共通テーマ「窓」でAが書いた詩を投稿します。
甘美な落下
「開いた窓の前で立ち止まるな」という教えを忘れ
彼女は立ち止まった
カーテンも開かれていた
高層階を旅する風で
招くように裳裾が揺れる
彼女はとっさに飛び降りた
家訓は破られるためにある
窓の中で暮らしなさいと警告される
けれど
避けきれないほどスルーすべき卑劣な事象だらけの
世界のマニエリスムに対する哀しい好奇心
という愚かな病に
既に罹っているわたしたちは
ゆっくり放物線を描いて下っていく
変異するウイルスによって駆除されていく
甘美な落下
「開いた窓の前で立ち止まるな」という教えを忘れ
彼女は立ち止まった
カーテンも開かれていた
高層階を旅する風で
招くように裳裾が揺れる
彼女はとっさに飛び降りた
家訓は破られるためにある
窓の中で暮らしなさいと警告される
けれど
避けきれないほどスルーすべき卑劣な事象だらけの
世界のマニエリスムに対する哀しい好奇心
という愚かな病に
既に罹っているわたしたちは
ゆっくり放物線を描いて下っていく
変異するウイルスによって駆除されていく