわりで平年の3倍
くらいの数の アシナガバチの巣を駆除しました。

そんな駆除した巣のうち、雨戸のなかにつくっていた巣を駆除した時
のこと[こちら]だとおもっているのですが、 駆除から数日して


その雨戸から数m先の柊/ヒイラギ  

の枝に見つけたのが[主枝から左に枝が出ている部分になります]


     
     

アシナガバチの群。 そう、それは 形状からいえばまるでボール
のようになっており、いわば アシナガバチボール! と いった
名前でよんでみたいような ハチの集団だったのです。

[巣がないのですから当然のことですが]露出してボールをなして
いるこの集団になったハチたちが、近づくものを皆で一斉にギロッ
と見るその視線[複眼でもありまし/笑]は なかなかの迫力もの。
実際にこの写真をとるときも、こちらに向かっていっせいに飛び立
って攻撃されるのではないかと、むしろ巣があるときよりも怖いか
んじが するのです。

そして問題は この視線の主たちであるアシナガバチ達の

 なぜにボール状に集って/つどっているのか

という行動です。・・・おもうにこれは
数日前の夜半に 自宅の戸袋のなかの巣を殺虫剤をつかって駆除
した際に、この殺虫剤攻撃という難を逃れたアシナガバチご一行
さまの[殺虫剤の薬効という危険からとるものもとらずに]避難
した姿なのではないか と そんなふうに推測しています。当然
のことながら集団の中心には女王バチがいて、それを全員で守っ
ているかんじですね。

そんなアシナガバチボールを発見してから数日。この集団はすぐ
に新たな巣づくりにかかるものと予想していたにもかかわらず、
それから 数日。そしてまた数日。
いつまでたっても、予想に反してそんなボール状態がつづいてい
くのです。

けっきょくは 最初にこのボールを見つけてから2た月ほど経過
した、現在の10月の中旬。
台風24号と 台風25号の大風雨に晒されたアシナガバチボー
ルは[ハチの数は減って] ↓ いまだそのままなのです。


     

避難してきてから、60数日間という時間があったわけですから、
新しい巣をかけて/作ってもよさそうなものなのに、なぜか この
状態。この場所での生き残りをはかっている。らしい。
そんな女王の決意と、我が身を挺してその女王を守ろうとする働き
バチたちのその忠誠心には[ハチも刺さぬなら駆除されまいにと
おもいつつ]感心せずにはおられません。

けれども当然のことながら、これからは冬の寒さもやってくるし、
これから、彼らはどうなっていくのか。駆除したはずの自分をも
心配させずにはおかないハチたちの運命や如何に。


晴れ 本隊が撤退する際に 数人がその場に残って死ぬまで
  戦い足止めするのを繰り返して本隊を逃す​すてがまち。
  アシナガバチボールには、その島津藩の戦いようを連想
  しました。ちなみに島津豊久領であった佐土原はとなり
  といつてもよい距離にあります。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」​



作物の葉を しっかり・丈夫にしたいときは。

2018-10-15 15:30:18 | Weblog
作物の葉を しっかり・丈夫にしたいときは。


台風通過後に 植物のケアのつもりでチッソ分主体の追肥や葉面
散布をおこなったのだけれど、どうにも元気が戻らない。作物の
葉をしっかりと丈夫
にしたいのだがどうしたらよいだろうか、と
いうご質問をいただきます。ということで そんな生育対策につ
いてご参考までによろしかったら。

 ↓

『作物の葉を しっかり・丈夫にしたいときは。』

お日さまの光の恵みを受け止め 光合成を盛んにしてエネルギーを
作り出すためには、しっかりとした葉が必要になります。

そのために 現場でおすすめしているのがMg/マグネシウムの補給
です。

その理由が この図。

 葉緑素 →  


この図が葉緑素の構造なのですが、中心にしっかりと Mg/苦土が
あることからもわかりますよね。

ということで 作物の状態が

 ● 葉が薄い
 ● 葉がうすいがゆえに、葉色が淡い
 ● 窒素を追肥しても、葉が薄く広がって垂れてしまう
 ● 日照不足で軟弱に育っている

というときには、苦土[マグネシウム]と、苦土分の働きを助ける
リンサン分の補給を おすすめしています。

ちなみに日照不足時だけではなく、たとえばピーマンなどの果実の
緑色がでないときや、お茶の葉の色が淡くてこまっているときなど
にも施用効果大ですよ。

具体的には、おすすめしているのは マグホスや マグミタスに 
マグショットという商品になりますが、心当たりのせつには、ぜひ
いちどお試しを。


晴れ ちなみに、ヘモグロビンです。動物の血液中にあり
  酸素を運ぶ大切な要素でありますが、その構造式は
  葉緑素の中心部にある  Mg/苦土を Fe/鉄に
  おきかえたならば瓜二つ
! っていうのもおもしろすぎ。
  
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜


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イノシシが県境からでないのなら話はべつですけれど。

2018-10-12 18:28:40 | Weblog
​​​イノシシが県境からでないのなら話はべつですけれど。

10月10日の日経の新聞記事によると・・・県議会の答弁で「拡散範囲は
かぎられているのではないか」と、野生イノシシの行動範囲について強調さ
れて答弁されたという古田肇岐阜県知事。記事は ​こちら​。

しかし岐阜で発生した豚コレラウイルスに感染した野生イノシシについての
農水省資料を見れば、

 野生イノシシの調査捕獲区域[地図は​こちら​]が限られている

という現実があり、また実際に感染したことが確認されたイノシシの頭数も
12日時点でいまや20頭に増えているわけなのですから、その知事発言は
あまりに希望的観測すぎる[はっきりいえば甘すぎ!] といえます。

それはそうでしょう、研究者によれば豚コレラウイルスは

 ● 猪だけでなく農場やたい肥置き場に出入りする小動物からも感染する
 ● ヒトの履いている靴の、靴底の土からも感染する

というのはもとより

 ● 生肉類はもちろん、ハムやソーセージの加工品からも感染する

と まるで妖怪のようにも[​こちら​] いわれているのですから。

したがって前述の封じ込めのリーダーであるはずの知事発言は、せめて

 農場に出入りする野生イノシシを防ぐために岐阜県内で貸し出しをは
 じめていたという柵だけではなく、小動物の侵入を防ぐメッシュの金
 網を岐阜県内のすべての養豚場に設置する

などといった対策が終わったあと[もちろん調査捕獲区域も広げたうえ
で]に言ってほしかったな と思うのです。なんといっても発病がおこ
っていた段階での初動対応にミスがあったと 岐阜県自らが認めてもい
たはず[​こちら​]なのですから。

まあ、[むかし話にでてくる鳥と話せる聞耳頭巾のような]野生のイノ
シシに向かって県境からはでないでねなんて話せる頭巾を、古田知事が
お持ちでしたらば話はもちろんべつになるのですけれどね。


晴れ 届け出伝染病であるPEDこと豚流行性下痢でさえ、いまだに
  克服できていない現実[​こちら​]があるのですから、よけいに
  豚コレラは 心配にもなります。
  
  51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜




急な植え付けの土づくりには。

2018-10-10 12:08:07 | Weblog
急な植え付けの土づくりには。

急に植え付けることになった圃場に必要な たい肥さがしに困られた
ことはありませんか。
そんなときに便利なのが、植物質のたい肥のもとである腐食酸をたく
さん含んでいるテルアンです。 一般の植物性のたい肥の腐食酸量が
1-2パーセントであるのに比較してテルアンは

  75パーセント以上の腐食酸

を含むので 10アール当たりの施肥量が少量ですみます。

また、元肥と同時に、そして追肥としても使用できるのも特長です。
一般のたい肥は撒くのが大変で、しかも元肥の施肥前にまくのが常
でですから、この 労働力と時間の省力効果 は うれしいですね。

テルアン

台風後の急な植えつけには、おすすめの資材です。


晴れ 健苗作りの回は ​こちら​。
 
 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜




暴風雨の中の青い人影・・・・レスキューじじいの思い出。

2018-10-08 10:29:24 | Weblog
暴風雨の中の青い人影・・・・レスキューじじいの思い出。

2008年前後の回の再録ですが、よろしかったら。。

 ↓

あなたのお住まいの地方では、台風14号の被害はありません
でしたか?
この話は、そんな台風の増水時に体験した出来事なんですよ。
よろしかったら。 ↓​


あれは数年前の台風時・・・生まれてはじめて避難を考えた
時のことだった。

強まる横殴りの雨の、台風のまっただなか、様子をみるため
にすこしだけ開けた雨戸の隙間から、外の様子をみたときの
こと。

「んっ?」

人がいたっ・・・青いパーカを着た人物。
そしてその人物の足元は、すでにクルブシの上までにも水が
あがっていた。

「えっ。こんなに水がでていたんだっ。」

この家に住んでずいぶんになるが、この地区で、これほどの
水がでるのは初めての体験である。奇異におもえるはずの暴
風雨の中の青い人影よりも、窓下の迫りくる水の存在に私は
恐怖を覚えた。

避難したほうがいいと、とっさに判断し、雨戸を閉め、
「4駆の軽トラで避難しないと、水かさが心配だな」と考え
つつ、軽トラのキイを探す。

そんなときだ、叩きつける雨音・風音に混じって、金属音
が聞こえたのは。

「キイー、キキキギ゛ィー」

聞き覚え尾のある音・・・そう、排水溝を、排水溝に詰まっ
たゴミを金属のクマデでかきとるときに出る音だった。

「キイー、キキキギ゛ィー」

音が気になって、雨具を身にまとって外へ飛び出す。
そこでみたものは

金属のクマデを持って溝の排水作業をする青い人影だった!

手馴れた様子で作業する痩せ型の人影。姿勢はいい。
しかし・・・近寄って見たその青いパーカのフードのなかに
は、ご老人の顔があった。

暴風雨のなか、こちらに気付いたご老人は、なにも語らず、
ただうなづくのみ。確信に満ちたうなづきだった。

命令されたわけでもないのに、あわてて、こちらも
家に引き返し、クマデを手にした わたくし・・・。
嵐のなか、排水溝に詰まったゴミを金属のクマデでかきとる
二人。ゴミで埋まっていた水路で行き場をなくしていた水は

意外なほどのスピードで、その水位を低くしていった。

その間、約2時間。

ご老人は、水がひきはじめたのを確認し、一緒に作業しはじ
めてから1時間後にもう一つ先の、別の排水路に移られてい
った。『手馴れたものだ』と、その後ろ姿に、私は舌を巻いた。

いつのまにか台風の風雨は、峠を越していた。

数年たって、台風のニュースを聞くたびに、おもうのだ。
あのご老人はいったい誰だったのかと。

公民館活動をしている手前、ここの公民館の方ではない。
せまい町内。一度もお見かけしたことがない、お顔だったのだ。

あのご老人はいったい誰だったのだろう。


晴れ 農業団体系の水利組合に おんぶにだっこの
  用水・排水管理。。 
  今後 水路の掃除は、これからの日本の課題
  ↓ の ひとつとなっていくことでしよう。
   
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