伝統を誇る男子プロゴルフ大会、「日本プロゴルフ選手権」でこんな大椿事が。
スポニチアネックスより
日本プロ選手権第1日は11日、岐阜県谷汲CC(7003ヤード、パー72)で行われ、同組の3人の競技者が、そろって失格となる前代未聞のハプニングがあった。尾崎直道(49)と米ツアーから今大会のために帰国した丸山大輔(35)、深堀圭一郎(37)は球の拾い上げとリプレースに関する特別規則(ローカルルール)を誤解してプレー。違反による罰打を加えなかったため、過少申告で失格の憂き目にあった。プロ7年目の中田範彦(28)が6アンダーの66で単独首位に立った。
まさに天国から地獄だ。7アンダーと好スタートを切った尾崎直は「スルーザグリーンで1クラブ(以内なら動かしてもいい)という選手を救ってくれるルールで良かったよ」と笑顔で振り返った。しかしその10分後に悪夢が待っていた。
前日からの雨でこの日はコースが軟らかくなりボールに泥が付きやすくなっていた。競技委員会では、スタート前に急きょ球を拾い上げてふき、元の位置に戻してプレーを続けさせる「クリーニングボール」というローカルルールを認めた。しかし、国内ツアーでは球を拾える場合はほとんどが、1クラブの長さの範囲内にボールを動かせる「プリファードライ」が適用される。今回は日本プロゴルフ協会主催の特別な試合だったことから普段と違った。そのため尾崎直と同伴競技者の丸山大、深堀は勘違いしてしまったようだ。
会見後、ルールを誤用していたことを知らされた尾崎直ら3人は競技委員にボールを元の位置に戻さなかったことを申告。スコアを提出した後だったためゴルフ規則20―1「球の拾い上げとマーク」の違反で2打罰を加えなかったとして過少申告で失格となった。
競技委員会では急きょ決めたローカルルールを周知徹底させるためスタートホールの1、10番のテント内に書面を掲示。さらに競技委員が口頭で重ねて説明した。山村博トーナメントディレクターは「どこでワンクラブの話が出てきたのか…。勘違いしない限りこういうことはないと思うのですが」と首をひねった。
7アンダーなら単独首位だった尾崎直は「いいスコアになるわけだ。恥ずかしいね」とぼう然。18日が50歳の誕生日で、これが40代最後のトーナメントだったが忘れられない試合となった。
≪帰国丸山大もガックリ≫暫定トップから失格になった尾崎直以上にショックを受けたのが丸山大だ。今季、本格参戦している米ツアーを回避して、今大会のために帰国。ルールを誤用しての69に「おれ、何しに来たんだろ」とガックリ。ただ確認不足から生じた失格だけに「スタートから、ワンクラブと思っていたから疑いもしなかった。自分が悪いですね」と反省しきりだった。
尾崎直道、丸山大輔ははっきりと、
「自分のミスだ。」
と認めている。
しかし、深堀圭一郎だけは、今日の日刊スポーツに書いていたが、
「特別規則の説明はなかった。」
と不満を示したという。
ところがその深堀の話に対し、山村トーナメントディレクターは、
「紙に貼っていたし、口頭ででも説明を行った。」
と反論。ま、深堀は一体、何を聞いていたんだろうね?ということになるんじゃないか?
しかしゴルフというスポーツは実にルールに厳しい。いや、ルール以前のマナーについても、本来はものすごく厳しい。
特にスコアの過少申告という点について、度々失格となる選手が現れている。あの、青木功でさえ、過少申告により失格となったことも。ただ今回のような同じ組で回った3人がそろって失格というのは極めて珍しい。
しかしながら、これが本来のスポーツのあり方なのかもしれないよ。
対して、日本生まれの「何とか競技」って、今や、やる側の選手がルールを完全に理解していないまま走っているばかりか、ルール改正となるや、
「こんなルールでは走れない。」
と文句をいい、競技規則第何条につき失格と判定する、というお触書があるにもかかわらず、
「どこが失格なのか?」
と審判に噛み付く場合があるという。
また、それに輪をかけて取り巻き連中が、
「何とか選手の失格は可愛そう。」
「審判はもっとよく見てみろよ!」
と文句を言う。何を考えているのか?審判は判定を下す前に何十回とビデオで失格対象シーンを巻き戻してみているのが分からないのか?
いや、それだけだったらいい。
「ファンのために関係のないところで失格にとるなんて、明らかにファン無視だ。」
というケースもあるし、場合によっては自分で勝手にルールを作って、
「判定は誤審だ!」
というケースまである。
果たして、そんなことで競技スポーツが成り立つものなのだろうか。
また、「ファンのために」って何のためなのか?ファンがインチキプレーを見逃してくれたおかげで大もうけしたからって、素直に喜ぶもんなんか?
ゴルフだったら、そんな文句をいう人間は即刻プレーヤーからも「退場」なんだろ。
そう考えると、「何とか競技」の行く末を本当に案じるね。