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農業の現場の おはなしなどなど。

続続・本当に強いの?日本農業。労働問題編 3。

2011-09-04 14:41:50 | Weblog
続続・本当に強いの?日本農業。労働問題編 3。。 すみ

水害多発の折に恐縮ではありますが、日曜日恒例となりました、今週最も
アクセスの多かった回となります。前の回は こちら 。よろしかったら。

  ↓

『続続・本当に強いの?日本農業。労働問題編3』

もちろん日本の“強い”農業を展開する側、つまり外国人研修生を雇用す
る側にも言い分はあります。 代表的な意見は、つぎのようなもの。

最低賃金ぎりぎりの給与、納期間近の残業や休日出勤。実習生と同じ条
 件で求人を出しても応募する日本人はほとんどいない。

日本の法にのっとって、実習生を雇い、規模を広げてきた。実習生の受
 入れを辞めるという理由はない。1人でも増やして元の規模に戻したい


たしかに、そのとおり。こういった意見は法的にはなんら問題はないの
です。 日本の農業の現状では日本人を雇えないは こちら 。

そこでですが・・・
では、現在は良いとしても、将来的に法的に問題がでてきた場合はどうで
しょう
。じつは 国際的には、日本の外国人研修生制度についての、この
ような国際世論があるのです。たとえばこれは・・・米国務省による批判です。

米国務省は27日、世界各国の人身売買の実態をまとめた年次報告書を
 発表、 この中で日本について、外国人研修生制度に人身売買に近い実
 態が見られるなどとし、7年連続で「人身売買根絶の最低基準を満たさ
 ない国」(4段階中の上から2番目)に分類した。
 報告書は、中国や東南アジアなどの出身者が日本企業で技術を身につけ
 る「外国人研修・技能実習制度」について、賃金不払いや長時間労働、
 旅券を預かって移動を制限するなどの問題点があると指摘。暴力団組織
 が性風俗産業で外国人女性を働かせる例も取り上げ、日本政府による取
 り組みが不足していると指摘した。


というもの。これは6月28日付けの新聞各紙で伝えられた米国発のニュ
ースとなります。

外圧に弱い国、日本であるのは誰しもご存知のとおり。このような外国に
よる、外国人研修生制度そのものに対する非難が年々強まっていくであろ
う中で、この制度は未来永劫に渡って継続されていく保証はあるものなの
でしょうか。
“強い”農業を展開する側が、この制度をこれまで通りに活用してういっ
たところ、ある日突然に制度の存続が危ぶまれる事態が発生するなどとい
ったことは、ありませんでしょうか。

心配になるのは、その点なのです。

さらに、もうひとつ外国人研修生制度を見直して欲しいと強く思う理由
があります。それは農業という産業に携っている一人としての、過去の記
憶があるからです。 こちら や こちら のような事件は、研修生にも、
そして雇用者にとっても、今後おこってほしくない“不幸”そのものだか
らです。

こういった悲劇が繰り返すのを防ぐためにも、どうにか方法はないものな
のかと思うのです〔国内の新規就農希望者を活用するわけにはいかないも
のなのでしょうか
〕。


▼ 赤字をだしてでも、というのは言いすぎですが、
  多少無理してでも日本人の就農希望者を雇っている法人を評価してあ
  げたい
なとおもうんです。そういった法人が、真に“すぐれた農業経営”
  といえるのではないでしょうか。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染