予備試験に向けた夏,行政法

2010-06-29 16:20:51 | 予備試験関連
来年からいよいよ予備試験が始まる。旧司法試験から予備試験に切り替えた方も既に多数おられると思う。来年必勝態勢で臨む為には,既にスタートを切らなければならない。さて,どこから手をつけるか。

6科目以外ということになるから,刑事実務基礎,民事実務基礎,法曹倫理,要件事実,行政法,一般教養科目辺りが脳裏をよぎる。どこから手をつけるかは完全に好みの問題であるが,行政法から手をつけるのが良いのではないだろうか。理由は簡単で,多くの受験生にとって文字通り0から始める事になるのは恐らく行政法だからである。実務基礎系や要件事実は特殊は特殊だが,実体法の刑事系科目,民事系科目と親戚関係にあると言える。しかし行政法は第7番目の科目としての独立性がやはり高い。というわけで,時間的余裕のあるうちに取り組んでしまおう,というわけである。早めに得意科目にしてしまえば,精神的にも楽になれる。

また,予備試験合格後に控える「本丸」たる新司法試験において行政法は短答・論文共に独立の科目として試験科目となっているのも見逃せない。そういう意味では重要度においてもキー科目と言って良さそうである。

行政法は,行政法総論と行政救済法の二本立てになっている。覚える事が多く中々に厄介である。記憶が定着するには時間がかかるからやはり早めスタートの方が良い。いわゆるテクニカルワードが多いので慣れるまでが大変だ。

基本書として使用するのなら,弘文堂から出ている「行政法」桜井敬子・橋本博之がお勧めだ。新司法試験まで普通に使える。若しくは宇賀先生の「行政法概説Ⅰ・Ⅱ」であるが,これは参考書として利用する方がいいと思う。分量が多い上に踏み込んだ議論が多いからである。

基本的には,シケタイ行政法か,桜井・橋本行政法をベースに,行政法百選Ⅰ・Ⅱを読み込む,という作業が基本となろう。なお,百選は2006年春が最後の改訂なのでやや古くなってきているのは否めない。行政法は判例が極めて重要なので,有斐閣から出ている年度別の重要判例解説か,伊藤塾の最新判例講義年度別版などを利用し,改訂以後に出た重要判例は必ずおさえておく事。

予備試験行政法論文対策としては,塾の問題研究で十分である。百選の事例と問題研究を回せば必要にして十分であろう。勉強方法は,旧司法試験論文対策と同様でOKである(答案ストック型)。

択一対策は,新司法試験との問題の共通化も言われているので,新司法試験短答対策も兼ねるつもりで取り組もう(これは主要7科目共通である)。そういう意味で,新司法試験の短答マスター+web de ドリルが最適であると思う。2012年の新司法試験合格までのタイムスケジュールは非常にタイトであるから,択一対策に関しては,新司法試験短答対策も兼ねるようにしよう。来年夏には,ケースメソッドと選択科目の勉強が待っている。やる事は多いが時間は少ない。効率よく攻めていこう。
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