湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

玉の詩パート1

2023-07-12 11:32:58 | オリジナル

共通テーマ「玉」でAが書いた詩を投稿します。

玉のかがやき

 

定植に最適な状態まで育ったら

軽トラに乗ってやってくる

苗に出会いたくて

春 境内の植木市に通った

ひっくり返したビールケースに

ついに並んだ苗ポット

 

小畑に植えて一箇月

小さな一番果を味噌汁に

さらに一箇月

炎帝を紫色にはね返す

玉のような実りがいくつも

 

夕食に使おうと外に出ると

いちばん大きくつややかな実が

今朝まであった枝から消えていた

切り口の刃物痕

見事な玉の誘惑に負けた人間の仕業か

 

翌朝 またひとつ消えている

フェンスの向こうに

半分以上つつき食べられた

実が落ちていた

わたしの茄子のかがやきには

人も鳥も抗えないらしい


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