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共通テーマ「時間」でSが書いた詩を投稿します。
歌をうたう
なぜひとりでくらしているんだ
まあ!
時計の針がおっこちたわ
赤ちゃんがほしかった――
となりの家の屋根には
スズメがいっぱいとまって歌っている
わたしはそれを聴いて急に孤独になった
隣にきこえてしまうだろうか
孤独の 刑期 満了
と さけんだが
誰か 誰か
引越してしまったのか
なぜみんなのように歌えないんだ
子守歌でいいんだよ
一九四九年の弟にうたっていた母の
あの歌をうたえばいい
おまえは良い子なんだよ
子守歌の
解剖は終わったか
よぼよぼの時間の意味はわかったか
続いてKの時間の詩です。
時間
夕べ、夏と秋の風が半分ずつだった
窓を開けはなし目をつぶった
今夜は、秋のにおいがする。
少し冷えた空気
顎をもたげ吸い込めばあの頃の私に会える。
古い家に縛られて家族に埋もれて
それでも心地よく、よく眠った。
冷たい床に横たわりあの頃をむさぼる。
戻る所も、もうないけれど
あの頃の感覚を忘れない
泡のような出来事や苦い思いが繰り返えし
言い訳ばかりの朝が来る。
明日は14時から合評会です。時間の詩の他にKの「月に挑む」(ブログアップ9月4日)も合評します。よろしくお願いします。