ハンバー・・・グ

サキさんが、はっきりと聞き取れる単語をしゃべった。
ハンバー・・・グ

今日は、仕事を早めに切りあげられたお姉さんと一緒に、サキさんの食事介助に行ってきました。

着いた時は、まだ、ベッドの上でブツブツ言っていたサキさん。右の奥歯もしきりに、コンコン、コンコン音を立てている。いったい何にイラついているのだろうか？　イラついてないのかもしれないが、そう思わずにいられないサキさんの表情です。

すぐにスタッフの方がみえて、ベッドから車いすへ。そして皆さんの待つホールへ。


今日のおかずは、手作りハンバーグがメイン。
お姉さんが、サキさんに、「ハンバーグやよ、手作りハンバーグ」と声掛けすると、
ハンバー・・・グ
私だけが聞こえたわけではなく、お姉さんもちゃんと聞き取れていました。
二人で思わず、顔を見合わせました。
「今ちゃんとしゃべったね、ハンバーグって言ったね」

とてもうれしい出来事でした。でも、結局はこの一言だけでしたが。後は、いつものように表情を変えずに淡々と口を開けて、よく噛み、飲み込んでいます。

お姉さんも、サキさんを何とか和ませようと、いろいろ話しかけたり、「ライス、ミソスープ」と何度もサキさんに迫りますが、反応はありません。また、別の方法で笑わせることにしましょう。


今日はっきりしたこと、サキさんはまだまだしゃべれる。
間違いなく話す力は残っている。
そうだ、今度サキさんのメガネ（遠視：老眼鏡と言っては失礼なので）を持っていき、サキさんにかけてもらおう。これもサキさんにとっての、刺激になるかもしれない。
今のサキさんの目には、何が見えているんだろう。
とっても気になる。