湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

濁の詩パート2

2018-11-28 09:05:36 | オリジナル
共通テーマ「濁」でSが書いた詩を投稿します。

宇宙にいるのだがと言葉をにごす

宇宙は無構造であると知った
そうでしたか
だが こうして
宇宙にいる
どうしたことか
時間に啄まれ
ぶらさがり
これは 現象にすぎないのか

きのうの虫が鳴いている と書く
ときどき 虫の声をきく
ときどき 虫の声がきこえる
どちらかに〇をつけよ

昭和26年 神戸 早世の母
ああ きゅうに暗くなる
わたしが採集した蛾
ビロードのようにみえたおまえの翅
実に精密ではあるが
鮮明に単純であった
あの ほっそりしたもの
あの ふっくらしたものと同じように
おまえには取り付く島もあった

早起きの蛾よ 活発な魂 と書く
そして おまえの眼状紋
天敵の小鳥を びっくりさせるための
神が翅に創られた壮麗な眼
珍しい驚くべき材料で
わたしだって 組み立てられたといえる
有り触れた病いで死体になっては
落ちついていられない
物質として
化学変化して死ぬのは おもしろくない
真相を知りたい

ああ おまえが広いと感じる 空間
ああ おまえが長いと感じる 時間

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 冬の詩パート4 | トップ | 冬の詩パート5 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

オリジナル」カテゴリの最新記事