答案練習会に求めるべきもの

2010-06-10 12:42:32 | 司法試験関連
今年の論文問題見て分かったと思うのですが,論文の答案練習会で一番必要なものはなんなのか。

問題文を見て,「ああ,あれか」,「あの判例か」という問題では本試験の練習に全くなりません。下手すれば思い出しながら知識で書くことに慣れてしまいかねません。

本試験では,「ああ,あれか」,と気がついたとしてもそれに飛びついたら間違いなくやられます。私のオープンスクールを聞いた事がある方なら承知だと思いますが,見事にベースとなった判例と事案をずらしてきており,変な話,「Aというベース判例があることに気がついたか→本件はそのAという判例の規範では対応しきれない事に気がついたか→で,貴方どうします?」というのが,本試験における「ベースとなった判例」の持つ意味と言ってよいくらいです。

もっと言えば,ベースとなった判例は,受験生なら知っていて当然のような判例ばかりです。百選・重判クラス,しかも最高裁判例や大法廷判決クラスです。言わばスーパースタークラスです。本試験では,「皆が知っているか,若しくは皆が知らないか」,という両極端の判例セレクトがなされています。悪戯に「最新下級審裁判例」を追いかけるのは止めましょう。そんなことやる暇あるなら,「重要基本判例の深い理解」に努めて下さい。お願いします。

答案練習会ですべき事はただ一つ,本番で要求される「スキル」の実践あるのみです。「百選まんま答練」ではこのトレーニングは申し訳ないですがまるでできません。せいぜい,相対的な位置づけが分かる程度です。冷静に考えれば本試験とは傾向の違う答練で相対的な位置づけが分かったところで意味は無いような気がしますが。例えて言えば,800メートル走での相対的な位置づけが分かったところで,100メートル走に出る選手にとって何の意味があるのか,ということです。何の意味もありません。

この辺について,7月8月に行う予定のオープンスクールでお話したいと思います(これは6月26日実施の横浜ネットステーションのものとはまた違います)。9月になれば,「どの答案練習会受けようか」という悩みが出てきますが,まずは夏場に本試験対策に必要な「入り口と出口」について確認して下さいね。

新司法試験は,行くべき道を間違えなければ受かります。間違えたら受かりません。この点非常に分かり易い試験です。
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