湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

舌の詩パート2

2019-12-10 20:53:40 | オリジナル
共通テーマ「舌」でEが書いた詩を投稿します。

生きる

江戸の粋人は
一杯の茶づけに千金を払った
米も茶葉も吟味したろうが
肝心なのは
めしをたき茶をたてる水
多摩川の源流まで
人を走らせたとか

無粋な舌では
水道の水か谷川のか
とんと区別はつかない
微妙な差異を味得しうるは
幸いなのか不幸なのか

繊細な神経を所持して
購う資力に欠ける 不満
気位は高いが
実がともなわない 虚栄
逆にひらきなおって
現状に妥協してしまう 安住

思えば
生きることはやさしい
入宋悟達して
山村の住持に終始する
それができれば
それでいい
コメント
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