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粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

小渕優子と沖縄県知事選

2014-09-01 19:31:39 | 国内政治

今度の内閣改造に関連して自民党の人事も注目されている。報道では小渕優子議員の幹事長就任が取沙汰されている。もっと党内にベテランの実力者がいると思うのでまさかと疑った。幹事長は党の財政責任者であるとともに、選挙では仕切り役として指導的役割を果たす。そんな重責に小渕議員は耐えられるだろうか。

今回の幹事長人事ではどうしても直前に迫った沖縄県知事選挙が想起される。その結果は日本の今後の国防に重大な影響を及ぼすことは間違いない。個人的に自分としては、すでに立候補を表明している仲井真現知事が再選されることがベストだと思っている。共産党や社民党が支援する翁長那覇現市長では日本の将来は危ういと考える。

仮に小渕幹事長では選挙戦が不安だとどうしても感じてしまう。翁長市長の優勢が現在伝えられている。これを挽回するには党の強力な後押しが必要だ。一言でいえば仲井真知事をバックで物心とも支援できる政治力が必要である。はたして小渕議員にそれだけの実力があるだろうか。

ただ、石破現幹事長でよかったかというと必ずしもそれはいえない。今年始めの名護市長選でまずつまずいた。候補者の人選がごたごたして、それが最後まで響いた。また、名護市への財政支援の約束も市民には逆効果の誹りを受けてしまった。永田町の問題児、山本太郎参議院議員による対立候補へのど素人応援さえ注目させてしまった。

そして、滋賀県知事選挙での予想外の敗北だ。これは必ずしも石破幹事長ばかりの責任とはいえないが、党としての調整能力に難があった印象は拭えない。理論派だがソフトな石破幹事長は地方議員に人気がると評判のようだが、地元の選挙現場を本気にさせる何かが足りなかった気がする。

確かに沖縄県知事選挙では誰が幹事長になっても、支援候補を盛り上げて勝利に導くことは難しいと思う。下手な財政支援の約束をちらつかせると沖縄県民の反発を買うことになりかねない。それこそ、「金目選挙」の批判をうけるだろう。

逆に小渕新幹事長であれば、その清新さを全面に押し出すことにより、希望の沖縄を県民にアピールできるかもしれない。何しろ、政治家としては老獪な仲井真知事のことだから、そうなれば奇策を講じるに違いない。仲井真知事が予想に反してこんな早い時期に立候補を表明しているところに、知事選への並々ならぬ決意が感じられる。仲井真弘多+小渕優子、なかなか面白い取り合せかもしれない、そう思い直した。

追記:結局、幹事長には谷垣前総裁が就任した。かつて石原慎太郎氏が谷垣さんを「女学校の校長先生」と評していたが、なかなかうまいたとえだ。仲井真知事とは性格的には真逆な印象があるが、このコンビはおもしろい。

小渕さんは経済産業大臣に入閣だが、う~ん、どうなんだろう。原発再稼働問題にすぐ直面する。勢いは衰えたとはいえ、朝日新聞などの反原発メディアが牙を剥いて襲いかかってくるだろう。はたしてこの暴風に耐えられるか。

 

石破茂という政治家

2014-08-30 16:24:00 | 国内政治

自分の独断と偏見でしかないが、どうも自分には石破茂という人物の実像がつかめない。彼がテレビでの発言を見ると確かに主張もしっかりしていて語り口もソフトで理路整然としている。政治家としての実務能力にも長けていることは間違いない。

ただどうにも彼の人間としての生の感情が伝わってこないのだ。変な比較で恐縮だが、かつて秘密警察で暗躍したプーチンロシア大統領、その鉄面皮のイメージとは裏腹に、最近のウクライナ問題では怒りの表情を露に出すのをしばしば見かける。反面、ソチ五輪で安部首相と対面した時には意外と思えるほどの微笑を見せている。そこに大統領の意外な人間的一面を見る。

確かに石破自民党幹事長とて、テレビで喜怒哀楽の表情を示すのを時々見かけることはある。ただ、どうもその表情がどこかぎこちないのだ。政治家が本気で怒ったり、喜んだりする必要は必ずしも必要とは思わないが、ポーカーフェイスでも一瞬に覗かせる素直な感情の起伏があっていいと思う。残念ながら石破幹事長にはそれが感じられない。

彼の政治家としての答弁は明瞭でわかりやすい。ツボを心得ていると思う。しかし、悪い意味で優等生的なのだ。まるで観客を意識した役者を演じているような印象がある。以前の政治家でいえば橋本龍太郎元首相に近い。話は的確だが、なかなか本人の本音が伝わりにくい。

石破幹事長はいい意味では徒党を組んでボス的な立場で政界を引っ掻きまわす人物ではないようだ。政治家としての純度は高い。ただ、残念ながら政治はそれだけでは動かないように思う。生身の人間的な魅力で結びつくのは政治の世界も同様だ。そしてトップで動くためには仲間を引きつけるカリスマ性も必要だ。

特に混迷を続ける国際政治では丁々発止の複雑な駆け引きに対応できる政治力が求められる。あのプーチンように、時に交渉で見せる意外な表情が武器となり得る。はたして優等生の石破茂にはそれが期待できるのか。

 

井上環境副大臣VS本田朝日記者

2014-08-04 20:30:50 | 国内政治

興味深い動画をみた。井上信治環境副大臣が福島で記者会見した時の模様だ。環境省が、除染作業において福島県内で地域の空間線量ではなく、個々人の被爆線量を重視して除染をすすめるという中間報告をまとめ、福島県内の4市長に説明した。

よく言われる通り、空間線量と実際の被曝は相当の開きがある。環境省による今回の方針は極めて合理的であり、福島の日常を早く取り戻すためにも必要だ。むしろ遅きに失したくらいだと思う。

しかし、除染を徹底すべきと考える側からすれば、もはや後退そのものにしか映らない。この動画配信の趣旨もその立場であり、動画中副大臣に質問した記者もほとんどがそうした認識である。とりわけ朝日新聞の福島総局の本田雅和記者はその強面の風貌(眼鏡をかけて口髭が豊かな人物)そのままに、鋭く副大臣に質問を浴びせていた。(動画3分40杪辺り)だが結果は本田記者が完敗したといってよい。

本田記者「個人線量が空間線量と一致しないというのは当たり前で個人的ばらつきが大きいというのは当然ですよね。生活パターンとかで。ほとんの人が1ミリシーベルト以下の実測を達成したとしても、ごく少数の人がオーバーする人がおきているんです。そういう1ミリシーベルトをオーバーしている人を見つけ出して救済するのが行政の役割ではないですか、その対策はどうされますか」

井上副大臣「あのおっしゃる通りだと思ってまして、だからこそ今回空間線量から個人線量への重視という方針を出させていただいた。やはり個人の線量計というものをなるべく配布させていただいて、そのデータを基に必要な除染と含めて防護措置を進めていただく、ということになります」

本田記者「福島県民全員が個人線量計を持たなくなりますがそういうことをめざしているのですか」

井上副大臣「なるべき多くの方に個人線量計を持っていただきたい、」

本田記者「福島県民全員にね」

井上副大臣「なるべく多くの人にもっていただきたい」

二人のやりとりを聞いていて、途中から本田記者が感情を高ぶらせてひどく冷静さを失っている様子だった。一部質問の意味が不明瞭な部分が見受けられる。これに対して、副大臣は終始落ち着いていて、両者の貫禄の差を感じる。特に本田記者の批判めいた質問に対してもまず「おっしゃる通りです」と相手を持ち上げながら、「その批判に応えるのが政府の今回の趣旨」だと切り返すところは見事だ。相手の武器を盾で跳ね返して逆に送り返すような巧みな手法だ。

この井上副大臣(44)、衆議院当選4回11年だから中堅議員といってよい。東大を卒業して建設省に入省した官僚で途中ケンブリッジ大学に留学して修士号も取得しているエリートだ。ただ麻生派に所属しているが、首相の靖国参拝には賛成する保守派のようだ。

1回だけの記者会見で判断するのは早計かもしれないが、結構切れ者のような印象だ。あの本田記者さえ軽くいなす手腕はなかなかだと思う。いや本田記者に限らず他の記者の質問に対しても切り返しがうまく説明もわかりやすい。まるで仲間に語りかけるようなソツのなさだ。

失言が目立ち信用度がイマイチの石原伸晃環境大臣と比べても、政治家の力量としては上手のような感じがする。問題は政策を立案し実行する能力だ。今回の除染基準見直しが井上副大臣主導で行なわれたとしたら、今後大いに期待できる。

この秋、内閣改造人事が実施されるようだ。井上議員はどういう処遇を受けるのか注目したい。自分としては安部政権では経済政策とともに原発事故収拾と福島の環境政策に特別不満がある。井上副大臣が大臣に昇格するのも悪くないと考えている。

追記:本文とは関係ないが、動画の最後に登場する福島原発告訴団の武藤類子団長のコメントがあまりにも酷い。「適当な数値で線引きし住民に我慢してもらう」「国によって我々は被曝させられている感じ」こうした被害者意識丸出しの主張がどれだけ福島県民を苦しめていることか。

 

「早く結婚した方がいいんじゃないか」

2014-06-25 11:04:37 | 国内政治

都議会でのセクハラヤジは自民党議員一人が名乗りを上げたが、いまだ騒動は収拾しそうもない。鈴木章浩議員が塩村文夏議員に「早く結婚した方がいいんじゃないか」とヤジを飛ばした。しかし「産めないのか」の方はいまだ発した人物が特定できない。考えようによってはこちらのヤジの方が深刻なのではないか。

いずれのヤジも問題であるが「結婚した方がいい」云々はある面理解できなくもない。最近の報道では、東京都が全国で最も特殊出生率(一人の女性が一生で産む子ども数)が低い。昨年度の統計では全国平均1.43人に対して東京とは1.13人と最低である。つまり東京は結婚しないで働く女性が最も多いということだ。

最近若者の晩婚化が問題になっているが、「なかなか結婚しない」理由は男女によって全然違う。男性は収入が不安定といった経済的理由が多いが、女性の場合は家事よりも仕事に人生の価値を見いだしているというのが一般的だ。特に経済の中心地である東京の場合顕著だ。その結果出生率が全国最低ということになる。

だから塩村都議が「子育て支援」を議会で質問した際に鈴木都議が「結婚すればいいのに」とヤジを飛ばしたのはある種正論ともいえる。女性の場合は「結婚できない」のではなく、「結婚しない」ことが現状で多いのだから。

ただ、ヤジの中で「家に引っ込んでいろ」といった趣旨のものがなかったのは救いである。男性議員が女性に子育てをしっかりすることを求めても仕事を続けることは否定はしていない。だから鈴木議員のヤジが女性差別や女性蔑視と糾弾されているが少し話が違う気がする。鈴木議員もヤジでなくもっとまともな場面で発言していればこんなに騒がれることはなかったのではないか。

むしろ「産めないのか]の方が悪質であると思う。出産は夫婦共同の問題であり、産むかどうかは経済的なことを含めて女性だけが責任を被う話ではないからだ。「産めないのか」というヤジの主が名乗り出ない限りこの騒ぎは治まりそうもない。

追記1:「好事魔多し」とはよくいったものだ。この塩村文夏都議について過去の醜聞がまたぞろ取沙汰され始めた。週刊誌もこれを嗅ぎ付けているようだ。

追記2:都議会でのヤジのうち、「産めないのか」というのは正確ではなかったようだ。本当は「自分が産んでから」と見られる。だとしたら、全然意味合いが違う。「結婚したほうがよい」という発言と同じ次元の話だ。ここらで幕引きも致し方ない。そうでないと、今後は塩村都議の方に糾弾の刃が向かいそうだ、


塩村文夏都議とヤジ議員

2014-06-22 15:14:52 | 国内政治

おそらく、現在日本国内の女性政治家で最も有名な議員だろう。塩村文夏東京都議会議員、今彼女を「あやか」ではなく「ふみか」などと口にしたら、「遅れている」と嘲笑されるかもしれない。1週間前は失礼ながら世間一般で彼女の存在を認知していた人は、ほとんどいなかっただろう。元グラビアアイドルといわれてもちょっと…。

今回のヤジ騒動は、結果的に彼女を超有名人に押し上げたが、ことの原因は同じ都議の他党議員(自民党の可能性が高い)に燻っていた「男の嫉妬」だと思う。男の嫉妬は男女の色恋もあるが、それ以上に仕事の上でのものが多いし、激しい気がする。たとえば同期の同僚間の出世争いなどその典型といえる。それも最近は仕事で男女の区別なく競い合う時代なので、嫉妬といっても女性が対象になるのは珍しいことではない。

今回のセクハラヤジもその類いのものではないか。おそらくヤジを飛ばした男性都議は塩村都議と同期かせいぜい一期上ぐらいであろう。男性都議が仮に自民党員だとすると、50人以上いる議員団では存在が埋没していて「ワンオブゼム」その他大勢にしか見られていなかったのだろう。しかし、塩村都議は華のあるグラドル出身の美人議員であり、都議でもちやほやされる存在に違いない。

「新人で女のくせに…」といったどろどろした嫉妬の感情が、塩村都議が初めて華々しく質問する段に及んでヤジとなって爆発したに違いない。しかし、ヤジによって塩村都議に一泡吹かせるどころか、男性都議自身の「オウンゴール」になってしまった。敵に塩を送る話でない。すでに名前に塩がついている?彼女に金銀、パール、ダイヤモンドさえもプレゼントしてしまった。

すでに、日本全国彼女の名前は知れ渡っている。皮肉なことに1円の広告費なしに何億いや何十億の宣伝効果を上げている。頭の良さそうな彼女のことだから、これを奇貨として自分の露出度を高める活動に励むに違いない。

そんな彼女を所属政党のみんなの党が放っていないだろう。もしかして、2年後に予想される衆参の国政選挙に党が担ぎ上げることも考えられる。あの渡辺喜美元代表にことだから。そして党の副代表に起用する?

それに反して、ヤジを飛ばした男性都議の今後は茨の道が続くだろう。彼がしっかりした政治家であったならば、この事件が発覚して直ぐに頭を丸めて、彼女の前で土下座でもしただろう。それで最小限、災いを留めることもできただろうが、今となっては時間の経過とともに本人を不利に追い込んでいく。マスコミに犯人探しをされて暴露されるのが落ちだ。東電叩きなどで「取材能力」が高い朝日新聞辺りが執拗に探索して「犯人」をあぶり出すに違いない。その人物が自民党員であれば、朝日はこれを安部叩きの格好の武器とするはずだ。

ところで、ヤジ議員で思い出すのは民主党議員だった永田寿康衆議院議員だ。最後は例の偽メール事件で議員辞職を余儀なくされ政治生命が絶たれた。遂には自身死を選んでしまった悲劇の人物である。永田議員は今から14年前に、当時「ちょんまげ議員」とよばれた松浪健四郎議員が国会で演説していた時に「お前、党首と何発やったんだ」という下品極まるヤジをとばした。松波議員が所属する当時の保守党の党首は元女優の扇千景であった。このヤジに怒った松波議員が演台のコップの水を永田議員の方に向かって投げ込んで大騒ぎになった。当時、松波議員の行動ばかりが問題にされて、永田議員には何らお咎めはなかった。結局彼はおそらく反省する機会もなく増長したのが災いした。偽メールで決定的な非難の矢面に立たされ苦悶したのが、本人の不幸だったといえる。

そして今回の男性都議だが、運命はどうみても前途は厳しい。これほどヤジの品性がマスコミや世論に批判されている状況では、張本人が白日の下にさらされれば、議員停職どころか辞職に追い込まれる可能性が高い。男の嫉妬による浅はかな言動によって、皮肉にも出世競争から転落する結果に…。今、ヤジ都議の心境はいかばかりだろう。