湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

舌の詩パート8

2019-12-18 00:00:18 | オリジナル
共通テーマ「舌」でSが書いた詩を投稿します。

Memento Mori

半身詩人よ
じぶんの詩の
朗読のひまはあるか
舌に舌を置く
手袋に手袋を重ねるように
だがやはり
遠景にならない
「おそろしい人生でした」
老いたバーテンは
じぶんの話ができるか
彼の熟れすぎた言葉は
死に方を知らない
「ハトのエサあります」
この生ぐさい舌は液化もしない
聖堂に入ったボーヴォワールがなげく
「何だ 女ばかりいる」
乾かない数万の舌がさえずる
「今だって女ばかり」
コメント
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