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グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

見習うべきは、「大規模化」よりも「適地適作」。

2011-11-10 17:45:45 | Weblog
見習うべきは、「大規模化」よりも「適地適作」。み

その土地の自然的・社会的条件に最も適した農作物を栽培することを
適地適作」といいます。
その適地適作の面から、日本農業の目指すべき農業のかたちを考察
してみました。よろしかったら、ご参考に。  前回は こちら 。


 ↓


世界一の農業国でもある米国の農業があります。

前述の適地適作という見方から、〔日本農業にとっての理想の農業の形
として語られることの多い
〕米国の各地で営まれている営農の概略を説
明すれば

 ● 米国東北地方   酪農、ブロイラー、果実・野菜
 ● 五大湖地方    主要酪農地帯
 ● アパラチア地方  たばこ、落花生、肉牛生産、酪農
 ● 南東地方  牛肉、ブロイラー、落花生、野菜、果実
 ● デルタ地方   ブロイラー、大豆、綿花、米、さとうきび
 ● 山岳地帯   牛及び羊の酪農、小麦、干草、てんさい、
            ジャガイモ、野菜、果実


という具合になります。

このように米国の農業においては、それぞれの地方では、土地それぞれ
の風土に合った作物が植えられたり、家畜が飼われたりしている。いわ
ゆる適地適作の農業が展開されているわけですね。
つまり大面積を大型機械でおこなう農業は中西部の平坦地の農業なので
あり、

 全部で大面積の大型農業機械型農業がおこなわれているわけではない
というのが、米国農業の現実なのです。

そこで、わが日本です。土地も狭く、傾斜もきつく、そもそも気候の面
で、麦や大豆栽培に適しているとは思えない日本
で、「大面積での大型
農業機械を使った農業」を目指すのは、いかにも非効率ではないでしょ
うか。

極論すれば

 適地適作を無視した営農は、衰退して当然

だとさえ、思えるのです。

したがって、です。これからも米国農業を見習っていかなければならな
いのだとすれば、見習うべきは「大規模化」よりも「適地適作」でしょう。
具体的にいえば〔米国の平原地帯で行われている農業ではなく〕米国の
山岳地帯や西海岸付近の都市近郊農業をお手本にすべきですよ〔経営
面積も中西部よりぐっとスケールダウンしますし
〕。

緯度や地形、そして気候にあった「適地適作」という農業の大原則の
視点でさぐれば、そうなります


 
◎ 日本人に馴染みの深い西海岸の農業でつくられている農作物
 北のワシントン州・オレゴン州では、小麦、果実、じゃがいも
 南のカリフォルニア州では、酪農、野菜、果実、綿花といった
 具合になります。



▼ いろいろな米国農業もみたいんですよね、NHKさん、そのあたり
  よろしく願いいたします。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染





山国の日本では、大型機械を使った農業は効率的でない。

2011-11-10 10:36:05 | Weblog
山国の日本では、大型機械を使った農業は効率的でない。み

TPP関連で展開されることの多い農業論についての、現場からの農
業の現状報告といった意味合いですが・・・よろしかったら。

 ↓

ずらっと並んだ大型コンバインが見渡す限りの黄金色に染まった小麦、
あるいは見渡す限りの熟れた大豆を収穫する風景
を、テレビなどでご
覧になったことはありませんか。農業問題を取り扱った番組で流され
ることの多いお馴染みの光景ともいえます。

この映像イメージは、主として米国の平原地帯での農業の姿です。い
わゆる大平原での、大型機械を使った単一作物を栽培する農業におけ
る収穫風景ですね。
そしてこの画面で想像されるこういった農業のイメージが、いまや多
くの日本人の頭の中で想像される理想の農業にあたるのでは
ないでし
ょうか〔これは、米国の平原地帯の農業しか流さないNHKさんによる
ある意味マインドコントロールだと思いますよ。平原地帯以外のほか
の米国の農業地帯も流さなくっちゃ
〕。

しかし実際のところは、こういった農業を、そのまま日本にあては
めるわけにはまいりません。なんといっても地形の問題があるからです。

日本は、その国土に占める平野の面積といえばわずかに約25%、残
りの70%近くが山間部という地形
です。そう、日本は島国であると
同時に、なんといっても山国
であるために農地面積が少ないとい特徴
があるのです。ただでさえ少ない平野では、人口増加や都市化にとも
なう開発が行われ、結果として、日本の国土のうちの農地面積は国土
面積38万平方キロメートルのうちのわずか13・5%にしかなりません。
米国の39・4%やオーストラリアの59・3%とは、比べるべくもなさそ
うです。

では広大すぎる米国やオーストラリアではなく、山国であるスイスや、
スイスほどではないにしても山がありそうなドイツやフランスを含む
EUと比較
ではどうでしょう。

EU全体の農地面積の割合は、日本と同じく30%程度ではないかと
思ってしまいそうになりますが、じつはEU全体の国土面積に占める
耕地の割合は65・5%
もあります。
では同じ島国である英国はどうでしょう。しかしです。英国にいたっ
ては、国土面積に占める耕地の割合は69・6%もある。こちらも日本
よりもはるかに広いのです。
具体的に耕地面積を比較してみると、ドイツは日本の3・6倍の17
01万ヘクタール、フランスは6・3倍の2943万ヘクタール、前
述の島国にであるはずのイギリスでは、3・6倍の1696万へクタ
ールにもなります。

・・・・。

ここまで各国と比較して日本の農業のおかれている地形の特殊事情を
ご説明しました。
そのうえで思うのですが・・・このような地形の日本では、大型機械
農業を柱とした〔一般的に強い農業だと考えられている〕農業政策を主流
として推し進めるのは現実的に無理がある
・・・と、そう思われてならないの
です。 

▼ 明治期のお雇い外国人技術者の多くが日本の河川を見て、『これは滝だっ
  といった話は、有名ですよね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




いまだに『TPP交渉は農業問題』だとするセンスって、いったい。

2011-11-09 10:41:03 | Weblog
いまだに『TPP交渉は農業問題』だとするセンスって、いったい。み

TPP交渉の参考となりうる韓米FTAについて、先日の選挙で選出さ
れたばかりの新ソウル市長が反対する意見書を提出されたのだそうです
ね。 

まさに旬な話題。わたくし、日本国民のひとりとして、じつに興味深く
読ませていただきました。ニュースは こちら 。

ことほどさように、現代においては、情報が、素早すぎるほど素早く伝
わる時代です。

そんな時代の中にあって、いまだに

 『TPP交渉は農業問題にすぎない』と国民に思い込ませている

のに成功していると信じ込んでいるらしい政府内の民主党のお歴々の、
ここにいったての時代錯誤的な発言の数々には驚き
を禁じえません。

ましてですよ。

ここ数日からは、TPP交渉に賛成の立場をとっていた大新聞紙でさえ、
TPP交渉は農業問題だけを扱ったものではなく医療や保険の分野
にも影響が及ぶ懸念もあるという記事を掲載し始めた
ところですから、
なおさらそう思えるんですよね。 こちら そして こちら 。

いまおもうのは・・・

いまからでも政府は、農業以外の分野での情報をできうるかぎり公開して
もらいたいなということです。
そして、その公開された情報をもとに、〔参加する・しないの判断ではな
TPP交渉の中身についての、賛成派と反対派との、正々堂々とした
議論をしてほしい
ということです。

この要求に答えることが、〔選挙時にはマニフェストにはなかったTPP
交渉の問題に対する、民主党の、国民に対する最低限の義務

とおもうんですよね。


▼ 賛成派は、ニュージーランドのケルシー教授の説や、米国内のTPP
  交渉反対派
などにも、堂々と理性をもって反論されるべきかと。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染







年末にはチキン製品や回転寿司の一部のネタが品薄に?

2011-11-08 22:04:39 | Weblog
年末にはチキン製品や回転寿司の一部のネタが品薄に?み

年末には、焼き鳥や回転寿司の一部のネタが品薄になるかもしれな
』という、ニュースはご存知ですか。

その原因は・・・そう、7月からはじまったタイの洪水の影響です。

日本の食料基地のひとつといってもよいタイ。チキンの加工品や、と
くにエビ加工品の5割超、加工前のエビでは約15%がタイ産となっ
ているからです〔2010年のタイからの輸入農林水産物の総額は4
583億円
〕。

 感染症発生のない現時点での、ニュースは こちら 。

流通業界の話しでは、いまのところ「おせち材料やクリスマス用のロ
ーストチキンなどへの影響はなんとか避けられる
」とされていますが、
さらに洪水が長引き、そして懸念されている感染症が発生したとすれ
ば「日本の食にいろいろな影響が出る」ことは避けられないでしょう。

気になるのは、そのタイの現地での感染症の発生の確率ですが・・・

昨日お伝えした排泄物投棄の話に加え、1日当りのゴミ発生量が約九
千トンあるといわれるバンコクのゴミの収集作業が滞っているという
話や、さらにはその水に浮いたゴミ自体が〔排水溝に詰って〕新たな
増水を生んでいる
という状況から見て、いつ発生してもおかしくない
というほどの状況であるようですよ。 こちら 。

・・・日本の場合でさえ、「異臭のために外には洗濯物さえ干せなく
なる」というのが、大水害後の実態
です。運よく感染症が発生しなか
った場合でも、〔日本より気温が高いタイですから〕日本で考えられ
ている以上に、洪水が引いた後の衛生管理に時間が必要となるのでは
ないでしょうか。

いや、むしろです。

いち消費者の立場としてよくよく考えれば、時間がかかったとしても、
被害にあった工場施設にはしっかりとした衛生管理を望みたい
ですよ。

なにせ 口にするもの のはなし なんですから。


▼ そして、こんな加工施設が日本にあったらなぁ・・・と、ついついおも
  っちゃうんですよね、農業関係者としては。 こちら 。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜





いまだに『TPP交渉は農業問題』だとするセンスって、いったい。

2011-11-08 18:35:13 | Weblog
いまだに『TPP交渉は農業問題』だとするセンスって、いったい。み

TPP交渉の参考となりうる韓米FTAについて、先日の選挙で選出さ
れたばかりの新ソウル市長が反対する意見書を提出されたのだそうです
ね。 

まさに旬な話題。わたくし、日本国民のひとりとして、じつに興味深く
読ませていただきました。ニュースは こちら 。

ことほどさように、現代においては、情報が、素早すぎるほど素早く伝
わる時代です。

そんな時代の中にあって、いまだに

 『TPP交渉は農業問題にすぎない』と国民に思い込ませている

のに成功していると信じ込んでいるらしい政府内の民主党のお歴々の、
ここにいったての時代錯誤的な発言の数々には驚き
を禁じえません。

ましてですよ。

ここ数日からは、TPP交渉に賛成の立場をとっていた大新聞紙でさえ、
TPP交渉は農業問題だけを扱ったものではなく医療や保険の分野
にも影響が及ぶ懸念もあるという記事を掲載し始めた
ところですから、
なおさらそう思えるんですよね。 こちら そして こちら 。

いまおもうのは・・・

いまからでも政府は、農業以外の分野での情報をできうるかぎり公開して
もらいたいなということです。
そして、その公開された情報をもとに、〔参加する・しないの判断ではな
TPP交渉の中身についての、賛成派と反対派との、正々堂々とした
議論をしてほしい
ということです。

この要求に答えることが、〔選挙時にはマニフェストにはなかったTPP
交渉の問題に対する、民主党の、国民に対する最低限の義務

とおもうんですよね。


▼ 賛成派は、ニュージーランドのケルシー教授の説や、米国内のTPP
  交渉反対派
などにも、堂々と理性をもって反論されるべきかと。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染