湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

風の詩パート6

2018-08-22 19:58:52 | オリジナル
共通テーマ「風」でTが書いた詩を投稿します。イラストもTの作です。

晩夏の日暮れどき

文化会館の前の風力計は
勢いよく回り
足元に
さらさらと
羽のちぎれた蝉の死体が飛ばされてきた
傾きかけた陽がうしろから射して
自分の影が前を行く
思考が軽くなり
私も飛ばされる

信念は
重たいなあ
家族がどうの
自立が大切
孤独が一番
声高に言うことではない
生きやすいように生きればいい
流されて生きるのもありだ

蝉の生も
人の生も短い
蝉のように軽く乾いた亡骸はいい
コメント
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