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元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

イスラエル側は、「最後の機会だ」としてこの交渉で成果がなければ、ガザ地区南部のラファへの地上作戦を実行に移す

2024-04-28 00:23:37 | イスラエルVSハマス
【随時更新】イスラエル側「最後の機会」交渉の行方が焦点  NHK 2024年4月27日 18時53分

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続く中、エジプトなどの仲介で戦闘の休止や人質の解放に向けた交渉が行われています。イスラエル側は、「最後の機会だ」としてこの交渉で成果がなければ、ガザ地区南部のラファへの地上作戦を実行に移すとしていて、交渉の行方が焦点となっています。

イスラエル軍は、27日もガザ地区への空爆を続けていて、地元のメディアは、南部のラファで住宅が爆撃され、子どもを含む6人が死亡したと伝えています。

ガザ地区の保健当局は、これまでの死者は3万4388人にのぼると発表しています。

ラファには、多くの避難者を含むおよそ120万人が暮らしていますが、イスラエル軍は、ハマスを壊滅させるためだとしてラファへの地上作戦に向けた準備を続けていて、各国が強い懸念を示しています。

こうした中、エジプトなどの仲介で、戦闘の休止や人質の解放に向けた交渉が行われていて、26日には、エジプトの代表団がイスラエルを訪れ、協議を行ったと伝えられています。

アメリカのニュースサイトアクシオスは、この協議の中でイスラエル側は、「これが最後の機会だ」として、この交渉で、成果がなければラファへの地上作戦を実行に移すと述べたと伝えています。

一方、ハマスは、27日の声明でハマスが提示した条件について、イスラエル側の回答を受け取ったと明らかにし、内容を検討するとしています。

イスラエルが軍事的な圧力を強める中、今回の交渉の行方が焦点となっています。

ガザ空爆で死亡の妊婦から生まれた赤ちゃん死亡
連日攻撃にさらされているガザ地区南部のラファでは、今月21日に空爆で死亡した妊娠中の女性から緊急の帝王切開で女の子の赤ちゃんが生まれましたが、イギリスBBCはこの赤ちゃんが25日に死亡したことがわかったと伝えています。

赤ちゃんが生まれたときの体重は1400グラムほどしかなく重度の呼吸不全に陥っていたということで、母親の隣に埋葬されたということです。

ラファにはガザ地区北部などからの避難者を含むおよそ120万人が身を寄せていますが、イスラエル軍はハマスの壊滅のためだとしてラファでの地上作戦を強行する構えを見せています。

ロイター通信によりますと、住民がラファを離れて別の場所に避難する動きも出ていてガザ地区中部のデルバラハからの映像では、逃げてきた人たちが木材を組み合わせて布やビニールシートを張りテントを建てている様子が写っています。

ラファへの地上作戦をめぐっては、国際社会からも強い懸念が示されていて、26日にはエジプトの代表団がイスラエルを訪れて戦闘の休止や人質の解放に向けた交渉の再開について協議したと伝えられるなど、各国が働きかけを強めています。

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イスラエル軍 ガザ地区ラファへの地上作戦強行の構え:エジプト情報機関がイスラエルへ 戦闘休止交渉の再開協議か:イラン革命防衛隊 イスラエル攻撃で使用の武器をNHKに公開

2024-04-27 11:30:38 | イスラエルVSハマス
イラン革命防衛隊 イスラエル攻撃で使用の武器をNHKに公開



【26日詳細】地上作戦強行構えイスラエルにエジプト働きかけか  NHK 2024年4月26日 19時19分

イスラエル軍は、多くの避難者が身を寄せるガザ地区南部ラファへの地上作戦を強行する構えを見せています。
こうした中、隣国エジプトの情報機関のトップらが26日にもイスラエルを訪れ、戦闘の休止や人質の解放に向けた交渉の再開について協議すると伝えられていて、事態の打開につながるか注目されています。

※中東情勢に関する日本時間4月26日の動きを随時更新してお伝えします。

イスラエル軍 ガザ地区ラファへの地上作戦強行の構え
イスラエル軍は26日もガザ地区への空爆を続けていて、ガザ地区の保健当局はこれまでに3万4305人が死亡したと発表しています。

イスラエル軍は、多くの避難者を含むおよそ120万人が身を寄せるガザ地区南部のラファへの地上作戦を強行する構えを見せています。

一方で、イスラエル国内では、いまなおハマス側にとらわれている人質の解放を優先すべきとの声が強まっているほか、同盟関係にあるアメリカなど各国からも地上作戦を思いとどまるよう求める動きが相次いでいます。

エジプト情報機関がイスラエルへ 戦闘休止交渉の再開協議か
アラブ系のメディアなどは、イスラエルの隣国エジプトの情報機関のトップらが26日にもイスラエルを訪れ、戦闘の休止や人質の解放に向けた交渉の再開について協議すると伝えています。

エジプトは、これまでもカタールとともにイスラエルとハマスの間の交渉を仲介してきましたが、双方の妥協点を見い出すことができず、交渉は行き詰まっていました。

イスラエルが軍事的な圧力を強める中で、交渉再開に向けた糸口を見つけることができるかが焦点となっています。

人口約220万のガザ地区 深刻な人道状況続く
人口およそ220万とされるガザ地区は、イスラエルとハマスによる戦闘の影響で、深刻な人道状況が続いています。

アメリカ政府高官は25日、このうち北部について「人口の半数以上がひどい食料不足に陥っている。子どもの30%近くは深刻な栄養失調の兆候が見られる」と説明しています。

米国防総省 仮設ふ頭建設開始を発表 海から支援物資搬入へ
アメリカ国防総省のライダー報道官は、25日の記者会見で「アメリカ軍の艦艇が仮設のふ頭の建設を始めた」と述べ、ガザ地区への食料などの支援物資の搬入を増やすため、海からの搬入に使う仮設のふ頭の建設を始めたと明らかにしました。

また、アメリカ軍の幹部は記者団に対し「われわれは5月初めに海からガザ地区への物資の輸送を始める予定だ」と述べ、5月からふ頭の運用を始め、段階的に支援物資の搬入量を増やすとしています。

アメリカ軍はこれまで、ふ頭の運用が完全に始まれば、一日に200万食以上の食料をガザ地区に提供できるようになると説明しています。

アメリカでは、イスラエル軍によるガザ地区への攻撃をめぐって各地で学生の抗議デモが続く中、イスラエルを支援するバイデン政権に対する反発の声も出ています。

バイデン政権としては、仮設のふ頭の建設開始を発表することで、人道状況の改善に取り組む姿勢をアピールするねらいがあるとみられます。

イスラエルメディア “作戦開始のタイミングは政府の決断次第”
ベルギー政府は25日、前日に行われたガザ地区南部のラファへのイスラエル軍の空爆で、ベルギーの援助機関のスタッフとその7歳の息子が死亡したと明らかにしました。

ラファには多くの避難者を含むおよそ120万人が身を寄せていますが、イスラエル軍はイスラム組織ハマスの壊滅に向けラファへの地上作戦を強行する構えを見せています。

イスラエルの有力メディア、ハーレツは25日、イスラエル軍がガザ地区北部や中部に展開していた部隊を南部に移動させるなど、地上作戦に向けた準備を完了したと政府に報告し、作戦開始のタイミングは政府の決断次第となっていると伝えています。

その上で、地上部隊による侵攻は住民を避難させたあとに始まるとしていて、ラファの住民を別の場所に避難させるには数週間かかるとの見方を示しています。

ラファへの地上作戦に対しては、アメリカが繰り返し懸念を伝えているほか、ラファと境界を接するエジプトも「破滅的な事態となる」と警告していて、イスラエル政府がどのような対応を示すかが焦点となっています。

エジプト側 イスラエル側に“平和条約危うくすると警告” 報道
イスラエル軍がガザ地区南部のラファへの地上作戦を強行する構えを見せる中、アメリカのニュースサイト、アクシオスは、イスラエル軍や情報機関の高官らが、ラファと境界を接するエジプトの情報機関の高官らと、24日にカイロで会談を行ったと伝えました。

それによりますと、エジプト側は、ラファへの地上作戦が強行されれば、避難民の流入で治安が悪化するおそれがあると懸念しているということで、会談では、イスラエルとの関係断絶につながる可能性があり、両国の平和条約を危うくすると警告したということです。

これに対してイスラエル側は、軍事・外交面でのエジプトとの緊密な連携は、ラファの地上作戦での基本的な条件だと伝えたということです。

また、アクシオスによりますと、イスラエル軍はアメリカ国防総省に対し、ラファへの地上作戦について、全域におよぶ全面侵攻ではなく、地区ごとに分け段階的に進めていく計画だと伝えたということです。

米など18か国首脳 ハマスに“人質即時解放”求める共同声明
アメリカなど18か国の首脳は25日、イスラム組織ハマスに対して、ガザ地区で拘束している人質を即時に解放するよう求める共同声明を発表しました。

声明はアメリカのほか、ドイツやタイ、それにアルゼンチンなど、ハマスに自国民が拘束されているとする国々がまとめました。

声明では、人質たちは200日以上にわたってガザ地区で拘束されているとして、国際的な懸念事項だとしています。

その上で「われわれは自国民を連れ戻すための仲介努力を強く支持する」とした上で、人質の解放に向けた交渉で提示されている案は、ガザ地区での即時かつ長期的な停戦をもたらし、人道支援の増加を促すと強調しています。

イラン革命防衛隊 イスラエル攻撃で使用の武器をNHKに公開
イランの軍事精鋭部隊、革命防衛隊は、NHKの取材に対して、4月にイスラエルへの大規模な攻撃で使ったとするミサイルや無人機を公開し、軍事力を誇示するとともに、イスラエルが今後イランへの攻撃を行わないようけん制しました。

イランは、シリアにある大使館が攻撃されたことへの報復として、4月13日から14日にかけてイスラエルへの大規模攻撃に踏み切り、その後、19日にはイラン中部で爆発があり、イスラエルの対抗措置だったと伝えられています。

イスラエルへの攻撃を行ったイランの革命防衛隊は25日、首都テヘラン郊外にある国産のミサイルや無人機などの兵器の展示施設をNHKに公開しました。

施設のトップで、みずからも長年ミサイル開発に携わってきた、アリ・バラリ准将は、展示されている兵器のうち、射程1700キロの弾道ミサイル「エマド」と巡航ミサイルの「パベ」、それに2000キロ以上の飛行が可能だとされる自爆型無人機「シャヘド136」などを、今回の攻撃に使ったと説明しました。

一方、事態のエスカレートを防ぐため、最新鋭のミサイルは投入せず、限定的な作戦にとどめたとした上で、「攻撃されないための抑止力を持った戦略を立て、それは達成された。仮に全面戦争となれば、イスラエルは想像もできない全く異なる光景を見ることになるだろう」と述べ、軍事力を誇示しました。

そのうえで「彼らがもう過ちを犯さず、われわれが一発のミサイルも撃たずに済むことが理想だ」と述べ、イスラエルが今後イランへの攻撃を行わないようけん制しました。


革命防衛隊の准将「ミサイル産業の初期には北朝鮮の協力」
革命防衛隊のアリ・バラリ准将は、みずからも、イラン・イラク戦争が続いていた1984年に、同盟関係にあるシリアに派遣されてミサイル技術を学んで以来、イランのミサイル開発に携わってきたといいます。

イランがミサイル開発に力を入れるようになった経緯について、バラリ准将は、当時イランはフセイン政権下のイラクによる旧ソビエト製のスカッドミサイルを使った激しい攻撃にさらされていたとしたうえで、「フセインが攻撃に使ったミサイルに応戦できず、われわれもその必要性を強く感じた」と振り返りました。

そして、スカッドミサイルを北アフリカのリビア経由で30発輸入し、そのうち2発を研究に利用するとともに、北朝鮮の協力を得て技術開発を進めたと説明したうえで、「ミサイル産業の初期の段階では北朝鮮の協力を得たが、今は彼らを助けることができるほどの成熟したレベルにわれわれは達した」と主張しました。

一方、展示施設には、イランが国内などで回収したアメリカ製やイスラエル製の無人機だとするものも並べられ、バラリ准将は「こうした無人機から知見を得て研究し、部品を1つ1つ作り、今や無人機の分野では地域ですぐれた地位を築いている」と述べ、イランの武器の開発能力の高さを誇示しました。

“今回の作戦 低いレベルのミサイルだけで行ったのが重要”
今回、イスラエルへの攻撃に使われたとされる兵器のうち、イランがロシアに供与していると欧米から指摘されている、自爆型無人機「シャヘド136」の性能について、バラリ准将は「ルートは事前に設定され、GPSなどを使ってそのルートを修正しながら標的に到達することができる。費用をかければ捕捉されないステルス性能を持たせることもできるが、今のところわれわれは低コストで運用することを重視している」と説明しました。

その一方で「今回の作戦で重要なのは、利用可能な兵器の中でも最新鋭のミサイルや極超音速ミサイルは使わず、低いレベルのミサイルだけで行ったということだ。より高度な力は温存しており、イスラエルが過ちを犯したときに使われるだろう」と強調しました。

このうち、施設にも展示していた射程2000キロの弾道ミサイル「ホラムシャハル」について、バラリ准将は「3.5トンの弾頭を備えた最も強力なミサイルの1つで、イスラエルを攻撃するためだけに開発されたものだ」と主張しました。

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“イスラエルが大量のテント調達” 地上作戦準備か:米各地の大学で抗議デモ続く

2024-04-26 01:16:17 | イスラエルVSハマス
【25日詳細】ラファ地上作戦 イスラエル国内外で危惧強まる NHK 2024年4月25日 18時48分

イスラエル政府は、多くの住民が避難するガザ地区南部のラファへの地上作戦を強行する構えを見せていますが、作戦を危惧する声は国内外で強まっていて、イスラエル側の対応が注目されています。

“イスラエル政府 人質解放へ新提案検討へ” イスラエルメディア
イスラエル軍は25日もガザ地区に空爆などを行っていて、ガザ地区の保健当局は、これまでに3万4305人が死亡したと発表しています。

イスラエル軍はイスラム組織ハマスの壊滅に向け、およそ120万人の住民が身を寄せるガザ地区南部のラファへの地上作戦を強行する構えを見せていて、住民を別の場所に避難させるための具体的な準備を進めていると伝えられています。

一方、イスラエルの人々からは、いまもハマス側にとらわれている130人以上の人質の解放を優先すべきだとの声が強まっています。

24日も、ハマスが人質の男性の映像を公開したことをきっかけに、エルサレムなどで激しい抗議活動が行われ、「イスラエルは人質も巻き込む軍事作戦を止め、一刻も早く全員の解放を実現すべきだ」などと声を上げていました。

イスラエルのメディアは、こうした批判の高まりを受けてイスラエル政府が25日にも戦時内閣の閣議を開き、人質の解放に向けた新たな提案について検討すると伝えています。

また、アメリカ各地の大学でもイスラエルを非難するデモが相次ぎ、混乱が広がっています。

イスラエルの強硬姿勢に対する国内外からの圧力が強まる中、イスラエルがどのような対応を見せるかが焦点となっています。

“イスラエルが大量のテント調達” 地上作戦準備か ロイター
イスラエル軍は24日もガザ地区各地への攻撃を続け、ガザ地区の保健当局はこれまでに3万4262人が死亡したとしています。

ロイター通信は24日、イスラエル当局者の話として、イスラエルの国防省が南部のラファの住民を別の場所に退避させるために、4万張りのテントを調達したと報じています。

これはイスラエル軍が南部ラファへの地上作戦を始める準備の一環で、今後2週間以内に戦時内閣の閣議を開いて退避計画を承認する見通しだと伝えていて、地上作戦の開始に向け具体的な準備を進めているとの見方が出ています。

また、イスラエル軍は24日、ガザ地区に2つの旅団を新たに配置すると発表し、一部のイスラエルメディアはこれについてもラファへの地上作戦を視野に入れた動きだと伝えています。


米高官 “イスラエル側に地上作戦への懸念訴え続ける”
イスラエル軍が多くの住民が身を寄せるガザ地区南部のラファへの地上作戦を強行する構えを見せる中、アメリカ政府の高官はイスラエル側に引き続き、作戦への懸念を伝えていく考えを示しました。

ロイター通信の報道について、アメリカ ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官は24日の記者会見で、先週イスラエル側とオンライン形式で協議を行ったとしたうえで、「われわれの懸念を話しただけでなく、ラファにおけるハマスの脅威に対処しつつ、イスラエルの長期的な安全を確保するには別の方法があるというわれわれの考えについて話し合った」と述べました。

そして、イスラエル側の高官と比較的近い時期に対面で協議するとの見通しを示したうえで、「今後もわれわれの見解を訴え続ける」と述べて引き続き作戦へ懸念を伝えていく考えを示しました。

米各地の大学で抗議デモ続く
アメリカ各地の大学では、イスラエルによるパレスチナへの攻撃に抗議するデモが続き、先週100人以上が警察に拘束されたニューヨークのコロンビア大学では24日、共和党の下院議長が学長の辞任を求めるなど混乱が広がっています。

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イスラエル軍 ガザ地区北部の住民に退避通告:ナセル病院 少なくとも310人の遺体:イスラエル軍 “ヒズボラ幹部を殺害”

2024-04-25 09:50:17 | イスラエルVSハマス
【24日詳細】ガザ地区 支援物資増加傾向も衛生環境悪化か  NHK 2024年4月24日 19時13分

国連は、イスラエル軍とイスラム組織ハマスとの戦闘が続くパレスチナのガザ地区では、人道支援物資の搬入量が増える傾向にあるとしつつもこれからの暑さに伴って衛生環境が悪化するおそれがあると指摘しました。

イスラエル軍が攻勢を強める構えを見せる中、人道危機がさらに深まることが懸念されています。

ガザ地区 支援物資増加の傾向も衛生環境悪化のおそれ 国連が指摘
イスラエル軍とハマスとの戦闘が続くガザ地区では、およそ170万人が住む家を追われ、イスラエル軍が地区の封鎖を強める中で、食料や飲み水、医療物資が不足しています。

UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関のラザリーニ事務局長は、23日の会見で、人道支援物資を運ぶためにガザ地区に入ったトラックの台数が22日には1日で316台にのぼるなど増える傾向にあり、状況に改善がみられるという認識を示しました。

ただ、UNRWAは、必要な支援を届けるには1日に500台以上が地区に入る必要があるとしています。

また、ラザリーニ事務局長は、多くの住民が避難している地域では、ゴミの処理が大きな課題となっていて、これからの暑さに伴って衛生環境が悪化し、病気がまん延するおそれがあると指摘しました。

一方、イスラエル軍は24日もガザ地区の広い範囲で空爆などを続けていて、ガザ地区の保健当局はこれまでに3万4183人が死亡したとしています。

イスラエル軍は多くの住民が避難する南部ラファへの地上作戦を含めガザ地区への攻勢を強める構えを見せる中、人道危機がさらに深まることが懸念されています。

イスラエル軍 ガザ地区北部の住民に退避通告
ガザ地区でイスラム組織ハマスに対する攻撃を続けるイスラエル軍は23日には北部の町、ベイトラヒヤの一部の住民に指定する場所まで退避するよう通告を出しました。

イスラエル軍はSNSで、この地域からイスラエル側に向けてロケット弾4発が発射されたとして、住民に退避の通告を出したあと、ロケット弾が発射された場所付近のトンネルの坑道や軍事施設などを空爆したとして、映像を公開しました。

映像では、爆発とともに炎と煙が上がる様子が確認できます。

イスラエル軍はガザ地区北部をほぼ制圧したとしていましたが、その後も、ハマスの戦闘員などとのゲリラ戦が続いていて、この地域への攻撃を一層強める構えを示した形です。

ナセル病院 少なくとも310人の遺体
イスラエル軍が今月初めに部隊を撤収させた南部ハンユニスにあるナセル病院では、23日、これまでに少なくとも310人の遺体が見つかったと中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどが伝えています。

これに対し、ロイター通信はイスラエル軍が「根拠がない」と述べた上で「以前パレスチナ人が埋葬した遺体を人質捜索のために調査し、元の場所に戻した」と主張したと伝えています。

ガザ地区ではナセル病院のほかにも地区最大のシファ病院でも多数の遺体が見つかったと伝えられていて、国連人権高等弁務官事務所の報道官は、23日、記者会見で人権高等弁務官の談話として、「ナセル病院やシファ病院の破壊や病院とその周辺で大量の遺体が埋葬されていたのが見つかったことについてぞっとしている」と非難しました。

その上で、「遺体について効果的で透明な、独立した調査を求める」として死亡した原因などについて調査の必要性を訴えました。

イスラエル軍 “ヒズボラ幹部を殺害”
イスラエル軍はイランが支援する隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘を続けていて、23日にはヒズボラの幹部を空爆で殺害したと発表しました。

ヒズボラはこれに対する報復として国境から20キロほど南にある町アッコ近郊のイスラエル軍の基地にドローン攻撃を仕掛けたとして応酬が続いています。

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戦闘開始から200日 ネタニヤフがラファ地上作戦の構え:UNRWAめぐる検証グループの最終報告書 “中立性確保と評価”:ハリバ・イスラエル諜報局長解任

2024-04-24 10:13:25 | イスラエルVSハマス
【23日詳細】イスラエル軍とハマス 戦闘開始から200日  NHK 2024年4月23日 18時42分

去年10月にイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから、23日で200日となります。イスラエル軍は、多くの住民が避難するガザ地区南部ラファへの地上作戦を行う構えを崩しておらず、改めて国際社会から懸念の声が上がっています。

戦闘開始から200日 イスラエル首相 ラファ地上作戦の構え
去年10月7日のハマスによる奇襲攻撃を受けてイスラエル軍とハマスとの戦闘が始まってから、23日で200日となります。

イスラエル軍は23日もガザ地区の広い範囲で空爆などを行っていて、ガザ地区の保健当局は、この24時間で32人が死亡し、これまでの死者は3万4183人に上ると発表しています。

イスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスの壊滅にはガザ地区の最も南に位置するラファでの地上作戦が必要だとしていて、21日の演説でも「今後、数日間でハマスへの軍事的・政治的圧力を強めていく」と述べ、攻勢を強める構えをみせています。

アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは、22日付けの記事で「イランとの緊張が緩和したこともあり、イスラエルはラファへの作戦の準備を進めている」と報じています。

この中で、エジプトの複数の当局者の話として「イスラエルは住民の避難に2、3週間かけたうえで、少なくとも6週間、作戦を続ける見込みだ」と伝えています。


ラファへの地上作戦には国際社会から懸念の声
一方で、多くの住民が避難し、およそ120万人が身を寄せているラファへの地上作戦に対しては、国際社会から懸念の声が上がっていて、イスラエルを支援するアメリカ政府も大規模な地上作戦を避けるよう働きかけています。

EU=ヨーロッパ連合のボレル上級代表も22日「ラファを攻撃しないようあらゆる手段で呼びかけている」と述べるなど改めて懸念を示していて、イスラエル側の対応が焦点となっています。

“住民らの遺体 少なくとも283体” ロイター通信など
イスラエル軍はガザ地区への攻撃を続けていて、22日も地元メディアは南部ラファで26人が死亡したなどと伝えています。

こうした中、イスラエル軍が部隊を撤収させた南部ハンユニスのナセル病院で、敷地に住民らの遺体が埋められているのが見つかり、ロイター通信などは少なくとも283体に上ると伝えています。

これについて、イスラム圏の国や地域でつくるOIC=イスラム協力機構は22日、声明を出し、イスラエル軍による虐殺で戦争犯罪の疑いがあるとして、国際刑事裁判所による捜査などを求めました。

UNRWAめぐる検証グループの最終報告書 “中立性確保と評価”
ガザ地区の人道支援を担っているUNRWAをめぐっては、一部の職員が去年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃に関与したとされる疑惑が出たこと受けて一部の国が資金の拠出を停止し、ことし2月から独立した検証グループが、中立性を確保して活動しているか調査を行っていました。

検証グループを率いるフランスのコロナ前外相は22日、国連本部で記者会見し、最終報告書を発表しました。

報告書では「UNRWAは中立性の原則に重点を置いて相当な数の仕組みや手続きを確立していて、ほかの国連機関やNGOよりも中立性に対するアプローチが進んでいる」と評価しました。

ただ、課題として、内部規則や研修の強化などさらなる取り組みが必要だと指摘しました。

一方で報告書は「イスラエルはUNRWAのかなりの数の職員がテロ組織のメンバーだと主張したが、これまでにイスラエルからはそれを裏づける証拠が提供されていない」としています。

記者会見でコロナ氏は「UNRWAはこの危機的な時期に、ガザでの人道支援で極めて重要な役割を担っている」とした上で「UNRWAがその使命を果たせるよう、国際社会の協力を求める」と訴えました。

米国務省の人権報告書 “ガザ地区の状況 深く憂慮”
アメリカ国務省は、世界の人権状況に関する報告書で、イスラエルとイスラム組織ハマスによる衝突によってガザ地区の人権状況に「非常に憂慮すべき懸念がある」とした上で、イスラエルに対し、自衛権を行使する際は国際法に基づき民間人を保護するための措置をとるべきだと強調しています。

アメリカ国務省は22日、去年1年間の世界の人権状況をまとめた報告書を発表しました。

この中では、イスラエルとイスラム組織ハマスのガザ地区での衝突について「人権をめぐる非常に憂慮すべき懸念を提起し続けている」と指摘しました。

その上でイスラエルに対しては「自衛権を行使する際は、国際法に基づいて軍事作戦を行い、民間人を保護するためのあらゆる措置をとるべきだ」と強調しています。

また、ハマスについては「民間人や民間施設を盾にして、人質の解放を拒否し続けている」と非難しています。

ブリンケン国務長官は記者会見で「国際法違反などの疑いのある事案については国務省内で調査している」と述べ、イスラエルのガザ地区への攻撃をめぐり、アメリカ政府として国際法違反などにあたるかどうか今後、判断する考えを示しました。

イスラエル軍 “ハマスの攻撃を許した” 情報部門トップ辞任発表
イスラエル軍は22日、情報部門のトップを務めるハリバ諜報局長が、去年10月のハマスによる越境攻撃を許した責任をとって辞任することになったと発表しました。

イスラエル国内ではハマスの攻撃を許した政権や軍幹部などの責任を問う声が根強く、諜報局長の辞任により人質の解放が思うように実現できていないネタニヤフ首相への風当たりもさらに強まることが予想されます。

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イラン最高指導者・ハメネイが演説 対抗措置には言及せず

2024-04-23 01:32:25 | イスラエルVSハマス
【22日随時更新】イスラエル首相 “ハマスへの圧力強める” NHK 2024年4月22日 19時13分

イスラエルのネタニヤフ首相は、イランとの対立を深める一方で、「今後、数日間でハマスへの軍事的・政治的圧力を強めていく」と述べるなど、パレスチナ側への攻勢も強める姿勢を改めて示しました。
一方、22日からはユダヤ教の重要な祭日が始まりますが、エルサレムでは車が歩行者に突っ込み、警察がテロ事件として捜査するなど警戒感も広がっています。

エルサレムで歩行者に車突っ込む テロ事件として捜査
22日からはユダヤ教の重要な祭日「過越しの祭り」が始まります。

エルサレムではユダヤ教の教えを厳格に守る「超正統派」と呼ばれる人たちが多く暮らす地区で、22日朝、複数の男性らが路上で立ち話をしていたところに車が突っ込む事件が起きました。

その後、2人組の男が車からおりて銃を発砲しようとしましたが、銃が作動せずその場から立ち去り、警察はテロ事件として捜査していて、祭日の初日を迎える中、警戒感も広がっています。

亡くなった妊婦から赤ちゃん生まれる
イスラエル軍は22日もガザ地区への空爆を続けていて、地区の保健当局は、これまでに3万4000人以上が死亡したと発表しています。

AP通信などによりますと、南部のラファでは20日から21日にかけての空爆で、子ども18人を含む22人が死亡したということです。

死亡した中には妊娠30週目だった女性もいて、病院に搬送されたときすでに亡くなっていましたが、医師らが緊急の帝王切開を行い、女の子の赤ちゃんが生まれたということです。

女の子の容体は安定しているということですが、体重は1400グラムしかなく、現地からの映像には、医師らが女の子を布にくるみ、口から空気を送り込んでいる様子が写っています。

空爆では、女の子の母親だけでなく父親と3歳の姉も亡くなっていて、病院の医師は「女の子は生まれながらにして孤児になってしまい、大きな悲劇だ」と話していました。

ネタニヤフ首相 ハマスへの攻勢強める姿勢改めて強調
ネタニヤフ首相は21日の演説で、イスラム組織ハマスが人質の解放に向けた提案を拒否してきたと主張したうえで、「今後、数日間でハマスへの軍事的・政治的圧力を強めていく。なぜならそれが人質を解放する唯一の方法だからだ」と述べ、ハマスへの攻勢を強める姿勢を改めて強調しました。

ヨルダン川西岸へのイスラエル軍による攻撃について、UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関のラザリーニ事務局長は、「ヨルダン川西岸の状況は日に日に悪化している。イスラエル側の最近の作戦は人命の損失に加え、家屋や公共サービスに深刻な被害をもたらした」とSNSに投稿して、被害状況への懸念を示しました。

ハメネイ氏が演説 対抗措置には言及せず
イランの国営テレビによりますと、21日、最高指導者ハメネイ師が軍の司令官らを前に演説し、イランからの攻撃について「相手は発射されたミサイルの数や命中した数、外れた数を気にしているが、大切なことはイランの国民と軍が世界に向け意志の力を示したことだ」とたたえました。

一方で、イスラエルによるとみられる対抗措置についての言及はなく、今のところイランとしてさらなる反撃に出て緊張を高める考えはないことを示唆しているとみられます。

ただ、イランとイスラエルの間に位置するイラクでも20日、イランの支援を受ける民兵組織の基地で、原因が明らかでない爆発がおきたと伝えられ、中東情勢の緊張が続いています。


イスラエル軍 ガザ地区などへの攻勢続ける
イランとの対立のかたわらで、イスラエル軍はパレスチナ側への攻勢も続けていて、21日もガザ地区南部のラファの中心部などを空爆し、現地にいるNHKのカメラマンも市街地から煙が上がる様子を撮影しました。

ガザ地区の保健当局は21日、この24時間でさらに48人が死亡し、これまでの死者は3万4097人にのぼったと発表しています。

また、イスラエル軍はヨルダン川西岸のトルカレムにも18日から3日間にわたって侵攻して武装勢力と激しい戦闘となり、パレスチナ暫定自治政府は14人が死亡したと発表しました。

トルカレムで撮影された映像では、住宅地が大きく破壊されブルドーザーでがれきの撤去を進めている様子が確認できます。

パレスチナの旗を蹴り倒し爆発「信じられない」
イスラエルやパレスチナのメディアは21日、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地に近い道路脇に立てられていたパレスチナの旗をイスラエル人の男性が蹴り倒したところ、仕掛けられていた爆発物が爆発する様子をとらえた映像を、一斉に伝えています。

映像ではまず、男性が茂みを歩いて旗の方に向かう後ろ姿と、撮影者とみられる女性が「ここに存在しない国のぼろきれを倒しに行く」と話す声が記録されています。

そして男性が旗を蹴り倒した瞬間、爆発が起きて男性が倒れ、女性が「地雷が仕掛けられていた。信じられない」と悲鳴を上げています。

地元メディアは爆発物は地面に埋められており、男性は軽傷ですんだと伝えています。

この映像がいつ撮影されたのかは明らかではありませんが、去年10月にガザ地区でイスラエル軍とイスラム組織ハマスとの戦闘が始まってからは、ヨルダン川西岸でもイスラエル軍の兵士やユダヤ人入植者による住民への暴力事件などが相次いでいます。

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米議会下院 イスラエル支援に約263億ドルの緊急予算案 可決:“イランでの爆発 イスラエルが軍事力誇示でけん制か”

2024-04-22 09:11:33 | イスラエルVSハマス
“イランでの爆発 イスラエルが軍事力誇示でけん制か”


イランとイスラエルの緊張が高まるなか、アメリカ議会下院は、イスラエルへの支援として総額およそ263億ドル、日本円にして4兆円余りの緊急予算案を超党派の賛成多数で可決しました。

米議会下院 イスラエル支援に約263億ドルの緊急予算案 可決
アメリカ議会下院は20日、ウクライナへの追加の軍事支援のための緊急予算案を可決したのに続き、イスラエルを支援する緊急予算案の採決を行い、賛成366票、反対58票の超党派による賛成多数で可決しました。

予算案は総額およそ263億ドル、日本円にして4兆円余りで、イスラエルの防空システムの補充や弾薬の製造能力の強化といった軍事支援、それに人道支援などに充てるとしています。

今後上院でも可決されれば、バイデン大統領の署名を経て成立することになります。

オースティン国防長官は「イスラエルのイランやその関連勢力からの防衛を支援することになる」とコメントしています。イランとイスラエルは緊張が高まっています。

今月13日から14日にかけてイランはイスラエルに向けて大規模な攻撃に踏み切り、イスラエル軍はほとんどを迎撃したとしています。

イランのほかレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラからの攻撃もあり、支援が実現すればイスラエルは防空能力強化などをはかるものとみられます。アメリカ国内ではガザ地区での民間人の犠牲が増え続ける中、イスラエルへの支援に批判的な声もあります。ただ、議会ではイスラエルへの支援を早急に進めるべきだという声が強まっていました。


イスラエル首相「大変ありがたい支援」
イスラエル政府はアメリカ議会下院が、イスラエルへの軍事支援などを含む緊急予算案を超党派の賛成多数で可決したことを歓迎しました。

ネタニヤフ首相は「アメリカ議会は、イスラエルへの強力な超党派の支持を示し、西洋文明を守る、大変ありがたい支援法案を圧倒的多数で可決した」とSNSに投稿し、歓迎しました。

イスラエル軍はガザ地区でのハマスとの戦闘だけでなくレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなどとの戦闘も長期化するなかで弾薬の確保が課題だと指摘されていました。

“イランでの爆発 イスラエルが軍事力誇示でけん制か”米紙
イランでは19日、中部イスファハン州にある空軍基地の近くで爆発があり、数機の小型無人機が撃墜されたと地元メディアなどで伝えられています。

この爆発についてアメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」は、20日、欧米側とイラン側の複数の当局者の話として、イスラエルの攻撃で、イランのイスファハン州内の核施設のある地域を守るための防空システムが被害を受けたとしています。

その上で欧米の当局者は「イスラエルの攻撃はイランの防空システムに探知されることなくシステムをまひさせることができるというメッセージを伝えるためのものだった」との見方を示しています。

イスラエルとイランは、報復とみられる攻撃を続けていますが、双方ともに大規模な武力紛争に発展することは避けたい思惑があるとみられ、イスラエルとしては、高度な軍事力があると誇示しイラン側をけん制したともみられています。

一方、イラクのイスラム教シーア派の民兵組織「人民動員隊」は20日、首都バグダッドからおよそ50キロ南に位置する基地で爆発が起きたとSNSで発表しました。

ロイター通信は、病院関係者の話として、1人が死亡し、6人がけがをしたと伝えています。

イランとイスラエルの攻撃の応酬が続く中、イラクで起きた爆発をめぐっても様々な情報が交錯しており、中東情勢のさらなる不安定化が懸念されています。

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イラクのシーア派民兵基地で爆発:「人民動員隊」:NASA観測データに通常ではみられない温度の熱源

2024-04-21 05:49:36 | イスラエルVSハマス
NASA観測データに通常ではみられない温度の熱源


イランとイスラエルの攻撃の応酬が続く中、両国の間に位置するイラクの民兵組織の基地で、爆発がありました。爆発の原因は明らかになっていませんが、この民兵組織がイランの支援を受けていることから、中東情勢がさらに不安定になることが懸念されています。

※中東情勢に関する日本時間4月20日の動きを随時更新してお伝えします。

イラクのシーア派民兵基地で爆発
イランが支援するイラクのイスラム教シーア派の民兵組織「人民動員隊」は20日、首都バグダッドからおよそ50キロ南に位置する基地で爆発が起きたとSNSで発表しました。

ロイター通信は、病院関係者の話として、1人が死亡、6人がけがをしたと伝えています。

爆発の原因は明らかになっていませんが、イランのメディアは、イラク当局者の話として、ミサイル攻撃だった可能性があると伝えています。

イラクのテレビ 爆発現場とされる映像伝える
イラクのテレビは、爆発があった首都バグダッドの南方の基地で撮影したとする映像を伝えました。

映像では、地面に金属片が散らばり、何かが燃えている様子が写っているほか、地面に大きなクレーターができ、近くの建物が大きく損壊しているのが確認できます。また映像には、クレーターなどが大きな爆発によるものだと話す音声も入っています。

「人民動員隊」とは
「人民動員隊」は2014年、イラク国内で過激派組織IS=イスラミック・ステートが台頭する中、ISに対抗するためにイラクの正規軍とは別に、イスラム教シーア派の民兵組織を中心に編成されました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」の報告は、「人民動員隊」の指揮官のほとんどがイランの支援を受けている民兵組織の幹部だと指摘していて、イランの強い影響下にあるとみられます。

2020年アメリカ軍がイラクの首都バグダッドへの攻撃で、イランの精鋭部隊「革命防衛隊」のソレイマニ司令官を殺害した際には、当時の「人民動員隊」の副代表も殺害されました。

NASA観測データに通常ではみられない温度の熱源
NASA=アメリカ航空宇宙局の人工衛星が日本時間の20日午前7時すぎに観測した地上の熱源のデータによりますと、イラクの首都バグダッドからおよそ50キロ南の地点で通常ではみられない温度の熱源が観測されました。周囲の状況から、熱源が観測されたのは爆発が起きたとされる基地付近とみられます。

アメリカ中央軍「イラクで空爆行っていない」
今回の爆発についてアメリカ中央軍は「アメリカがイラクで空爆を行ったとする情報が出ているのは承知しているが、真実ではない。きょうアメリカはイラクで空爆を行っていない」と発表しています。

また、アメリカのCNNテレビはイスラエル当局者がイスラエルはこの爆発に関与していないと述べたと伝えました。

イランでの爆発 イスラエルが対抗措置か
イランの複数のメディアは、19日、中部のイスファハン州にある空軍基地の近くで爆発があり、複数の小型無人機が撃墜されたと伝えました。

これについてイスラエルは何も発表していませんが、アメリカの複数のメディアはアメリカやイスラエルの当局者の話としてイスラエルによる攻撃だと伝えています。

このうちABCテレビはアメリカ政府高官の話として、イスラエルがイランの大規模攻撃に対する対抗措置として複数のミサイルで攻撃したと報じたほか、ワシントン・ポストはイスラエル当局者の話として「イスラエルにはイラン国内を攻撃する能力があることを伝える意図があった」としています。

また、イタリアで開かれていたG7=主要7か国の外相会合のあと、議長国イタリアのタヤーニ外相は「アメリカは直前に知らされていた」と述べ、イスラエルがアメリカ側に直前に通告していたことを明らかにしました。

一方、イランのアブドラヒアン外相は「撃墜された無人機はいかなる被害ももたらさなかった」とした上で、「もしイスラエルがイランの国益に対してまた行動を起こすなら、イランは直ちに断固とした対応をとる」とイスラエルをけん制し、予断を許さない状況が続いています。

米ホワイトハウス報道官 “イランの爆発 コメントはない”
アメリカ・ホワイトハウスのジャンピエール報道官は19日、記者会見で、アメリカの複数のメディアがイラン中部であった爆発はイスラエルによる攻撃だと伝えていることについて「中東からの報道に多くの関心が集まっていることはわかっているが、現時点でコメントはない」と述べるにとどめました。

その上で「一般的なことを言えばわれわれは当初から紛争がエスカレートするのを望んでいないと明確にしてきた」と述べました。

ジャンピエール報道官は会見中、イスラエルの対抗措置に関連する質問を記者団から繰り返し受けましたが、一貫して具体的な発言を避け、中東地域での緊張の高まりにつながらないよう慎重な対応に徹したとみられます。

米国防長官とイスラエル国防相が電話会談
一方、アメリカ国防総省のライダー報道官は、19日オースティン国防長官とイスラエルのガラント国防相が電話で会談したと発表しました。

声明でライダー報道官は会談で両者が「地域の安定を維持するための取り組みについて話し合った」としていますが、アメリカの複数のメディアがイスラエルによる攻撃だと伝えているイラン国内での爆発について協議したかどうかは明らかにしていません。

両者はまたガザ地区をめぐる情勢や、ガザの民間人への人道支援を加速させるための方策についても話し合ったということです。

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パレスチナ加盟 国連安保理で採決 アメリカが拒否権行使し否決:イスラエル シリアにもミサイル攻撃か

2024-04-20 06:55:41 | イスラエルVSハマス

ガザ地区での戦闘が続く中、パレスチナを国連の正式な加盟国とするよう勧告する決議案が、安全保障理事会で採決にかけられ、理事国15か国のうち日本を含む12か国が賛成しましたが、アメリカが拒否権を行使して否決されました。

また、アメリカの複数のメディアは政府当局者の話として、イスラエルがイランを攻撃したと伝えていて、イランの大規模攻撃に対する対抗措置に踏み切ったものとみられます。

国連安保理で採決 アメリカが拒否権行使 否決
パレスチナは現在、国連で加盟国ではない「オブザーバー国家」の地位にありますが、ガザ地区で戦闘が続く中、将来のパレスチナ国家の樹立とイスラエルとの「2国家共存」への道筋をつくるべきだとして、アラブ諸国を代表してアルジェリアが、正式な加盟を勧告する決議案を安保理に提出していました。

国連への加盟が認められるには、安保理で勧告の決議が採択された上で、総会で3分の2以上の賛成を得る必要があります。

18日午後、日本時間の19日に行われた採決の結果、理事国15か国のうち日本やフランスなど12か国が賛成しましたが、イギリスとスイスが棄権し、アメリカが拒否権を行使して決議案は否決されました。

賛成した国のうち、日本の中東和平担当特使の上村政府代表は、ガザ地区の厳しい状況に言及した上で、「当事者間の平和的な交渉を通じてパレスチナ国家の樹立を促すという観点に立って賛成した」と説明しました。

一方、アメリカのウッド国連次席大使は、拒否権を行使した理由について、「決議案が想定するパレスチナ国家と不可分なガザ地区で、いまもテロ組織のハマスが権力と影響力を行使している」などと述べ、あくまでもイスラエルとパレスチナの直接交渉による解決が必要だと強調しました。


“イスラエルがイランを攻撃” 対抗措置か 米メディア
アメリカの複数のメディアは政府当局者の話として、イスラエルがイランを攻撃したと伝え、4月13日から14日にかけてのイランの大規模攻撃に対する対抗措置に踏み切ったものとみられます。

一方、イランのメディアは、イラン中部のイスファハン州で爆発音があり、無人機を迎撃したものだと伝えていて、核施設を含めた重要施設に被害は出ていないとしています。

エジプト 双方に自制を呼びかける声明
ガザ地区で戦闘が続くイスラエルとイスラム組織ハマスとの交渉で、仲介役を担っているエジプトの外務省報道官は19日、声明をSNSで発表しました。

このなかで、「エジプトはイランとイスラエル双方による、緊張の高まりに懸念を示す。紛争拡大の危険性と地域の不安定化を避けるため、両国に対して、最大限の自制を求める」などとして、これ以上、攻撃の応酬を行わないよう双方に自制を呼びかけました。

そのうえで、「エジプトは緊張緩和のため引き続き、関係国との連携を続ける」と投稿しました。

イスラエル シリアにもミサイル攻撃か
シリアの国営通信は19日、軍関係者の話として「午前2時55分ごろ、シリア南部の空軍施設に対して、イスラエル軍がミサイル攻撃を行い、物的な被害がでている」と伝えました。
シリアでは、4月1日に首都ダマスカスにあるイラン大使館が攻撃を受け、今回の事態の発端となったほか、イスラエル軍はイランの支援を受ける民兵組織の関連施設などをたびたび空爆しています。

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イスファハン空港や空軍基地が近くにある地域 → イラン中部のイスファハン州で爆発音が聞こえた!

2024-04-19 14:16:27 | イスラエルVSハマス
【速報中】“イラン中部 空軍基地近くで爆発音” 現地メディア NHK 2024年4月19日 11時26分

イランの体制寄りのメディア、ファルス通信は19日、イラン中部のイスファハン州で爆発音が聞こえたと伝えました。

今のところ、爆発の詳しい状況や理由はわかっていないとしています。

ファルス通信は、地元の関係者の話として、爆発音が聞こえたのは、イスファハン州の北西で、イスファハン空港や空軍基地が近くにある地域だとしています。

イランと敵対するイスラエルはイランによる大規模攻撃を受けて対抗措置を取る構えを見せていました。

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米国が拒否権を行使:国連安全保障理事会はパレスチナの国連への正式加盟を求める決議案を否決

2024-04-19 11:33:29 | イスラエルVSハマス
国連安保理、パレスチナ正式加盟決議案を否決…米国が拒否権  読売新聞 2024/04/19 06:35

【ニューヨーク=金子靖志】国連安全保障理事会は18日夕(日本時間19日午前)、パレスチナの国連への正式加盟を求める決議案を採決し、否決した。米国が拒否権を行使した。15理事国のうち、日本や仏韓など12か国が賛成し、英国とスイスが棄権した。

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ネタニヤフ「自衛のために必要なことは何でも行う」と述べ強硬な姿勢:UNRWA事務局長「ガザ地区で人為的な飢きん厳しさ増す」:

2024-04-19 01:12:30 | イスラエルVSハマス
UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関のラザリーニ事務局長



イランによる大規模攻撃を受けたイスラエルの対抗措置が焦点となる中、ネタニヤフ首相は「自衛のために必要なことは何でも行う」と述べ強硬な姿勢を示しています。
こうした中、ガザ地区では依然戦闘が続いています。

UNRWA事務局長「ガザ地区で人為的な飢きん厳しさ増す」
ガザ地区では依然戦闘が続いていて、UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関のラザリーニ事務局長は、17日の国連安全保障理事会で「ガザ地区全域で人為的な飢きんが厳しさを増している。特に北部では子どもが栄養失調で命を落としている」と述べ、人道支援の拡大を訴えました。

国際社会の関心がイスラエルとイランとの対立に向かう中、ガザ地区での戦闘を休止し、人道状況の悪化を食い止められるかが課題になっています。


G7外相会合 即時かつ持続可能な停戦求めることを確認か
イタリアで開かれているG7=主要7か国の外相会合は、イランによるイスラエルへの大規模な攻撃を受けた対応などについて討議が行われています。

また、ガザ地区の状況をめぐっては、ハマスなどによるテロ攻撃を非難したうえで、危機的な人道状況を改善するため、即時かつ持続可能な停戦の実現を求めることを確認する見通しです。

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イスラエル「三つ巴内部対立」状態か:ネタニヤフ、ガラント、ガンツの3人 → ガザ地区での軍事作戦などを巡って意見対立

2024-04-18 09:48:46 | イスラエルVSハマス

イスラエルのガラント国防相


イランの大規模攻撃をうけて、イスラエル政府は対抗措置を検討していますが、地元メディアは、「反撃の時期は、まだ決まっていない」と伝えています。

国際社会が自制を求める中、イスラエルの対抗措置が、いつ、どのような形になるのかが、焦点となっています。

“反撃方法を決めたが 時期は未定” イスラエルメディア
多数のミサイルと無人機を使った大規模な攻撃を受けたことに対し、イスラエルは、イランへの対抗措置の検討を続けています。

この対抗措置については、戦時内閣が協議していますが、意見の対立も伝えられ、イスラエルのメディア、「エルサレム・ポスト」の電子版は16日、複数の関係者の話として、「イスラエル軍は、イランと、イランが支援する勢力への反撃の方法を決めたが、時期はまだ決まっていない」と伝えています。

対抗措置の具体的な内容については触れていませんが、週明けから、ユダヤ教の重要な祭日、「過越しの祭り」が始まり、およそ1週間にわたって続くことから、反撃は差し迫っていないという見方も伝えています。

国際社会が自制を求める中、イスラエルの対抗措置が、いつ、どのような形になるのかが、焦点となっています。

イスラエルのガラント国防相は、16日、北部の国境地帯の部隊を訪れ、「中東の空は開かれていてわれわれの空軍機はあらゆる場所で活動している。われわれと戦う敵はどこにいようと攻撃を受けることになる」と述べ、中東各地で活動するイランが支援する勢力も攻撃の対象になると示唆しました。

イラン大統領 イスラエル攻撃は “抑制された作戦だった”
イランのライシ大統領は17日、軍の記念日に合わせた軍事パレードで演説しました。

この中で、イスラエルへの攻撃について「抑制された作戦だった。より大規模に行っていればイスラエルには何も残っていなかっただろう」と述べました。

その上で、「われわれの領土と国益に対するいかなる攻撃にも厳しく対処する」と述べ、イスラエルへの強硬姿勢を強調しました。

日系企業の駐在員ら イラン国外へ退避の動き
イランとイスラエルの間で緊張が高まる中、イランでは、日系企業の駐在員らが国外に退避する動きが進んでいます。

現地の日本大使館によりますと、イラン国内には、およそ450人の日本人が暮らしています。

イランが大規模攻撃を行って以降、イスラエルによる対抗措置を懸念して、現地に拠点を置く日系企業の駐在員やその家族を中心に、周辺国や日本へ退避する動きが進んでいるということです。

イスラエル報道官 “対応しないわけにはいかない”
イランがイスラエルに向けて多数のミサイルと無人機を使った大規模な攻撃を仕掛けたことを受け、イスラエル政府は対抗措置を検討しているものとみられます。

イスラエル軍のハガリ報道官は16日、「イランの攻撃に対応しないわけにはいかない。われわれが決めた時期と場所で行動をする」と述べて、あくまでも対抗措置を辞さない姿勢をアピールしました。

アメリカのNBCテレビはアメリカ政府の当局者の話として、シリアにあるイランが支援する勢力の軍事施設を攻撃する可能性があるという見方を伝えています。

一方でCNNテレビは関係者の話として、イスラエルがイラン国内への限定的な攻撃を検討しているという情報があると伝えるなど、さまざまな選択肢が取り沙汰されていて、イスラエル側がどのような対応をするか予断を許さない状況です。

“イスラエル戦時内閣のメンバーで意見対立” 米紙報道
ロイター通信は、3度目の戦時内閣の閣議が17日に延期されたと伝えています。

アメリカの有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルは16日、イスラエルの戦時内閣のメンバーであるネタニヤフ首相とガラント国防相、それにガンツ前国防相は互いに信頼していないとして、ガザ地区での軍事作戦などを巡って意見が対立していると伝えています。

その中で、イランにどう対抗措置をとるかという大きな決断を迫られていると対応の難しさを伝えています。


対抗措置 同盟国と関係損なうなら「反対」74%
イスラエルの複数のメディアは16日、ヘブライ大学の世論調査の結果としてイランによる大規模攻撃へのイスラエルの対抗措置について、回答者の74%が同盟関係にある国々との関係を損なうのであれば反対すると答えたと伝えました。

「タイムズ・オブ・イスラエル」によりますと、この世論調査はヘブライ大学が今月14日と15日にインターネットと電話で実施し、1400人余りが対象となったということです。

イランへの対抗措置について、同盟関係にある国々との関係を損なうのであれば反対すると答えた人は74%にのぼったとしています。

一方、同盟関係にある国々との関係を損ねたとしても対抗措置に賛成すると回答したのは26%だったとしています。

また、持続可能な防衛態勢を確保するため、同盟関係にある国々からの政治や軍事面の要求に積極的に応じるべき、と回答したのは56%にのぼったとしています。

米高官 “数日中にイランに対し新たな制裁科す計画”
アメリカ・ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は16日、声明を発表し、イランによるイスラエルへの大規模攻撃を受けて、数日中にアメリカとしてイランに対して新たな制裁を科す計画を明らかにしました。

制裁対象としてはミサイルや無人機の開発を含むほか、革命防衛隊や国防当局を支援する団体をあげています。

そして同盟国や友好国も、近くイランに対して独自の制裁を科すことを見込んでいるとしています。

また、イランのミサイルや無人機による攻撃の有効性を低下させるため、中東地域で、ミサイル防衛と早期警戒システムの強化に取り組むと強調しました。

プーチン大統領 “新たな対立 防ぐこと望む”
ロシアのプーチン大統領は、イランのライシ大統領と電話で会談し、「地域全体に破滅的な結果をもたらす新たな対立を防ぐことを望む」と述べ、すべての当事者に自制を求めました。

イランがシリアにある大使館が攻撃を受けたことへの報復だとして、イスラエルに大規模な攻撃を仕掛け、中東で緊張が高まる中、ロシアのプーチン大統領は16日、イランのライシ大統領と電話で会談しました。

ロシア大統領府によりますと、この中でプーチン大統領は「すべての当事者が合理的な自制を示し、地域全体にとって破滅的な結果をもたらす新たな対立を防ぐことを望む」と述べました。

これに対しイランのライシ大統領は「イランの行動は必要に迫られたもので、かつ限定的なものだった」と強調すると同時に「イランはこれ以上緊張を高めるつもりはない」と述べたということです。

ロシアは、おととしウクライナへの軍事侵攻を開始してから、イランとの間で軍事的な連携を強めています。

英スナク首相 “冷静さを保つべき”
イギリスの首相官邸はスナク首相が16日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談したと発表しました。

それによりますと、スナク首相は、イスラエルの安全と周辺地域の安定を支持すると伝え、これに対してネタニヤフ首相は、イランがイスラエルに向けて発射した無人機をイギリス軍の戦闘機が撃墜したことに感謝の意を示しました。

さらにスナク首相は、イランは今回の攻撃で国際的に孤立を深めたと指摘するとともに、ネタニヤフ首相に対し事態をエスカレートさせる行為は誰の利益にもならず、中東の治安を悪化させるだけで、冷静さを保つべきだと強調したということです。

一方でスナク首相は、パレスチナのガザ地区の人道危機について重大な懸念を抱いているとした上で、支援物資を搬入するための新たなルートをできるだけ早く開けるなどの対応をとるようイスラエル側に注文をつけたということです。

独ショルツ首相 “エスカレーション止めるための行動を”
中国を訪れていたドイツのショルツ首相は16日、習近平国家主席や李強首相との一連の会談を締めくくる北京で開いた会見で、イランによるイスラエルへの大規模攻撃についても会談で取り上げたとした上で「この状況の中であらゆる国がこれ以上のエスカレーションを止めるため行動することが特に重要だ」と述べ、緊張の緩和に向け中国の役割にも期待を示しました。

一方、中国外務省によりますと、習主席とショルツ首相が中東パレスチナのガザ地区の情勢について、事態の拡大を防ぐべきだという認識で一致したということです。

中東情勢をめぐって、ドイツのベアボック外相は16日、首都ベルリンで開いた記者会見で中東地域の緊張を緩和するためとして、イスラエルを訪問することを明らかにしました。

ドイツ外務省によりますと、ベアボック外相は、17日、ネタニヤフ首相やカッツ外相などと会談を予定しているということです。

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“100万人以上の女性の命が脅かされる状況に” 国連:ハマスが、戦闘休止と引き換えに解放する用意ができている人質の数を、20人以下と主張

2024-04-18 04:23:14 | イスラエルVSハマス

ガザ地区での戦闘の休止や人質の解放をめぐる交渉について、双方の立場は隔たったままで、交渉の行方はいっそう不透明さを増しています。

一方、国連の機関は、この半年間に、パレスチナ人の女性1万人以上が亡くなったとする推計を公表しました。

“100万人以上の女性の命が脅かされる状況に” 国連
女性の地位向上などを目指す国連の機関「UN Women」は16日、ガザ地区で去年10月にイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まって以降、この半年間に、パレスチナ人の女性1万人以上が亡くなり、このうち6000人が子どものいる母親だとする推計を公表しました。

また、1万9000人の子どもたちが、親を亡くして孤児になったとみられるとしています。

さらに、ガザに住む100万人以上のパレスチナ人女性が、食料や安全な飲み水、それに、トイレや水道もほとんど使えず、生命のリスクに直面しているとしています。

そして、「わたしたち女性は、生活の基本的なニーズすら満たすことができない。食料も、安全な水も、トイレも、生理用品もなく、シャワーを浴びることも、服を着替えることもできない」というガザ地区の女性の切実な声も紹介しています。

ガザ地区戦闘休止交渉 ハマス解放の人質の数などで主張対立か
ガザ地区での戦闘の休止や人質の解放をめぐる交渉について、イスラエルのメディアは、イスラム組織ハマスが、戦闘休止と引き換えに解放する用意ができている人質の数を、20人以下と主張していると報じました。

仲介国などからハマス側に提示された案では40人を解放するとされていたことから、「ハマス側は合意を望まず、地域紛争の激化を求めている」とするイスラエル当局者の話などを伝えています。

ハマスは、イスラエル軍のガザ地区からの撤退などを伴う完全な停戦を求めていて、双方の立場は隔たったままで、交渉の行方はいっそう不透明さを増しています。


イスラエル イランへの対抗措置を検討
イランの大規模攻撃をうけて、イスラエル政府は対抗措置を検討していますが、地元メディアは、「反撃の時期は、まだ決まっていない」と伝えています。

国際社会が自制を求める中、イスラエルの対抗措置が、いつ、どのような形になるのかが、焦点となっています。

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イスラエルは、イランの国内ではなくシリアにあるイランが支援する勢力が武器などを保管する施設を攻撃する可能性がある

2024-04-16 23:56:40 | イスラエルVSハマス

イランによる大規模攻撃を受けてイスラエルの対応が焦点となる中、軍のトップが「反応することになるだろう」と述べ、対抗措置をとる考えを示しました。
一方、イランのライシ大統領は「イランの国益に反するいかなる措置に対しても厳しく対処する」と述べ、緊張した状況が続いています。

イスラエル軍トップ「領内への攻撃には反応することになる」
イスラエル軍トップのハレビ参謀総長は15日、イランの弾道ミサイルが着弾した南部のネバティム空軍基地を訪れ「われわれは次のステップを検討している。イスラエル領内への数多くのミサイルや無人機による攻撃には反応することになるだろう」と述べ、イランの攻撃に対して何らかの対抗措置をとる考えを示しました。

一方、イランのライシ大統領は15日、カタールのタミム首長と電話で会談し、イスラエルの対抗措置を念頭に「イランの国益に反するいかなる措置に対しても厳しく、大規模に反応することを明確にしておく」と述べ、イスラエルをけん制し、両国の間で緊張した状況が続いています。

米メディア “イスラエル シリア内の施設攻撃の可能性”
アメリカのNBCニュースはアメリカ政府の当局者の話として、イスラエル国内の被害が限定的だったことから、イスラエルは、イランの国内ではなくシリアにあるイランが支援する勢力が武器などを保管する施設を攻撃する可能性があるという見方を伝えています。


IAEA事務局長 “イラン核施設への対抗措置を懸念”
こうした中、IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は15日、記者団からイスラエルの対抗措置の標的がイランの核施設になる可能性を問われたのに対し「常にその可能性を懸念している。最大限の自制を呼びかけている」と述べました。

“対抗措置 目的は全面戦争ではない” イスラエルメディア
イランがイスラエルに向けて多数のミサイルと無人機を使った大規模な攻撃を仕掛けたことを受け、イスラエルでは15日、ネタニヤフ首相が2日連続で戦時内閣の閣議を開きました。

イスラエルのメディアは「さまざまなレベルの対抗措置が戦時内閣の議論のテーブルにあがっているが、目的はイランを痛い目にあわせることで、全面戦争ではない」と報じています。

またアメリカの有力紙、ワシントン・ポストは15日、当局者の話として「ネタニヤフ首相は軍に対し標的の選択肢を提出するように求めた」としたうえで、「イスラエルはイランにメッセージを伝えつつ死者を出さない選択肢を検討している」と報じています。

具体的な選択肢については、サイバー攻撃やイランの石油施設への攻撃などが取り沙汰されていて、イスラエルがいつどのような対抗措置をとるかが焦点となっています。

イラン外相 イスラエルを改めてけん制
イラン外務省は15日、アブドラヒアン外相がイギリスのキャメロン外相と電話で会談し、イランが、大使館を攻撃されたことの報復として、イスラエルに大規模な攻撃を行ったことなどについて、意見を交わしたと発表しました。

会談の中で、アブドラヒアン外相は「イランはこの地域で緊張が高まることを望んでいない。ただ、イスラエルが危険を冒すのならば、イランは直ちにより強く、より大規模な対応をとるだろう」と述べ、イランへの対抗措置を検討するイスラエルを改めてけん制しました。

米大統領補佐官 “対抗措置の決定過程に関与しない”
イランがイスラエルに向けて多数のミサイルと無人機を使った大規模な攻撃を仕掛けたことを受け、イスラエルでは2日連続で戦時内閣の閣議が開かれ、イランへの対抗措置の内容や時期について意見が交わされているとみられます。

これについてアメリカ ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は15日の記者会見で、「イランが行ったことに対して対抗措置をとるかどうかや、どのように行うかは、イスラエルが決めることだ。われわれは決定過程に関与しない」と述べました。

その上で「われわれはイランとの戦争やより広範な地域での紛争は望んでいない」と述べて、中東地域での紛争の拡大は望んでいないと強調しました。

またカービー補佐官は、今回のイランによる大規模攻撃を受けて、G7=主要7か国の間でイランへの新たな制裁を協議しているほか、メンバー国がイランの革命防衛隊を「テロ組織」に指定することを検討していると明らかにしました。

一方、カービー補佐官は、イランによる攻撃の前に、アメリカとイランの間でメッセージのやりとりはあったものの、攻撃が行われる時期や標的などの詳細についての通告はなかったと説明しました。

米メディア “イランの事前通告 UAEとサウジがアメリカに伝達”
アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルの電子版は15日、イランがイスラエルへの大規模攻撃の2日前に、サウジアラビアなどの周辺国に対して作戦の概要や時期について事前に通告していたと報じました。

これらの情報はUAE=アラブ首長国連邦とサウジアラビアによってひそかにアメリカにも伝達され、アメリカとイスラエルにとって重要な事前警告となったとしています。

さらに、アラブ諸国は領空を戦闘機に開放したりレーダーの追跡情報を共有したりしたということで、こうした協力もあって、イランからのミサイルと無人機をほとんど迎撃することが可能になったと分析しています。

また情報共有などの支援をめぐっては、イランが報復を宣言したあと、アメリカの政府高官がアラブ諸国に要請しはじめたと、サウジアラビアやエジプトの当局者の話として伝えています。

各国は紛争への直接的関与につながるなどとして、当初、慎重な姿勢を示しましたが、その後、アメリカとの協議の結果、UAE=アラブ首長国連邦とサウジアラビアが情報共有に、そして地理的にイスラエルとイランの間に位置するヨルダンが、自国の軍による迎撃支援やアメリカや他国の戦闘機が領空を使用することに同意したということです。

中国 王毅外相 イランを擁護 “報復攻撃は自衛権の行使”
中国外務省は、王毅外相とイランのアブドラヒアン外相が15日、電話で会談したと発表しました。

この中で王外相は、シリアにあるイラン大使館が攻撃されたことについて「国際法の重大な違反であり、受け入れられない」と非難し、イランによるイスラエルへの報復攻撃は「限度のある行動をとっており、自衛権の行使だ」として、イランを擁護する立場を明らかにしました。

一方で、王外相は「イラン側が主権と尊厳を守ると同時に、さらなる事態の不安定化を避けることができると信じている」と述べ、事態の収束に向けた対応をイラン側に求めるとともに、両国関係を一段と強化する考えも示しました。

中国外務省によりますと、会談でアブドラヒアン外相は「中東地域の情勢は緊迫しており、イランとしては自制を保ち、状況をさらにエスカレートさせる意図はない」と述べたということです。

中国外務省は、王外相が15日にサウジアラビアのファイサル外相とも電話で会談し、中東地域の緊張がこれ以上高まることのないよう協力を確認したことも、発表しました。

中国としては、イランへの対抗措置を検討するイスラエルをけん制するねらいがあるとみられます。

上川外相 イラン外相に自制強く求める
イランによるイスラエルへの大規模な攻撃を受けて、上川外務大臣は16日、イランのアブドラヒアン外相と電話で会談し、事態をエスカレートさせたことを強く非難し、自制するよう強く求めました。

会談は日本側から呼びかけたもので、午後2時半から、およそ50分間行われました。

この中で、上川大臣は「今回の攻撃は中東情勢をいっそう悪化させるもので深く懸念しており、このようなエスカレーションを強く非難する」と伝えたうえで、さらなる緊張の高まりを防ぐため自制するよう強く求めました。

また、中東地域の海洋での航行の安全の確保や、イランに滞在するおよそ400人の日本人の安全確保に協力を求めました。

両外相は意思疎通を継続していくことで一致しました。

上川大臣は、会談の後の記者会見で「これまでのところ、日本人の生命・身体に被害が及んでいるという情報には接していない。引き続きハイレベルでの働きかけを含め、必要なあらゆる外交努力を行っていく」と述べました。

イスラエル外相とも電話会談 自制求める
これに続いて、夕方には、イスラエルのカッツ外相とも電話で会談しました。

会談は日本側から呼びかけたもので、上川大臣は、イランの攻撃に対する日本の立場を伝えました。

そのうえで「これ以上の緊張の高まりは制御不能な状況となりかねず、国際社会全体の利益にならない」として、イスラエルに対しても自制するよう強く求めました。

また、深刻化するガザ地区の情勢をめぐり、持続可能な停戦につながる行動をとるよう改めて求めました。

一方、上川大臣は今週イタリアで開かれるG7=主要7か国の外相会合に出席するため、16日夜、出発することを発表しました。

上川大臣は「中東では事態の緊迫度が高まっており、グローバルな視点から率直で突っ込んだ議論を行い、G7の結束をさらに強めたい」と述べました。

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