嘆きの壁

2010-06-23 17:45:07 | 司法試験関連
勉強の初期段階から次の段階へステップアップするというのは実はかなり大変である。

未修者の方が,短答式試験で人並み以上に点が取れるレベルにステップアップするのは相当大変であろうと思う。

自分の経験でも(旧司法試験だが),択一で1科目辺り15点以上取れるようになるのは結構大変だった(旧試験択一は1科目20問20点満点)。10点くらいまでは勢いよく行くのだが,10点から15点レベルに上がるのが大変だったと記憶している。

特に個数問題で苦労した。個数問題と言うのは,間違っているものの個数を答させる問題で,肢5個全ての正誤を判断できなければ正解できない。肢のうち1個だけ悩んで結局間違える,という時期が長かったように思う。

60問60点満点の問題で合格推定点が42点の時に,自分は34点,でも個数問題で1個差間違いの問題が9問あった,なんてざらであった。非常に悔しい思いをしたものである。因みに15点レベルから,17,18点レベルに移行する際にはあまり苦労したな,という記憶は無い。

短答式試験では,「広く浅く正確に」という条件が要求される。しかも今は昔と違い,7科目である。旧司法試験の択一は,いわゆる択一プロパーの問題もあったが,意外に論文の勉強が役に立つ問題が多く,思考力系の問題が多かった(もっとも,妙なパズル系の問題であることも多かったが)。ところが,新司法試験の短答は,重箱の隅を突いたような問題を平気で出してくるし,文字通り広い範囲から出題がなされている。中々穴が埋まらないのである。昔以上に,一定レベルまで行くのに苦労する試験になっていると言える。これが精神的な負担となり,試験対策そのものものが歪んだ物になりやすい。

したがって,短答合格レベルに持っていくのは本当に大変である。そのことを認識した方が良いと思う。別に楽でもなんでもないし,レベルが低いところで苦戦しているな,と卑下する必要も無い。この段階のレベルアップは普通に大変だし時間がかかるものなのである。早めスタートがポイントである。
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