粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

どうした?小泉純一郎

2015-01-17 18:04:52 | エネルギー政策

あの1年前の喧噪は何だったのだろう。まさに隔世の感がある。ちょうど1年前、小泉純一郎氏は政治の話題の渦中にいた。細川護煕氏が元首相として前代未聞の一自治体の首長選挙、都知事選に立候補して世間を驚かせた。しかも細川候補が、選挙の争点にしたのが、およ都政とは関係がない「脱原発」であった。しかし選挙の主役は細川氏ではなく、彼を強力に応援する同じ元首相の小泉純一郎氏だった。

小泉氏も細川候補同様、いやそれに輪をかけて「脱原発」だけを全面に都民に訴えた。これに当時マスコミ特に朝日新聞などの左翼メデジアが異常な反応を示してまるで反原発の旗手いや救世主のごとく持ち上げて選挙戦の中心人物に押し上げたのだ。

ただ、笛吹けど踊らず、で都民の選択は冷静であった。結局細川候補は原発政策には穏健な舛添候補に敗れたばかりか、同じ反原発で共産党が支援した宇都宮候補の後塵を拝する惨敗に終わったのであった。

選挙上手といわれた小泉元首相にとっては結局これは痛手であったに違いない。メディアは小泉氏の今後について秋には脱原発のためにシンクタンクを立ち上げてその啓蒙のため講演活動を続けるのではないかとその動静にはなおも期待をかけていた。しかし、小泉氏は全くといってよいほどその後、マスコミの話題になっていない。実際は講演活動を続けているようだが、マスコミも現金なもので記事になるほどの価値がないと判断しているのではないか。

そんな中、朝日でも週刊朝日が今年になって、小泉氏の現況を記事にしていた。「自然エネルギーは最強戦略 小泉純一郎が狙う進次郎の天下取り」(1月16日号)

原発回帰が進む日本。2014年9月、小泉純一郎元首相は地元・神奈川県横須賀市で小泉家の後援会約40人を集めた食事会に姿を見せた。

賞味期限切れ?なんと話は昨年9月のことだ。しかも「自然エネルギーは最強戦略」とはよく書いたものだ。表現の自由は勝手だが、「願望」を記事にしてどうなんだと嫌みの一つでもいいたくなる。それはともかく、小泉氏は自分が主導的に「脱原発」を推進しようというよりも息子の進次郎に未来を託したようだ。

「小泉氏は、5~10年後には日本は再エネを軸にした成長戦略に舵を切るべきだという世論のうねりが生まれると確信している。その時に進次郎氏が流れの中心に躍り出るために、自分の活動を通じて息子にも『脱原発』のイメージをつけようとしているのではないか。進次郎氏も時々、それらしい発言をしており、なかなか巧妙な戦略だと思います」(元経済官僚古賀茂明氏)

これでは、小泉氏は次世代の党の党員?そんなことはないか。あえていえば「ひとり次世代の党」というべきか。そういえば反原発の山本太郎議員は最近まで「新党ひとりひとり」という怪しげな?政党の代表になっていた。以前自分のブログで山本太郎と小泉純一郎が原発でタッグを組むことを仮想する記事を書いた。合体して「山泉純太郎」などと下手なしゃれになってしまった。

山本太郎議員は、小泉氏の未来志向に限界を感じたのか、連携する相手を変えた。小泉氏とは何かとライバル関係にある小沢一郎生活の党代表と新党を結成したのだ。これでは「山沢一太郎」?どこかのワープロソフトみたいだ。実際の政党も「生活の党と山本太郎となかまたち」という冗談みたいな党名だ。これではNHKの朝ドラ「マッサン」に登場する堤真一演ずる鴨居の大将がよく発する「辛気くさい」名前だ。

それはともかく、脱原発を標榜する現役・元政治家たちは昨今、再エネの行方が迷走しているのを反映してどこか冴えない。「自然エネルギーが最強戦略」にはほど遠い現状だ。それこそ辛気くさい?