湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

猫の詩パート1

2022-01-30 10:41:09 | オリジナル
共通テーマ「猫」でAが書いた詩を投稿します。

カナシミ

猫のカナシミはいつも反抗的な眼をしている
顔の模様が憎たらしさを増強している
カナシミのシッポは黒くて短くて直角に曲がっている
そのシッポの先まで神経質に身繕いする
カナシミの鳴き声は執念深い怒りを湛えている
嵐を吹くときの背中は高圧的に硬く盛り上がる
抱き上げると暴れて力いっぱい引っ掻く
僕はカナシミを溺愛した
自分みたいなカナシミを

半世紀間残っていたカナシミの爪痕を
手の甲に捜したが見つからない
カナシミの悲しみの秘密はなんだったのか

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 積もるの詩パート2 | トップ | 奏の詩パート1 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

オリジナル」カテゴリの最新記事