月と月

昨日は中秋の名月だったようだ。
今朝の新聞に、岐阜城と満月の写真が一面に載っていた。私も今夜、空を見上げると、雲の向こうにまん丸の月の輪郭がくっきりと見える。おぼろ月かな、何となく物悲しくなる。何故だろう。

私は、サキさんは太陽だと思っていた。
いつも自分から周りを明るくしてくれる、太陽だと思っていた。

そして、私自身は、サキさんの光に照らされて（ぼんやり）光る月だと思っていた。今も私については、その通りだと思っている。自分の力だけでは輝けない。いや輝こうとすらしない。周りの人の力を借りながら、何となくボヤ～っとした光をやっとこさ放つことが出来るだけだ。

家の中でも、サキさんが太陽で、いつも中心にいて、周りを明るく照らしてくれていた。そう思っていた。そう思い込んでいた。

でも最近、ちょっと違ってたかなと思う。

サキさんは太陽じゃない。サキさんも月だったのかな。そう思うのです。

必死に明るく振る舞い、家庭を明るくしてくれていたサキさん、ありがとうね。
でも、少し無理もしていたのかな。
お月さんみたいに、満ち欠けを繰り返していたんだろう。
時折見せる、悲し気な表情も。

月と月

似た者同士の夫婦だったのかな。
でも、姉さん女房のサキさんは、必死で明るく振る舞い、私や子供たちを照らしてくれていたんだろう。

今度は私が明るく照らさなくっちゃね。
頑張るでね。

サキさんの視力検査

日の暮れるのが、日に日に早くなっています。

サキさんの食事介助を終えて、特養さんを出るのは午後７時ごろ。あたりはもう真っ暗です。ついこの前までは、あんなに明るかったのに。

夜間の車の運転は大変です。
だんだん見えにくくなっています。メガネが合っていないのか、それとも緑内障のせいなのか。近いうちにもう一度眼科へ行ってきます。目の奥が痛く感じることも。しっかり診てもらうつもりです。

一時期、サキさんも目の不調を訴えました。
良くみえない、メガネが合っていないようでした。
一緒に近くのメガネ屋さんへ。
早速、店員さんがサキさんの視力を測ろうと、検査機の前にサキさんを座らせます。
しかし、サキさん、検査の方法がわからないのか、あるいは質問の意味が分からないのか、うまく答えられません。何度か試しましたが、やっぱりダメでした。結局、今かけているレンズと同じ度で、新しくメガネを作りました。

結局、予備のメガネを作っただけでした。

右、左とは答えられませんでした。
指で、開いている方向を示すことも出来ませんでした。
コミュニケーションがとりづらくなっている人の診断は本当に難しいです。

視力だけでなく、病気になった時も、うまく症状を伝えられません。介護者が代わりに様子を伝えなくてはなりませんが、これもなかなか難しいことです。思い込みもありますし、痛みの程度もよく分かりません。

サキさんも、頻繁にお腹の痛みを訴えることがありました。何度も何度も。胃腸薬を飲んでもらうと治まるみたいでした。でも、またすぐに訴えます。おなかをさすったり、トイレに連れて行ったり。結局、どの程度の痛みだったのかはよく分からないままです。

また、いつものやつが始まった。

そんな感じで、サキさんの気持ち、痛みを分かろうとしてはいませんでした。反省です。

想像力、理解力、洞察力、判断力
いろんな力が、介護者には求められます。

私に足りないものばかりです。

いつまでも姉さん女房

今日もサキさんの食事介助に行ってきました。

今日のサキさんは、機嫌の悪いパターンみたいです。
サイクルがあるのか、何に対して機嫌を損ねているのかは、やっぱりわかりません。

そんなサキさんに
「ちゃんとご飯食べ取るで、大丈夫やでね」
「頑張って働い取るでね、心配しんでもいいでね」
何度も繰り返しサキさんに説明すると、次第に歯ぎしりやシワも納まってきました。
やっぱり、これが原因だったのかな。私のことが心配だったのかな。

いつまでも、姉さん女房なんだな。


今日の夕食。メインは酢豚ならぬ酢鶏。私は酢豚のほうがいいけど、豚肉嫌いのサキさんにはちょうどいいかな。噛みごたえのある鶏肉をしっかりと時間をかけて噛んでくれました。

先日、施設の方にお願いした「汁物の際の具材の大きさ」については、すべての方に、小さく具材をカットした同じものを提供しているとのことでした。刻み食のような具材が、汁に混ざっていると、食べにくいと感じるのは私たち（私とお姉さん）だけなのでしょうか？他の施設では、汁物の具材の大きさはどのくらいなのでしょう。大きいほうが、汁は汁、具材は具材で、分けて食べてもらえると思うのですが。今度、家族会が開かれるので、そこで他の方にも聞いてみようと思います。

夕食中、ず～～～っと、トイレを訴える方がみえました。
一向に食事は採らず、訴え続けています。
スタッフの方の話しでは、すぐ前にもいかれたばかりだそうです。
私がサキさんの食事介助をしている間に、さらに2度ほどトイレに連れて行ってもらっていました。トイレに連れて行っても出ないことはわかっています。それでも、あまりに訴えるので、連れて行かざるを得ないのでしょう。他の利用者さんの目もあります。ほったらかしには出来ません。

食事介助に、トイレ介助。ただでさえ人手が足りないのに、スタッフの皆さん、本当に大変だと思います。ありがとうございます。
サキさんも、2年前、頻繁にトイレを訴えることがありました。訴えを聞いているだけでうんざりするほどです。トイレに連れて行っても、そんなに出る訳もありません。こちらの気を引きたいだけではないのか？というような、うがった見方もしてしまいました。今、思い出しても、きつかったです。
私は一対一の介護でしたが、それでもこんな思いをしました。ましてや、施設での一対多数の介護では、考えただけでスタッフの皆さんのご苦労が察せられます。
これからも根気よく、よろしくお願いいたします。

自制・自愛・感謝

私の勤めている会社では、毎年、春に健康診断が行われる。

昨日から復帰された彼も、もちろん受検しています。しかし、異常はなかったようです。糖尿の持病はあったようですが、そのほかに異常はなかったみたいです。

でも、私は、血圧、腹囲、コレステロールなどでひっかかり、再検査となりました。

生活習慣病の危険は、私のほうがはるかに高かったはずなんです。
検査に引っかからなかった彼が、脳梗塞になりました。
可能性としては、私もそこそこ高そうです。本当に気を付けなくては。

彼の話を効いているだけで、自分の胸も痛く感じます。（カテーテルを想像しただけで痛くなってくる）

自制しないと
制してくれるサキさんは、傍に居ないのだから。
自愛しないと
サキさんの事を思いやるように、自分自身も愛おしみましょう。
感謝しないと
あらゆるものに、自分に、サキさんに関わって下さるすべての方に、すべてのものに。

サキさんにも、不整脈の持病があったな。
完治したわけではないし、今でも時々あるのかな。気持ち悪いだろうな。
サキさんも、頑張って耐えているのかな。
サキさん、しんどい時もあると思うけど、
一緒に頑張ろうね。

心筋梗塞から復帰

今日から、私の職場に一人の男性が復帰した。

ひと月ほど前の仕事中に、手のしびれを訴えて、30分ほど休んでから帰宅された。
40分くらい自分で運転して、自宅に戻ったそうだ。
しかし、左手がしびれ、動かない。自分では気づかないが、顔もマヒしていると言われたらしい。
口からはよだれがダラダラと出たらしい。

金曜日の昼間の事でした。

そして、月曜日の朝礼で、入院されたとの報告がありました。

心筋梗塞　とのことでした。

集中治療室に一週間ほど入ったそうです。早期の入院と、治療のおかげで、一般病棟に移り、それから一週間ほどで無事、退院されたそうです。本人は一日も早く、仕事に復帰したかったみたいですが、家族が止めていたそうです。そりゃそうですよね。心臓ですもんね。

今日の休憩時間にいろいろ聞きました。
「あぶねー、死にかけたげ」
無事に復帰できたので、笑い話ですが、少しでも手遅れになっていたら・・・。考えるだけでゾッとします。彼は、私より一つ若いだけです。同世代です。彼が心筋梗塞で倒れたと聞いて、とても他人ごとでは済まされませんでした。
「お前は糖尿じゃないやろ、なら大丈夫やわ。おらー、わけー頃から糖尿の薬、飲んどるで」
やっぱり、糖尿は怖いんだな。合併症になるのかな。

いつ倒れてもおかしくない、そういう年代なんだろうな。

私も少しは気を付けよう。
今日は、コーラは我慢して、早めに寝ることにします。

スタッフの方と

今日のサキさんは、とても穏やかでした。

眉間にシワを寄せることもなく、歯ぎしりや、ブツブツも無し。

「昨日、すごい勢いでむせとったよ。おっさんみたいに、ホエ～～って」
と、お姉さんに、サキさんの顔真似をしながら話していたら、サキさんも思わず笑ってくれました。声にも出して。

スタッフさんもやってきて
「今日、おはよーって声かけたら、おはようって答えてくれましたよ」
と、うれしい報告をしてもらえました。

お姉さんの差し入れのお菓子を、いい音を立てて食べてくれました。食べることに関しては、今のところ問題なさそうです。汁物の具材も大きめにしてもらえるようにスタッフさんに伝えられました。

また、今日は、あるスタッフさんから、介護職につくきっかけのお話を聞けました。ご主人の介護（パーキンソン病で晩年は認知も）を８年間に渡って在宅でされたそうです。ご主人の介護に役立てばと資格も取っていたので、ご主人の介護終了後、そのまま介護の道にすすまれたそうです。
「施設に預けることは考えなかったのですか」私の問いかけに
「（施設にあずけるのに）罪悪感があって、自分が許せなくって」との答え。
主婦の方が、専業主婦の方が、施設を利用することの後ろめたさがあるのかな。近所の方の目も気になってみえたのかな。大変だったですね。食事介助のお忙しい時間に、貴重なお話を聞かせて下さってありがとうございました。

今日は、お姉さんがいろいろ聞いてくださいました。私一人ではスタッフさんとのコミュニケーションも十分には取れなかったかもしれません。お姉さん、いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

私一人の時にも、もっともっとスタッフさんに話しかけて、お互いの信頼関係を深めていくつもりです。

メガネをかけてもブツブツサキさん

今日は第2土曜日。
朝から、洗濯、歯の治療、本屋さん、生協へ買い物。昼からは北東部オレンジサロンといろいろありました。そしていったん帰宅し、洗濯物を取り込み、カレーを作ってから、サキさんの特養さんに面会に行ってきました。

今日は5時過ぎに到着。すでにサキさんは食事のために広間にいました。車いすの上で、今日も何やらブツブツ言っています。歯ぎしりしたり、コンコン歯を鳴らしたり。そして眉間には深いしわが刻まれていました。

写真のように、今日はサキさんのメガネを持っていきました。刺激を与えようと、久々にかけてもらいましたが、サキさんの目には何がどのように映ったのでしょうか。メガネ無しの時よりは、私の顔や、周りの様子をしっかり見えている感じでしたが。

2016年9月10日メガネをかけてブツブツ


そして、今日の夜ごはんです。

卵丼がメインです。中央上に見えるのが、チンゲン菜のおひたしです。これがサキさんには食べづらかったみたいです。一回目に少しむせてたので、調理バサミで小さくカットして再挑戦しましたが、今度は大声と顔をくしゃくしゃにして、思いっきりむせてしまいました。まるでおっさんがタンを切る時みたいな、派手なやつです。
卵どんぶりは順調に食べてもらえていたのですが。再再度、チンゲン菜に挑戦しました。が、やっぱりダメでした。味もサキさんには合わなかったのかな。

でも、サキさんが思いっきりむせてくれたのが、なぜか少しうれしかったです。十分にむせる力、異物を排除しようとする力が残っている証拠です。あんなに力強く。あまり喜ぶのも変だとは思いますが、でもほっとした気持ちになりました。

今日は、完食という訳には行きませんでした。なめこ汁も、具材が細かくカットされていて、逆に飲みづらそうでした。汁物の具材は大きめにしてもらったほうが、食べやすそうです。これは明日の面会の際にスタッフさんにきちんと伝えようと思っています。



食後に撮ったツーショットの写真です。それと、認知症の人と家族の会のポスターです。特養さんに着いた時に、もし良ければ貼っていただけるように依頼し、帰りにはすでに、入口の一番目立つところに貼っていただきました。本当にありがとうございました。家族の会のリーフレットもお預けしてきました。

9月は、世界アルツハイマー月間です。
来週は岐阜県でも街頭行動や講演会などの活動が行われます。私も初めて参加させていただきます。初めてなので何の力にもなれないかもしれませんが、頑張ってみるつもりです。

念入りにカギを確認

うん、大丈夫。今日は、間違いなく洗濯機は回っている。
指さし確認ではないが、一つずつ確認するようにしよう。

確認と言えば、サキさんは外出の際に、何度も何度も玄関のカギを念入りに確認する。
認知症になるはるか以前からだ。
何度も何度もガチャガチャと確認し、さあ出発という段でまた、ドアに戻ってガチャガチャ。

もちろん病気になってからは、なおさら。
あまりに力を入れて確認するので、サキさんのカギが曲がってしまったことがある。
サキさん、いったいどんだけ力を入れたんだろう。カギ何てそんなに簡単に曲がらないと思うけど。

小規模多機能を利用しているとき、週に2回、訪問介護を利用していました。
買い物の介助です。

私は仕事でいないので、サキさんがヘルパーさんを出迎え、一緒に近くのスーパーに、散歩も兼ねて買い物に行っていました。
出迎える時はまだよかったみたいですが、一緒に買い物に出掛ける際の施錠が、サキさんなかなかうまくいかなかったみたいです。「サキさん、鍵して、ちゃんとカギかってよ」ヘルパーさんがあおります。サキさん、少しパニクって余計うまくいかなかったみたいです。次第に声が大きくなるヘルパーさん。最後はカギをサキさんから借りて、自分でカギを掛けられたみたいです。（２階で様子を聞いていた娘（暇な大学時代）の話しです）

本当は、暇な娘が（もちろん授業もあるので、毎日暇なわけではないのですが）お母さんと一緒に買い物に行ったり、ヘルパーさんの相手をしてくれればよかったのですが・・。
まあ、あまり子供達には頼らないと決めているので。
子供たちは、子供たちのかけがえのない今を、しっかり楽しんでくれればいいと思っています。

全く濡れていない洗濯物

今、今さっきの話しです。

食器乾燥機が終わったみたいなので、片づけようと行く途中で、洗濯機に目が留まった。
「洗濯機が回っていない。洗濯終ったんだな」
洗濯機のふたを開け、中の洗濯物を取り出し、かごに入れだした。

今日は、やけに脱水が利いているな、ほとんど乾いている。というか、全く濡れていない・・？　
ん、ん、あれあれ、ひょっとして

洗濯機回してなかった。
そうだ、よく考えたら、洗濯機に洗濯物を入れただけで、何もしないでパソコンに向かいだしてしまっていたんだ。

あぶない、あぶない、もう少しで汚れたままの洗濯物を干してしまうところだった。

最近、多いな、こんなことが。仕事でも、うっかりミスが多いし。
こんなことでは、今度は、私が干されてしまうな。

ハンバー・・・グ

サキさんが、はっきりと聞き取れる単語をしゃべった。
ハンバー・・・グ

今日は、仕事を早めに切りあげられたお姉さんと一緒に、サキさんの食事介助に行ってきました。

着いた時は、まだ、ベッドの上でブツブツ言っていたサキさん。右の奥歯もしきりに、コンコン、コンコン音を立てている。いったい何にイラついているのだろうか？　イラついてないのかもしれないが、そう思わずにいられないサキさんの表情です。

すぐにスタッフの方がみえて、ベッドから車いすへ。そして皆さんの待つホールへ。


今日のおかずは、手作りハンバーグがメイン。
お姉さんが、サキさんに、「ハンバーグやよ、手作りハンバーグ」と声掛けすると、
ハンバー・・・グ
私だけが聞こえたわけではなく、お姉さんもちゃんと聞き取れていました。
二人で思わず、顔を見合わせました。
「今ちゃんとしゃべったね、ハンバーグって言ったね」

とてもうれしい出来事でした。でも、結局はこの一言だけでしたが。後は、いつものように表情を変えずに淡々と口を開けて、よく噛み、飲み込んでいます。

お姉さんも、サキさんを何とか和ませようと、いろいろ話しかけたり、「ライス、ミソスープ」と何度もサキさんに迫りますが、反応はありません。また、別の方法で笑わせることにしましょう。


今日はっきりしたこと、サキさんはまだまだしゃべれる。
間違いなく話す力は残っている。
そうだ、今度サキさんのメガネ（遠視：老眼鏡と言っては失礼なので）を持っていき、サキさんにかけてもらおう。これもサキさんにとっての、刺激になるかもしれない。
今のサキさんの目には、何が見えているんだろう。
とっても気になる。

一人きり

お風呂に入っていたとき、お風呂の外で大きな物音が。

ゴトン　と何か大きな音が。
娘が帰ってきたのかな？　今日は夜勤のはずでは？　違ったのかな

そんなことを思いながら、お風呂から出てみたが、誰もいない。

静かなままだ。私以外、誰もいない。

さっきの音は何だったんだろう。

一人で家にいると、時たま、こんなことがある。
誰もいないはずなのに、物音がする。とても不思議な感じだ。

気の弱い自分なので、本当なら、とても怖く、不安になるのだが・・
なぜか、そんな気にはならない。変な感じだ。

とにかく、娘がいない時は、当たり前だが、一人だ。
今、もし倒れたら、誰も助けてはくれない。実家の兄のように・・・。

声が聞きたい

サキさんを在宅でみていた、２年前。
サキさんの言葉にいつもイライラしていた。

同じことを繰り返し言い、いつも怒って、文句をつけていたサキさん。

お願いやで、黙っとって。静かにしとって
何度、サキさんに向かって絶叫したことか。

でも、今、サキさんは・・・ほとんど何も話してはくれない。
あんなに「静かにしてくれ」と願ったのだが、いざ願い通りに、何も話してもらえなくなると・・。

本当に身勝手な自分だ。
今になって、サキさんの声が聞きたくてしょうがない。何でもいいからしゃべってほしいと心から思う。
「ばか！」でも何でもいい。できれば
「お父さん、愛しとるよ」って言ってほしいけど。

今は、私が思いを巡らせるしかない。
想像力をかき立てるしかない。

サキさんのわずかな反応から、目いっぱい想像を膨らませて、サキさんの思いを探りたい。
サキさんの心に迫りたい、近づきたい。

涙、右足、大声

涙、右足、大声と今日は3つ、サキさんに驚かされました。

今日は、久々のお姉さんと一緒に、サキさんの昼食介助を兼ねての面会です。

昼食の前に、お姉さんが差し入れをサキさんに食べさせます。
抹茶味の水ようかん。サキさん、おいしそうに（たぶん）食べていきます。
サキさんが口を開けて食べようとしたときに、お姉さんがじらします。すると、突然涙を流しだすサキさん。

2016年9月4日涙で表現

じらされたことへの涙なのか、久々にお姉さんに会えた涙なのか、引きがねは何なのかわかりませんが、とにもかくにも涙で感情を表してくれました。

次に驚かされたのは、右足です。
いつもは左足を動かすだけなのですが、今日は何と右足も。

しかも、３度も。写真は、あぐらを組みように挙げていた足を下ろすところです。スタッフの方に、普段の様子をお聞きすると、「右足を動かされることも、たまにありますよ」とのこと。私たちの短い面会の間では、初めての事でした。うれしかったのと、普段の姿を少し感じられてよかったです。

そして昼食。

今日は、トロミ（ミキサー）食です。これがいつもの食事なんですね。歯ごたえが無いので、すぐに飲み込むサキさんです。前の席のおばあさんは刻み食。サキさんもこれでいいのにな、と思わず考えてしまいます。
食事介助はお姉さんにお任せで、私はサキさんの右手をさすっていました。そして、指を一本一本伸ばしている時、サキさん突然
ウァ～～　と大声を上げました。
その直前に、お姉さんがサキさんに向かって
「おばあさんに、よく似とるね」
と言ったことへの反発なのか、それとも単純に指が痛かったのかわかりませんが。
とにかく、大声が出せるということは間違いありません。声は出るんです。

涙と右足と大声と、私たちを驚かせたサキさん。
これからもいっぱい驚かせてくださいね。

仕事後の介助はキツイと感じることも

今日もサキさんの夕食介助に行ってきました。
今日は第１土曜日なので、仕事帰りの介助です。
週に２回だけですが、仕事の後に施設に寄るのは、ちょっとしんどいと感じることもあります。何にもない時はいいのですが、仕事が忙しかったり、ミスをした後だったり、落ち込んでいたり・・・。

介護は、年中無休で、待った無しです。いつも本当にお疲れ様です。
それに比べたら、週にたった２回の夕食介助です。
トイレの世話も、夜中にたたき起こされることも、同じ話を何度も何度も聞かされることはありません。
ただ、食事の介助をするだけなのに・・・。

そんな気持ちが食事の介助に出てるのかな？

今日も、サキさんはブツブツと何かをしゃべっていました。
眉間にも深いしわが・・・・

今日は、食べ始めると、すぐにシワは消えましたが。

今日も完食してくれました。ありがとうね。

食後のサキさんです。
眉間にシワはありませんが、表情はなぜかさえません。

やっぱり、笑顔のサキさんがいいです。
先ず、自分が笑顔でいないといけませんね。

負けちゃいましたね

いろいろと書こうと思っていることはあったのですが・・・。

サッカー、負けちゃいましたね。
もちろん、相手（UAE)も勝つつもりで、2ヶ月も合宿を張り、準備をしてきたわけですから、そうそう簡単には勝てません。勝負事だから、勝つこともあれば負けることもあります。勝ち続けることも出来ません。どんなに強いチームでも、人類最強と言われている人でも、勝ち続けることはできません。いつかは負ける時が来ます。
　ひょっとすると、勝ち続けてきた人にとっては、負けた時のほうが得るものは、はるかに大きいかもしれません。だって経験できなかったことを、経験できたのだから。負ける悔しさを味わえたのだから。これからさらに成長するための栄養をもらえたのだから。

　日本代表も負けちゃいましたが、戦いはまだ始まったばかりです。これから長い最終予選が始まったばかりです。気落ちすることなく、自分たちを見つめ直し、ぜひロシアへの切符をつかみ取ってください。

　サキさんも私と一緒によくスポーツを見ていましたが、それほど熱くはなりません。どちらかというと、冷めた目で見ています。中日をテレビで応援していて、サヨナラホームランで勝った時がありました。思わず声を張り上げて、
「うぉ～～～！！、よっしゃ～～～、よ～～～～し」
叫んでいる私のとなりで、サキさん一言
「ご苦労さんやね、中日が勝っても中日に何もしてもらったこと無いよ。本当にご苦労さんやね」
「そんなことないよ、中日がもし優勝したらね、いろんなところで優勝セールやるよ」
「優勝しん（しない）で、あかんがね」
おっしゃる通りです。