俳句でキャプション 活気づく逗子駅夏の日曜日
では、共通テーマ「風」でAが書いた詩を投稿します。
往還
夜に影をつける輪郭
口の中に刃が見える
六道の辻につむじ風が起こる
君の肩に積もった埃が飛んでいく
その肩をそびやかしたまま
君は閻魔大王の前へ連れ出される
司命が閻魔帳を読み上げる
やばい
わたしの名も出てくるではないか
君が首を縦に振る
司録が判決を記録している
閻魔大王が溶けた鉄を飲んでいる
とてもやばい
君が首を横に振る
出会うのには間に合ったけれど
現世では誰も君を救えなかった
その責を負う衆愚の列に
わたしも連なっている
いくつかのできごとの鋭角が
今さら鋭く突いてくる
いつも本心を隠していた君の
刹那の表情がいくつか立ち上がる
出会う以前の幼い顔も
もう戻ることはできない
取り返しはつかないのだ
固く閉じた目を開けたとき
閻魔大王が童顔の地蔵菩薩になった
わたしは豪雨でめちゃくちゃにされた下界へ
亡霊で混む道を戻っていった
では、共通テーマ「風」でAが書いた詩を投稿します。
往還
夜に影をつける輪郭
口の中に刃が見える
六道の辻につむじ風が起こる
君の肩に積もった埃が飛んでいく
その肩をそびやかしたまま
君は閻魔大王の前へ連れ出される
司命が閻魔帳を読み上げる
やばい
わたしの名も出てくるではないか
君が首を縦に振る
司録が判決を記録している
閻魔大王が溶けた鉄を飲んでいる
とてもやばい
君が首を横に振る
出会うのには間に合ったけれど
現世では誰も君を救えなかった
その責を負う衆愚の列に
わたしも連なっている
いくつかのできごとの鋭角が
今さら鋭く突いてくる
いつも本心を隠していた君の
刹那の表情がいくつか立ち上がる
出会う以前の幼い顔も
もう戻ることはできない
取り返しはつかないのだ
固く閉じた目を開けたとき
閻魔大王が童顔の地蔵菩薩になった
わたしは豪雨でめちゃくちゃにされた下界へ
亡霊で混む道を戻っていった