粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

弱い犬ほど吠える、北朝鮮軍部

2012-10-10 14:46:42 | 厄介な隣国

アメリカ国務省の報道官が「自国のミサイルがアメリカ本土も命中打撃圏にある」と威嚇する北朝鮮に対して、「ミサイルの能力を自慢するより、国民に食料を提供すべきだ」と批判した。そして「脅しや挑発では何も解決しないことを理解する必要もある」とも述べている。

この声明のほぼ1週間前、韓国との軍事境界線を北朝鮮の人民軍兵士が超えて亡命する事件が起きている。しかも兵士は亡命前に上官二人を射殺したという。最も規律が求められる軍事境界線でおきた北朝鮮側の異常事態。兵士の士気の乱れは、想像以上であり今後のこうした事件は増えていきそうだ。

確かに北朝鮮で高距離ミサイルの開発は進んでいるかもしれないが、軍部の統率そのものが乱れていては遺憾ともしがたい。周辺国への威嚇も「犬も遠吠え」に近いのではないか。それもお腹を空かした弱い犬といえる。

北朝鮮の精鋭部隊はともかく、一般の兵士は食料の調達がままならず飢餓に苦しんでいるといわれる。当然一般国民はなおさらだろう。敵国の国務省報道官に同情がこもった皮肉をいわれるようでは情けない話だ。

中国も外務省さえ北朝鮮威嚇声明に対して「自制を保つ」よう呼びかけている始末だ。(もっとも「威嚇」にかんしては尖閣諸島問題などをみると中国は言えた義理ではないが)

北朝鮮も指導者が替わり、表向き多少変化の兆しが出ているといわれている。しかし、こんな腹をすかし規律の乱れた兵士をみると体制の矛盾は致し方なく、悪化を辿っているのだろう。その崩壊は遠くないように思う。