新しい共通テーマ「断つ」でAが書いた詩を投稿します。
家族処刑
母は台に布を広げ
念入りに伸ばし
裁ち鋏を入れた
大きな鋏の音が
重く厳かに響いた
布は色を失った
母が裁断した家族たち
中でもあたしは
繰り返し処刑されて
縫い合わされることもなく
散り散りに吹き飛んだ
八月に戻ってきた
あの女の影を捕まえ
硬い床に押し付け
両の掌でぴっちり伸ばす
大きな鋏の冷たく硬い柄に
挿し入れた指が痛むが
こうする以外何もない
という確信に満ちた
いい音を響かせて
刃は迷わず進んでゆく
家族処刑
母は台に布を広げ
念入りに伸ばし
裁ち鋏を入れた
大きな鋏の音が
重く厳かに響いた
布は色を失った
母が裁断した家族たち
中でもあたしは
繰り返し処刑されて
縫い合わされることもなく
散り散りに吹き飛んだ
八月に戻ってきた
あの女の影を捕まえ
硬い床に押し付け
両の掌でぴっちり伸ばす
大きな鋏の冷たく硬い柄に
挿し入れた指が痛むが
こうする以外何もない
という確信に満ちた
いい音を響かせて
刃は迷わず進んでゆく
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