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農業の現場の おはなしなどなど。

イネの守護神。

2015-10-11 17:45:16 | Weblog
イネの守護神。

イネとイネつくりに関係した神様、それがお稲荷さまです。

 稲成りに、稲生り(いねなり)で、稲が成育すること、
 また 稲つくりを担(にな)うこと、すなわち 稲荷 。


そうした理由から、古来より人々は伏見稲荷に参詣し、稲荷山の土
を持ちかえります。稲荷山の土を戴いて、それを自分の田畑に撒け
ば五穀がよく稔り、害虫がつかないという素朴な信仰のかたちです。

 前つがたは諸国の農民山州伏見稲荷山の土を求田毎に入れば
 保食神の加護にてよく実のるとて皆人ごとに土をもとむ。

と、大阪の随筆家であった田宮仲宣・文永壬午年〔1822〕刊の
随筆集には、この稲荷山の土に関して書き留めてもいるようです。
この風習が、のちのち各地神社の現代でも見受けられる「清め砂」
や「御神砂」となっていったのかもしれませんね。

そのような日本民俗信仰における稲作の神、お稲荷さま。

仕事がら自分は、個人的に羽田の穴守稲荷神社にお参りさせていた
だいております[以前掲載した 不思議な砂の話 の回でご紹介し
た「御神砂」は、じつは穴守さまからいただいたもの。

そんな穴守さまの紋どころには、はっきりとイネの姿が描かれてお
ります。

そして、キツネのお話です。

狐が稲荷神そのものであると誤解されている方もいるかもしれませ
ん。たしかにどこの稲荷社の境内にもおキツネさまばかり/笑。しか
しキツネはあくまでお使い〔中世以前にはキツネの姿はみられなか
ったといいます
〕。

穴守神社のご祭神は、紀記などで食物の祖神・農耕の神とされる保
食神、豊受姫命/とようけひめのみこと。 女性神であらせられます。


◎ 文中の随筆家・田宮仲宣さんっておもしろい>

 別の随筆集にかかれているとのこと・・・「以前ある人の子に狐が
 憑いた。この狐、たいしたもので諸氏百家を暗記しており、誰もこ
 の憑いた狐との問答に勝てなかった。しかしある人がある質問を
 したら、あっさりと観念して離れたのだそうです。さあ、諸氏百家
 を暗記していたという その狐がわからなかった質問 です。
 あなたならなんと問われますでしょうか? じつは・・・・

  論語の中で、「子曰く」とは何回出てくるか
  と問うと、狐は観念して離れた。

と、いうことでございますが・・・はげしく納得/笑。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染