グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

農産物の安全確保の決め手は「検査数を増やす」こと。

2011-11-29 16:28:58 | Weblog
農産物の安全確保の決め手は「検査数を増やす」こと。再み

農産物の放射性物質汚染は、見た目ではわからないという おはなし
のつづきとなります。
大波地区で最初にコメから放射性物質がされた直後のブログですが、
検出数が増えたということで、ご参考までに、よろしかったら。

 ↓

福島市大波地区(旧小国村)のコメから国の暫定規制値(1キロあたり
500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、政
府は17日、原子力災害対策特別措置法に基づき同地区で今年収穫した
コメの出荷停止を県に指示した。


というニュースのなかで、厚労省監視安全課のコメントとして

予備検査と本検査で何カ所も調べ、すべて
  規制値以下
だったのに、なぜ今ごろ規制値を超えるコメが出るのか」

というものがあります。ニュースは、 こちら 。

・・・気持ちはわかりますが、このコメントはいただけない。

〔いただけない〕理由は、この福島市大波地区のコメの場合、一連の検
査は、いわゆるサンプル検査で、この地域のコメも 

 「検体は42ヘクタールの水田から2つ

というサンプル数が少ない状態の検査であったということからです。

この程度の検体での検査だったというわけですから『検体が少なかった
ために汚染がわからなかっただけだ
』・・・といわれても、これはしよ
うがないと思います。 ニュースは こちら 。
 
一般の方は、おそらく“ヘクタール”という面積の単位や、“単位あたり
のコメの収穫量
”がおわかりにならないと思いますので、その点をわか
りやすく整理してみましょう。

たとえば 重量からみた確率 などは、いかがでしょう。

10アールあたりの平均収量を、だいたい500キログラムとした場合に、
この大波地区の収量を ざっと計算すれば

 42ヘクタールの収量は およそ 210000キログラム 

となります。そこで 検体の量です。大目に見積もってわかり易く検体の
量を1キログラム・2検体とした場合に、重量からみる検体の数時による
確率は
 
 1 / 105000

の確率となります。つまり10万5千個の検体のうちのひとつを調べたとい
うことになります。

そして、検体の量が 1キログラム以下の、たとえば 100グラム程度
であった場合は・・・

 1 / 1050000

と、105万個の検体のうちのひとつを調べただけになることも考えられ
るわけです。

この確率がどれくらいの数字であれば安全なものだと考えてよいのかは、
実際には 要する人手や検査機械の種類や検査機械の数、かかる経費の
多少にもよるのであろうは思いますが、原理原則として

 検査の数が多い

ほど、現実の汚染状況をより正確に把握できる・・・というのがまちがい
のない現実ということになります。

そういった意味あいから「全戸調査を実施してほしい」という大波地区の
要望は、じつにまっとうなものだといえると思えるんですよね。安全の割
合を高めるためには。 ニュースは  こちら


▼ 「見た目で判断できず、検査するしかない」という事態は
  なんとも 歯がゆすぎますね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」 







作物の放射性物質汚染は見た目の判断ができない。

2011-11-29 14:08:49 | Weblog
作物の放射性物質汚染は見た目の判断ができない。すみ

作物の体内養分の 多い・少ない は、これまでの経験から、外見からも
判断できていたのですが・・・放射性物質に関してはそれができないとい
うおはなしです。
福島市大波地区のコメから、国の暫定規制値を超える放射性セシウムが検
出された ニュース 関連ということで、ご参考までによろしかったら。



 ↓

作物の吸収する要素の欠乏や過剰にはつぎのような症状が現われます。

 ● 食物の先端部の葉に出やすいのは カルシウムホウ素の欠乏
 ● 植物の根際に近い下葉は、マグネシウムの欠乏
 ● 古い葉にでやすい要素欠乏も、マグネシウムの欠乏

であることがほとんどです。そして上記のような微量要素の欠乏症状が発生
する場合には、カリの過剰チッソの過剰が原因のひとつであること が、
容易に予想できる。

このように、いままで栽培してきた経験則から、植物体内の養分の多い・少ない
が容易に推測できる
わけです。また、そのような障害の現れる場合のみに詳
しい成分検査をすることだけでも、充分に事態を収拾することが可能なわけです。

キュウリでもトマトでも、ピーマンでも、そしてキャベツでも、そう。

植物には、要素欠乏についてこのような共通の法則性があります。

・・・しかしです。放射性物質では、こういった判断が出来ない。たとえ
放射性物質を吸収している植物体であったとしても

 正常な生育をしている個体と、見た目がいっしょ

というところが、問題となるわけです。その事実が、まさに検査が大事となる
理由
となります。


 写真は廃棄される「あんぽ柿」 。 20111112-348720-1-N.jpg

▼ 成分検査とあわせて、見た目の判断や聞き込みでプロファイリング
  しながら、作物の生育診断をする身としては・・・しょうじきいって
  くやしいですね、判断できないということは。。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染





次の一手〔たんに農業問題と思わせたい方々の〕

2011-11-29 10:02:59 | Weblog
次の一手〔たんに農業問題と思わせたい方々の〕

そんな時代の中にあって、いまだに「TPP交渉は農業問題にす
 ぎない」と国民に思い込ませているのに成功していると信じ込ん
 でいるらしい政府内の民主党のお歴々の、ここにいったての時代
 錯誤的な発言の数々には驚きを禁じえません


・・・という回を書いてからしばらくたちました。 こちら 。

そして11月も終わりに近づいた今、『TPP交渉は農業問題にす
ぎないと思わせたい』派は、新たな議論を展開する段階
に入ったよ
うですね。

いわく・・

 現状では放っておいても日本の農業には未来がない

といった論旨です。

 こんな農業に誰がした

みたいな言い方もあるみたいで/笑。

そのうえで、

 農林水産業をどう建て直し、競争力を高めていくか

という問題提起を行い、解決策として
 
  規模の拡大をはかる
  そのための農業の法人化をすすめる

ことを、早急におこなうことを主張していくようですね。「農業の
救済策となるような対策をおこなっていくためにも、だからこそ農
業問題にすぎないTPP交渉はすすめていくべきなのだよ
」みたい
なそんなご主張なのでしょう。
 
 大規模化した農業に、企業的なセンスと資金とを持ち込む

といった話になるのだろうと思います。

しかしですね、いち農業関係者としては、たとえば こんな話しを
思い浮かべずにきはおられない
んです。農業に関心のある、いゃ関
関心がなくとも、広告活動を一度でも 見た方が多いはずの、この
農業関係の会社 も 

 ■ 大規模経営によるスケールメリット
 ■ 生産物を最終段階まで育て上げることもできる経営

を売り物にしていたのですよね。 こちら です。


▼ 面積がいらない農業もあるんですよ。こちらです。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




2月のものでも通用するという冬物衣装みたいな話し。

2011-11-29 00:44:04 | Weblog
2月のものでも通用するという冬物衣装みたいな話し。

2月04日のブログ再録です。11月となった現在でも通用しそうな内容
であるというのは・・・おおいに問題ありですよね〔衣替えで引っ張り出し
た寒い時期の服装じゃないんですから/笑〕。そういったわけで、ご参考ま
でに、よろしかったら。

 ↓

『労働や医療・保険や通信の情報は?TPP交渉について 』

TPP交渉では24の作業部会がある」と、いうことでした。

しかし2月3日時点では、農業の、しかもコメなどの話しばかりの情報
しか流されていない気がする
のですが〔意識的?〕、ほかの23の分野
の情報はいったいどうなっているのでしょうか???

そう考える方は民主党にもおられるみたいで〔ある意味ほっとしました〕、

参加すれば全てがうまくいくような万能の神器ではない
国の形が変わる問題であり、民主党内や国民的な議論を尽くすべき

これは民主党・WTO等検討WT座長の小平忠正さんのおはなし。

政府・与党で議論をし尽くす前に方向性がきまってくのは恐ろしい

これは民主党・中野渡詔子さんのおはなし。

たしかにそうだと思います。
なんといってもTPP交渉では24の作業部会があるといわれている
からです。ちなみに参加を目指す国家がまとまり交渉の作業部会を設
けている主な議題は

 工業製品、農産物、繊維・衣料品の関税撤廃
 金融、電子取引、電気通信などのサービス
 公共事業や物品などの政府調達方法
 技術の特許、商標などの知的財産権
 投資のルール
 衛生・検疫
 労働規制や環境規制の調和
 貿易の技術的障害の解決
 貿易紛争の解決

といった、ほんとうに国の形がかわってしまいそうなものになるとい
われているからです。マニフェストには存在していなかったにもかか
わらず、議論を尽くす前から「経済を開くことは、世界と繁栄を共有
する最良の手段だ」と主張し、行動
されている菅首相の言動には、し
ょうじきいって『』『』としか表しようがない気がします。。

農業に携わるものとして、そう思うのには理由があります。

TPP交渉も、『きめちゃったから、あとはよろしく』式の、諫早湾問題
のように扱われるのでは
とおもっちやうんですね、これが。 

お話は こちら 。

▼  K団連会長のほうが、首相よりも上役 だったり?

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染