湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

冬の詩パート5

2018-11-29 00:00:11 | オリジナル
共通テーマ「冬」でSが書いた詩を投稿します。

自分のなやみをたなにあげ
――或る冬


物語のない人間なんているだろうか
女のひとが好きという その
物語とはちがう意味だが

まあ ある日から(瞬間のこと)
それがなくなるケースは
いつもある話だ

ともだちは外人(むずかしい本が好きな)と結婚した
なまえは
いや どうでもいいことだ
彼の兄さんが
戦争からかえってきて
性質がかわってしまったことなど

アメリカ・メイン州への電話
部屋を出ようとしない人は
元気? に
元気としかこたえない
答えは
呼びかけにどんどん似てきて
自分の悩みをたなにあげ
わたしたち ここに寄りあつまり
きのうフライパン きょうはカーテンに
とまったままのあのこおろぎみたいだ

真冬のようにはっきり寒い
棚の上の
それぞれの悩みに
ほこりがたまっていく
どんな感情でも無いよりましって
このことだろう

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