湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

論の詩パート1

2019-12-22 22:23:18 | オリジナル
新しい共通テーマ「論」でAが書いた詩を投稿します。

私が眠る間に

愛するあの人も眠っている
論理は煮溶けていて
ごく細かく年輪を刻んできた
大木の夢が頂点に達する
運転手が酔客にからまれ
大気圏で流星が燃え尽き
膝のかさぶたが固まり
蝶が静かに翅をたたみ
放火魔が興奮して帰ると
豆苗が水を吸っていて
虫たちのすだきを聞きつつ
ロゼットが湿っていき
逃亡犯に疲れが溜まり
呼吸が限りなく止まり
数羽の鷺が枝で首をもたげ
新聞専売所に白紙の朝刊が届き
海が碧くなる前に出航した漁船は
深海で眠るあの人に
大きな網をかぶせる
コメント
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