共通テーマ「窓」でAが書いた詩を投稿します。
夕暮れ
彼が抱き取った時
きょとんとしていた赤ん坊は
次の瞬間はげしく泣き出した
ちょうど夕暮れ泣きの時刻に入ったのだ
体の硬い感触か
微かな体臭か
見下ろす表情か
自分のなにかが
この子の癪に障っているのだ
と彼は思った
本能を太平洋に落としてきたのか
この時刻を良い時だなどとうそぶいて
仕方のない大人の男たち
この時刻に不安を感じない
素振りをすることへの失望と軽蔑を加えて
この時刻特有の不穏さを
赤ん坊は長々と盛大に泣いているのだ
いつの間にか窓の外は真っ暗になり
自分だけは大人になっても
夕暮れ時の空に激しく抵抗すると決意して
小さい彼の今日のリサイタルは終わった
夕暮れ
彼が抱き取った時
きょとんとしていた赤ん坊は
次の瞬間はげしく泣き出した
ちょうど夕暮れ泣きの時刻に入ったのだ
体の硬い感触か
微かな体臭か
見下ろす表情か
自分のなにかが
この子の癪に障っているのだ
と彼は思った
本能を太平洋に落としてきたのか
この時刻を良い時だなどとうそぶいて
仕方のない大人の男たち
この時刻に不安を感じない
素振りをすることへの失望と軽蔑を加えて
この時刻特有の不穏さを
赤ん坊は長々と盛大に泣いているのだ
いつの間にか窓の外は真っ暗になり
自分だけは大人になっても
夕暮れ時の空に激しく抵抗すると決意して
小さい彼の今日のリサイタルは終わった