粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

龍柱問題、沖縄県民が抗議すべき場所は辺野古ではない

2015-01-23 21:44:13 | 沖縄の虚像と実像

今、日本中が中東の日本人拘束事件で騒然としているなか、まるで場違いというべき騒ぎが沖縄で続いている。辺野古移設工事を巡る反対派「住民」の抗議活動である。

どうもこの「住民」というメディアの表現が極めていかがわしい。150人程度とみられる辺野古工事に妨害の活動を続ける人々の素性はいかばかりだろう。多くは、沖縄内外のプロ市民といわれる。官公労や日教組などの組合員やOB、一部の市民活動家そして中核派などの新左翼とされている。どうも沖縄一般l県民とはほど遠い人種だ。これに対処することが国家権力の横暴とされたらたまらない。実際、辺野古移設反対は沖縄県民の「民意」とマスコミはいうが少なくとも現地の漁民は移設を容認している。

 妨害活動で「負傷」したことを沖縄の新聞が盛んに書き立てているが、その多くが60歳をこえるじいさん、ばあさんだ。海上保安庁の保安員が制止しようとすれば衰えた体躯で怪我もするだろう。

一方で、沖縄南西部尖閣諸島周辺では日常的に中国海公船の領海侵犯が行われ、中国が勝手に設定した防空識別圏を我が物顔に飛び交っている。もはや、沖縄の漁船が自由に尖閣諸島で自由に漁業ができない事態になっている。

この傾向は、昨年沖縄県知事選で、翁長雄志氏が勝利したことで拍車がかかっている。翁長新知事は辺野古移設に反対を公約に掲げていて、工事を進める政府に対決姿勢を示している。その反面、南西部の領土危機には全くといってよいほど危機感がない。いや、これをまるで放置するような態度を見せている。

これでは反日反米であるとともに、親中ではないかと疑念を抱かざるを得ない。その証拠に選挙では社民党や共産党などの左翼政党の支持を受けてその意向を強く反映させているのだ。そして、もう一つ裏打ちするものがある。以前自分のブログでも言及した「龍柱問題」である。

これは政府が沖縄県に計上する振興費用のうち、いわゆる一括交付金という用途を問わない事業として特に那覇市で進められているものだ。那覇港から那覇中枢部へ向かう幹線道路の要所に両端に15メートルの龍柱を設置するもので、翁長氏が市長時代に計画された。

しかし、2億5千万円とされる予算だが、その制作が友好都市である中国の福州市の業者に委任され、予算の相当部分が福州に流れているといわれる。予算の使途が非常に不明瞭で、これを運用する那覇市側にも福州市との不適切な関係で一部市民から不信感が持たれている。

一番の問題は、この龍柱が中国皇帝の象徴であり、わざわざ沖縄にこれを設置することは中国に誤ったメッセージを送ることだろう。すなわち、龍柱があることでここが中国の冊封地あるいは沖縄と中国の境界線とみなされることだ。そもそもこの設置を申し出たのが、中世より福建省から移民してきた中国移民の子孫たちである。彼らは、現在も沖縄で大きな経済力をもち、市政の影響力も侮りがたい。当時の翁長市長がその住民の意向を受けてこの龍柱設定を決定したものだ。一方で一般の那覇市民はその計画を全くといってよいほど認知していないのが実情だ。いわばこの龍柱は翁長市政の申し子であり、その実態は極めて親中国色が強く、問題が多すぎる。

以前から一部市民がその疑惑を告発していたが、翁長氏は知事選が終了するまで沖縄県民にこの問題で紛糾することを避けるために工事を遅らせていた節がある。本当ならば昨年の早い時期に設置されるはずだったからだ。しかし、知事選挙も終わり、同時に起こなわれた那覇市長選挙でも彼が後継に指名した候補が当選したことで、ここへきて龍柱設置が本格化してきている。今年度3月には設置が終了する気配が濃厚だ。

だが、この疑惑が多すぎる龍柱問題に沖縄のメディアは全く無関心だ。もっぱら辺野古工事の反対運動ばかりを報じるばかりで、実際沖縄県民の関心は設置が目前なのに極めて低い。しかし、那覇市の計画はこの龍柱だけではない、龍柱が設置される幹線道路は沖縄中心部に伸びているが、いずれ沿道に中華街をつくり、同時に中国領事館も招致して一帯を一大チャイナタウンにする構想があるという。

そうなるとまるでこれは中国の租界になってしまう。その間、親中国感情が沖縄県民の間でなし崩し的に醸成されていく。反日、反米で親中であれば、もはや沖縄は日本の自治共和国になりかねない。そうならば尖閣諸島日本領有は沖縄から骨抜きにされていく。いやすでの琉球独立を本気で唱えている反日活動家がいるくらいだ。

もちろん、沖縄県民は簡単に親中になびくほど愚かだとは思わない。実際、世論調査では県民の9割が中国を嫌いだと答えている。しかし、残りの一割の人間が率先して親中国活動を進めていき、県民が誘導されていけば悪夢が現実となりかねない。龍柱設置がその端緒ともいえる。そして、これを推進しようとしているのがとりもなおさず翁長新知事なのだ。だから、沖縄県民が抗議する場所は辺野古ではなく、龍柱が設置されようとする那覇の海岸である。そして那覇市役所、沖縄県庁だ。