今月の合評会で次のZの詩について話し合ったことを投稿します。
餌
今日の昼飯 お盆の上にのせるのは
味というより 刺激というのが相応しい
唐辛子まみれのタレがかかった 唐揚げに
ちょこんと添えられた 鼻が曲がるほどの
匂いを放つ青菜
餌というのが似合っている食い物を
イヤイヤ口いっぱい頬ばると
餌は 忽ち我が身の一部に変わった
そんな 餌に馴染んだお陰で 甘い香りも味も
遠く彼方に消え失せた
今の私は
苦さ 辛さが 旨いと感じる
痺れた舌に なってしまった
作者の弁■ 評者の弁●
●最後の1文の主語と述語がおかしな関係になっているので、後ろから3行目の「の 舌先」は削った方がいいですね。
(指摘に沿って直したものを再録)
■NHKラジオでロシア文学者の亀山郁夫さんがしゃべっていたドストエフスキーのマゾヒズムが下敷きになっています。
ドストエフスキーは今年生誕200年なんです。
●舌が痺れている現代人の様相を、具象を交えて表現したものかと思ってました。