今日は朝の目覚めが悪い。いうまでもない?山本太郎の当選がその理由だ。敢えていわせてもらえば最も当選させたくなかった人物だ。彼の放射能への過剰な忌避は目に余る。たとえば、昨日NHKのインタビューで次のように発言している。
「いま1キロあたり100ベクレルは、放射性廃棄物と同等なんです。低レベル放射性廃棄物、それを国民に食べさせて、安全とする政府、国なんで、もう、話にならないんですよね。国民全員が低線量被曝しろっていう話なんですね。」
放射性廃棄物100ベクレル/キロという基準は、取扱業者がそれ以下であれば放射性物資として扱わないレベルであり再利用が可能だ。しかも主に外部被曝を指している。食品基準の100ベクレル/キロは内部被曝を対象にしているもので全く次元が違う。内部被曝は、実効線量という別の計量で考えるべきものだ。
被曝に関する初歩的な知識もおぼつかない。その彼が「国なんて話にならない」などと勇ましいことをいっても信用できない。「国民全員が低線量被曝しろという話」というのも彼特有の被害意識に過ぎないと思う。
さらに彼は福島原発事故の汚染がチェルノブイリ事故の4倍であると認識しているようだ。もちろん、実際は8分の1程度で、誤認も甚だしい。
こうした彼の偏った認識による言動が被災地とりわけ福島の人々をいかに苦しめているかは枚挙にいとまがない。子どもたちの集団疎開を鼓舞したり、酷いのは福島の女性は子どもが産めないなどといった差別発言をしている。
しかし、彼の無軌道な言動を許してきたのは、多くのメディアやジャーナリストであると思う。彼らが「脱原発」を唱えることは結構だが、放射能の健康被害を誇張することで正当化することが問題なのだ。脱原発と実際の放射能汚染とは分けて考えてなければならない。しかし現実は、今福島ではこうした健康被害が起こっているあるいは今後起こる可能性があるということを理由にして脱原発が論じられていることが多い。
そのためには山本太郎のような「鬼っ子」を利用するのも厭わないというのが、メディア特に反原発メディアのスタンスであったのだ。つまり山本太郎らを増長させたのはこうしたマスコミなのだ。
彼も一応役者の端くれだ。自分をメディアに売り込む術を心得ている。芸人特有のパフォーマンスもなかなかだ。残念ながら?こうしたメディアを通じて今回一部東京都民もその催眠術にかかってしまった。
ただその催眠もそう長くは続かないとは思う。その時期がいつになるかそれはメディアの対応にかかっている。脱原発特に原発再稼働を阻止するために、この「鬼っ子」を利用し続けることがあれば、国民の「覚醒」はそれだけ遅れることになる。