日本のソフトボールチームが、世界選手権で宿敵アメリカを破り42年ぶりの世界一になった。これをウェブサイトで初めて知った。テレビなどのメディアがほとんど取り上げていない。自分も恥ずかしながら同様に関心が薄かった。
考えてみれば、この前の北京オリンピックでは日本が上野の力投で悲願の金メダルを獲得して国内が感動に沸き立っていたのだ。ところがソフトボールが今度のロンドンで競技から外されてしまった。おそらくそのままオリンピックで継続されていれば、なでしこジャパンと同じくらいに注目されていたの違いない。
世界選手権でこの実力ならば、おそらくロンドン五輪に競技があれば連覇の金も大いに期待できた。そうなると団体球技の初の五輪連覇ということなる。まさに国民栄誉賞ものだ。
今回の世界選手権でも上野の好投がなりよりも勝利の原動力になった。とはいえ団体競技だから、選手たちの並々ならぬチームワークが際立っていたのだろう。そんな貴重な人間ドラマを五輪の大舞台で見たかった。日本のソフトボール選手に今、金色の大紙吹雪を浴びせてあげたい。
昨日のニュースの見出しをみて一瞬首を傾げた。「田中3きょうだい同時五輪」とある。なぜ「兄弟」でなく「きょうだい」なのか?写真を見ればわかる。長兄、和仁(26)次兄、祐典(22)長女、理恵(24)。体操でロンドン五輪出場を決めた田中家3人だ。
写真の中央は理恵だが、現在一番有名かも知れない。しかも年齢的にも真ん中だ。少女が多い女子体操界では大人の雰囲気があり、演技もとても優美にみえる。自分も好きな選手の一人だ。その理恵を差し置いて「兄弟」扱いはないどろう、とメディアは思ったのだろうか。もし理恵が一番下だったら、「兄妹」とでもしたかも知れない。結局苦肉の「きょうだい」表記になったと思われる。
「兄弟」を国語辞典で調べてみると、1として「兄と弟」とあるが、2では「同じ親の子供」の意味もある。したがって、田中3兄弟としても間違いではないが、きっと女性活動家、あの某党首の福島さんや田島某女史から「女性差別」とかでクレームがくるだろう。でも最近は「ニューハーフ」なんていうのが市民権を得ている時代だ。「きょうだい」は便利な言葉かも知れない。
呼称で以前物議を醸したのが「ハングル語講座」だ。NHKの語学番組での隣国の言語をどう呼ぶかで問題になった。「韓国語」では、北朝鮮系の在日朝鮮人からクレームが付くし、逆に「朝鮮語」では韓国系の在日から抗議があるだろう。結局折衷案で「ハングル語」となったと聞いている。
メディアは最近、差別として問題になりかねない呼び名に敏感になっている気がする。特に以前女性専用だった職業でも、男女同権の建前から呼称が変わってしまった。「看護師」などは最たるものだが、自分自身いまだこの呼び名には馴染めない。患者の看護をする相手に母親のような優しさが欲しいと思うのは、男たちのノスタルジアに過ぎないのだろうか。
27日のタイトル戦で、WBC世界スーパーフライ級チャンピオンになった佐藤洋太選手(27歳)が、翌日その風貌から新宿で「職務質問」されたという。新王者のいでたちは、ボサボサの金髪に黒のジャージー姿。顔面は腫れ、両足裏の痛みを和らげるために「ピョコピョコ歩いていた」ことが裏目に出たようだ。「僕きのう、ボクシングの世界チャンピオンになったんですよ」と佐藤選手が「身の内」を敢えて告白したが、警官は「へぇ~、そうなんだ」と冷め切った対応。新王者で喜びに浸っていたのに、この大冷や水の仕打ちはかわいそうすぎる。
しかし、自分も彼には失礼だが、警官と同じ反応でした。正直いって今は亀田兄弟の話題以外はほとんど興味がない。具志堅用高が活躍していた70年代後半当たりをピークに途中、辰吉丈一郎に多少興味がむいたくらいだ。現在日本の世界チャンピオンはなんと9人もいるようだ。しかしWBAバンタム級の亀田興起以外は、ほとんど知らない選手ばかりだ。ちなみに、佐藤選手の27日のタイトル戦はテレビ放映がなかった。残念ながら、これは自分だけでなく世間一般の関心の低さではないか。
むしろ、アマで五輪の出場をめざす南海キャンディーズのしずちゃんの動向の方が注目されている。残念ながらアジア選手権で初戦敗退してしまった。5月の世界選手権ベスト8が最後のチャンスだが、かなり厳しそうだ。(なんでこんなに詳しいんだろう?)
それはともかく、ハングリー精神を日本人はなくしてしまったといわれる昨今、ボクシン王者9人は驚異的だ。プロサッカーなどの人気沸騰の陰で、ボクシングが相対的に注目度が下降していることはたしかだ。しかし亀田興起のようなスター選手?の登場もある通り、今後ボクシングの人気が盛り返すことを期待したい。佐藤選手、ボサボサの金髪はどうなんだろう。今回のショックからすっきりさせるために、亀田君のように「丸刈り」にしたらどうか。あるいは日本男児の本領発揮で、マゲを結うのも一計だろう。余計なお世話だが。