10月7日TBS「サンデーモーニング」はいつもながらその偏向ぶりには不愉快になる。たとえば、韓国の大学教授が、ニューヨークの新聞に日本軍慰安婦問題で意見広告を掲載したのに続き、同地のセントラルパークなどで同様のビラを市民に配っていたことを報じていた。意見広告には1970年当時西ドイツのブラント首相がポーランドの戦没者の墓地で跪く写真が特に大きく掲載されていた。ドイツ側の隣国への全面謝罪の姿勢と対比して日本の慰安婦問題への対応を批判するものであった。
ウィキペディアによれば、当時のブラント訪問はポーランドではほとんど報道されず、同国民にはさほど感慨をあたえるものではなかったという。さらにドイツはポーランドへの賠償には応じず、逆に同国から追放で財産を失ったドイツ人の損害賠償さえ起こしており、今なお両国間で係争中であり、決してほめられたものではない。
よく左翼メディアが「日本はドイツを見習え」と主張していたが、実態はそんな単純な問題ではない。戦後のドイツは悪いのはナチスの一部指導者であり、国民の多くはその犠牲者であるという立場をとってきた。当初はドイツの姿勢を評価していた朝日新聞さえ、その内情が明るみになるにともない、もはや「ドイツを見習え」などとは最近主張していない。
しかし番組では韓国の大学教授の一方的な主張を垂れ流し、あくまでも「ドイツに比べて不誠実な日本」というイメージで話を進めていく。結局、韓国側の日本への「慰安婦性奴隷キャンペーン」に番組が理解を示していると見られても仕方がない。
それに関連して番組は、先週韓国政府が欧米のメディアを竹島に招待して取材をさせ、その領有を彼らを通じて世界に発信させようとする試みも無批判に紹介している。韓国が竹島問題で攻勢をかけているのを日本のテレビ局が肯定的に見ている印象さえ与えてしまう。
しかし、前日6日同じTBSのビートたけしが出演している番組では、韓国政府の意図に反して「日韓間で竹島の領有をめぐって係争中」と外国人記者が客観的に報じている様子を紹介していた。「韓国側の試みは裏目にでてしまった。韓国国内で政府のやり方に批判がでている。」と番組は皮肉っぽく伝えていた。しかしサンデーモーニングでは「裏目に出た」部分が全く欠落していた。同じテレビ局でも番組スタッフの視点が全然違うことに驚く。
以上サンデーモーニングの報道姿勢は韓国側に同調的で日本の番組の取り組むべき態度とはとてもいえない。こうした姿勢は番組随所に見られる。その根本は左翼メディアの典型といってよく、反日的視点は日本の尊厳を自ら貶めているといえる。韓国の大学教授の「日本はドイツを見習え」はもともとは日本の左翼メディアの主張を受け売りしているのに過ぎない。慰安婦問題も同様最初日本の左翼メヂアが「点火」した「戦後処理問題」だ。それが韓国に飛び火して燃え上がっている。自分たちは関係ないと、しらをきっても「マッチポンプ」ともいうべき左翼メディアの責任は大きい。