共通テーマ「舌」でSが書いた詩を投稿します。
Memento Mori
半身詩人よ
じぶんの詩の
朗読のひまはあるか
舌に舌を置く
手袋に手袋を重ねるように
だがやはり
遠景にならない
「おそろしい人生でした」
老いたバーテンは
じぶんの話ができるか
彼の熟れすぎた言葉は
死に方を知らない
「ハトのエサあります」
この生ぐさい舌は液化もしない
聖堂に入ったボーヴォワールがなげく
「何だ 女ばかりいる」
乾かない数万の舌がさえずる
「今だって女ばかり」
Memento Mori
半身詩人よ
じぶんの詩の
朗読のひまはあるか
舌に舌を置く
手袋に手袋を重ねるように
だがやはり
遠景にならない
「おそろしい人生でした」
老いたバーテンは
じぶんの話ができるか
彼の熟れすぎた言葉は
死に方を知らない
「ハトのエサあります」
この生ぐさい舌は液化もしない
聖堂に入ったボーヴォワールがなげく
「何だ 女ばかりいる」
乾かない数万の舌がさえずる
「今だって女ばかり」