湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

追うの詩パート6

2019-04-17 00:41:00 | オリジナル
共通テーマ「追う」でAが書いた詩を投稿します。

終わりを追いかけて

やみくもに走った
止まればよかったのに
えげつなく まだ走ってる
止まれない意気地なしで
おさまりかえっていられなくて
いいんだよと 言い交わし
真っ黒な炭団に目鼻描いて
なるべく面白い表情にしたのに
結果 泣き顔みたいになっても
皆生きよう 脈絡なく
列をなして 列を乱して
もっとダラダラ走るんだ
いいね かわいいよ
ヒューヒュー
それだけで生きていけるか!バカヤロ
でもわたしにも
いいな かわいいな
ヒューヒュー
と思う奴がいるよ
それをヨスガにするな!バカヤロ
コテンと寝て また起きて
で、まだ今日も走ってる
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詩「けしゴム」

2019-04-16 09:53:00 | オリジナル
みんなの意見を入れてIが改稿した詩を投稿します。

けしゴム

久しぶりに
ふで箱から出たけしゴムは
うれしくて飛び跳ねる
と、机から落ちてしまった
――どこへ行ったのかな?
いた いた いすの下にいた
拾いあげて、紙の上にこすりつけた

――痛いよ
といって涙をこぼす
ふで箱に閉じ込めて
飛び出さないように
すぐふたをしめた

そこは暗闇
けしゴムは自ら力を発して
その闇を消した
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追うの詩パート5

2019-04-15 21:30:48 | オリジナル
共通テーマ「追う」でEが書いた詩を投稿します。

少年・わが町

駅を出ると帰ってきたとわかる
陸風と海風がまじりあって
胸郭がゆるやかになる
松林にはサナトリュウムの礎石が残っている
町はずれの海岸は一マイルビーチ
少年が夕餉前
ジョギングで頭を休めている
白いスニーカーから伸びるくるぶし
追いかけてみるが
距離ははなれるばかり
なんなく山すそまで走っていって
す早く折りかえして来る
潮風にまじる汗
補助線をどこに引こうかと
考えているのか 彼は
私を見むこうともしない
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千代と士郎と人生劇場

2019-04-14 20:42:10 | 文学
季題「菜飯」でなかなかできず、投句間際苦し紛れに作った下記の句が講師特選に
千代の炊く菜飯を士郎ついに食べず
馬込で結婚生活を送っていた宇野千代と尾崎士郎をイメージしたものです。
 大森駅前の馬込文士村レリーフより
士郎は千代と別れてから筆が乗り始め「人生劇場」で人気作家に。

人生劇場文学碑があるのは、再婚後も転居しつつ馬込界隈で暮らした最後の家の庭。

今は記念館になっています。
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自由題「居心地をもとめて」

2019-04-13 20:15:07 | オリジナル
Aが自由題で書いた詩を投稿します。

居心地をもとめて

詩を合評に出すと
口々につまらないと
読んでいて
心地が悪いと言われる
わたしはうなだれて
自分につぶやく
悪かったわね 

家を建てていると
うしろの家の老夫婦が
交替で出てきて
同じ苦情を言う
わたしはそっぽをむき
ひとりごちる
放っといてよ 

わたしも わたしがいることが 心地悪い
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花俳句

2019-04-12 22:07:25 | 文学
桜もそろそろ終わりです。今年の花を見てできた4句。
ハイランド バス来る迄の花見かな
キャッチボールの球追い抜きし花吹雪
広っぱに古車両ひとつ花筵
花筏よそに船着場の手入れ

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湯河原だけどRYOKAN TOKYO

2019-04-11 21:09:56 | 旅行
さまざまな文学者が好んで逗留した湯河原にちなんで原稿執筆パック、積ん読解消パックなどのユニークなプランがあるTHE RYOKAN TOKYO(湯河原町宮上742)を見学。

インバウンドのお客様を意識したちょっとキッチュな外観。
中に入ると早速本棚。そして、そこから本をとって読んだりできるYogibo席が

客室にもYogiboが備えてあります。この旅館、一体いくつYogiboが?
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逗子サンセット&落し物へのまなざし

2019-04-09 18:47:28 | 
三浦半島夕日グランプリ第1位に輝いた逗子海岸。4月6日はダイヤモンド富士が見られる!ということで大勢の人で賑わったのですが…
 モヤモヤ~
その前後は富士山のシルエット見えてたのに。
 4月4日
 今日4月9日
葉山あたりでは今日ドンピシャで観察できたのかもね。
さて、今日は見学者1名を交え計7人で、Eの作品9編を対象にした臨時合評会をしました。
その中から下記の詩について話し合った内容を記します。
アルルカン

道を歩いていると
よく手袋が目につく
それも片方だけ
拾う者はまずいない

こころみに拾ってみても
右手だけだったりする
当然色も形もちがっている
外へはしていけない

ふと裏返してみる
不思議 右手が左手となる
材質が同じウールなら
普段使いに支障はない

幸い 色違いであれば
見捨てられたアルルカン
気取った仕草で腰を折り
わがつれづれをなぐさめる

:作者の弁 :評者の弁
目の付け所がよかった。
手袋を見て詩を作ろうとしたときの感動が十分に伝わってきます。
冬の道に手袋が片方だけ落ちていると、踏んづけられたらかわいそうだと思い、拾うことがあるんです。
作者の優しさを感じます。落ちた手袋も拾われて詩になったら嬉しいですよね。
今までのEさんの作品とは違ってかわいい詩。
最後の2行が七五調の近代詩的な表現で惜しい終り方。
全ての連の行数を揃えたくて付け足してしまいました。
ソネット風に形を整えるのはいいけど、表現方法のバランスを欠いてしまったかも。
蛇足を加えてしまういつもの悪い癖が最後に出てしまいました。
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追うの詩パート4

2019-04-07 14:45:13 | オリジナル
共通テーマ「追う」でZが書いた詩を投稿します。

追われる人間のその後


俺は 追われ 追われたので 
ひたすら逃げるに逃げた そう必死に 
おかげで墓に入って死人にすがって生きる事にした 
俺は 終に退屈な世界の住人になった 
何十年過ごしただろうか 墓の中で 
俺は 死人と別れ 
この ろくでもない世界に 舞いもどろうと決心した 
全てを堕落させる 後ろ向きの幸せと 決別し 
大地のにおいを 嗅ぐために 
  

↑フデリンドウの写真もZ撮影です。
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追うの詩パート3

2019-04-06 14:35:09 | オリジナル
公園の桜第4弾。ヴェルニー公園です。

では、共通テーマ「追う」Sが書いた詩を投稿します。

追いかけて

追いかけて
追いついて
いつだって あきて
追い払った
大きなモノは ヒッソリ捨てた
   たとえばゾウやカバ
小さなモノは
追い払わず
抱えこんだ
その思いきりはよかったが……
孤独なミスだった
いつも寒く
アタマはかじかんでいた

抱えこんでしまった
モノのまわりを
コツコツあるく独り法師の
わたくしを
映さぬ鏡にかこまれて
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