湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

ノグチ・イサムとヨネ・ノグチ

2018-02-17 10:39:08 | 湘南
《こけし》は1950年代後半頃まで中庭やテラス、前庭などいくつかの場所に置かれた後、しばらく倉庫で保管(その間は別の作品が展示替えされながら中庭に置かれていた)されていたのを、1991年の改修の際に修復を経て、新しい台座とともに中庭に設置されたのだった。(「たいせつな風景」24号 長門佐季「表紙作品解説 イサム・ノグチ《こけし》より)
 今、葉山の中庭に置かれたイサム・ノグチの『こけし』の前に立つ。
 鎌倉の中庭では覚えなかった新鮮な感動と喜び、私の勝手な解釈によれば、この作品は、1950年から51年の来日時、日本の石を使って製作された最初の彫刻のひとつであり、土を使った陶芸作品や和紙や竹を用いた照明彫刻に先立つ作品であるように思う。(「たいせつな風景」24号 岡崎和郎「イサム・ノグチの『こけし』に寄せて」より)


一昨年3月末の鎌倉館閉館に伴い、神奈川県立近代美術館葉山館の中庭に引っ越したこけし。1952年に鎌倉館にやってきてからの40年間にもちょこちょこ動かされていたんですね。
イサム・ノグチの父である野口米次郎は国際詩人ヨネ・ノグチです。明治38年から鎌倉の円覚寺蔵六庵に仕事場を持ちました。イサムの母を主人公にした映画「レオニー」では、イサムを身籠っているレオニーを置いて日本に帰国し、レオニーとイサムが来日したら他の人と結婚していた酷い奴っぽく描かれているみたいですけどね。
父に憎悪の念を抱きながらも、芸術家として、また日米に生きた境遇に共感し、父の人脈にも助けられ、心の底では慕っている。もしかして、ヨネあってのイサムであり、イサムあってのヨネであったのかもしれない。二つの立方体を跨ぐように直方体が載ったヨネの墓は、イサムがデザインしたと伝えられている。(三田評論2013年4月号 加藤三明「ヨネとイサム・ノグチ―二重国籍者の親子」より)

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