湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

合評報告「老人の形」

2018-10-06 17:56:55 | 
旧古河電工保養所が取り壊されて、切通し下バス停がオーシャンビューになってます。隣のなぎさ橋珈琲と一緒にどうにかするみたいだけど、この眺望をなるべく保ってほしいな。

では、昨日の合評会で下記の詩について話し合った内容を投稿します。
老人の形

老人が老人らしく歩くのを見ている
もう よぼよぼだ
行くべき病院へ
行くほどの
砕けようだ
エサ買いに出かけるのが仕事とは

よぼよぼの骨は手で破れない
老人が老人らしくくたばるのを見てしまう

「ぐにゃぐにゃ」という音をきく
老人にはもっと
硬い音が似合うのだが

:作者の弁 :評者の弁
この短さで、とても広く深く伝わってくる詩になっています。
みんなは「砕ける」というテーマで書くのに苦労したみたいだけれど、私はいい詩を作るのにふさわしいテーマだと思いました。
3~5行目の表現が素晴らしいです。
この部分には時間をかけました。
次の「エサ買いに出かけるのが仕事とは」という1行もいいですね。
よぼよぼ、ぐにゃぐにゃという擬態語がリアルで効果的。
ぐにゃぐにゃは、実際に音として聞こえてくるというふうにしました。音楽をやっているから、書くものにも音を出したくなるんです。「老人が老人らしく」のフレーズは、1連目と2連目でこだまさせています。
最終連で音を想像させ、余韻を残しています。
満点!
コメント
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