県の教職員バレー大会,本校の成績は…
準優勝でした!
見事な成績だ!
決勝で負けて悔しい!
この2つの感情が強く残る大会になりました。
でも,規模の大きい「県大会」では,これまでベスト8止まりだったので,そこを破るのが一番の目標でした。
だからこの準優勝は,やっぱり立派なものだと,打ち上げの席ではみんなで盛り上がりました。
やっぱりバレーっておもしろいスポーツだと,改めて思います。
さて
この大会のとき,ふと見かけた先生の話ですが。
予選が終わり,決勝トーナメントも進み,準決勝。
うちは先に勝ちを決め,もう片方の試合を見ていると…
コートの外で得点板の横にポツンと立っている先生が,なぜか目に留まりました。
ポツンと立っているなんて言っては失礼ですね。
その試合の審判で得点掲示の係をしているわけです。
その先生,小柄な女性の先生で,とてもご高齢でした。
やはりバレー大会というだけあって,広い会場内にたくさんの先生がいますが,その多くは若手,男性,そして体育会系な先生ばかりです。
そんな中で,その先生がふと目に留まったのは,遠くから見てもその雰囲気が周りと際立って違っていたからだと思います。
チームメイトに
「あそこの得点の先生,バレーできるのかな」
なんて何気に話しかけたら,うちの若い男の子先生が
「あ,あれ,ぼくの母です。」
と。
「えぇ!まじで!」
びっくりしました。
「はい。母も教員なんです。」
「現役?」
「はい。でも,確かあと2年で定年だったはず…」
「ここにいること知ってたの?」
「いや,ぼくはここに来て知りました。さっき話しかけたら,あっちは知ってたみたいで。」
「ふーん,きみがバレーがんばってるの見て,お母さんうれしかっただろうね。」
「はぁ,だといいんですけど,ぼく何の活躍もしてないんで。あはは」
「そりゃそうだね。お母さん,バレーが得意なの?」
「いいえ,全然。応援で来てるんですよ。毎回。」
「そうなんだ…」
この偶然には驚きましたが,親子関係であったことはさておき,この先生…
私は,心から頭が下がる思いでした。
バレーに出場してるわけじゃないのに,1日中会場にいる。
しかも,審判は率先してしている。
そして何より,この人はもう定年前のおばちゃん先生。(すみません,失礼ですが)
私は,…私だけでなくここにいる多くの人は,自分がバレーが好きで,しかも体もまだまだ動く若さがあって,この会場にいるわけですが,この先生は立場が違います。
もし私がこの先生の立場だったら,ああして審判をするだろうか… できないだろうなあって,正直思います。
この先生の,同僚を思う優しさ。
チームの結束を大事にするスポーツマンシップ。
選手を気遣って審判をする謙虚さ。
年齢なんて気にしない懐の深さ。
遠目に見た得点板でポツンと立つその姿に,いろんなものを見た気がしました。
この先生,絶対いい先生だと思います。
学校でも,子どもたちに対してそんな姿勢をもてるすてきな先生なんでしょう。
だから,定年前であっても,なお現役で教諭として子どものそばで仕事をすることを選んでいる,選ぶことができる人なんでしょう。
本当に見上げた方です。
胸がジーンとしたあと,息子を見ると,スマホをいじっていました。
「こらっ,母ちゃんが審判してんだぞ!ちょっとは母ちゃんに学べ!」(笑)