野球・ソフトボールで使用場面の内部イメージ図 ©読売新聞
ラグビー・アメリカンフットボール・サッカーで使用場面の内部イメージ図 ©読売新聞
コンサートで使用場面の内部イメージ図 ©読売新聞
巨人、築地に移転? 32年開業予定5万人収容スタジアム 開場36年、東京ドームの老朽化懸念― スポニチ Sponichi Annex 社会 2024年4月20日 04:50
東京都は19日、東京都中央区の旧築地市場の跡地を再開発する事業社が、三井不動産を中心としたグループに決まったと発表した。計画案では、約5万人を収容可能なスタジアムなどを建設予定。企業グループの中には読売新聞グループもあり、プロ野球・巨人の新たな本拠地となる可能性もある。三井不動産が発表したイメージ図にも野球場が描かれている。
再開発区域は、隅田川に面した約19ヘクタールの都有地。一般定期借地権で事業者に70年間貸し付ける。計画案によると、スタジアムは全天候・超多機能型施設で、コンサートや大規模展示会の開催も想定。他にも空飛ぶ自動車の発着場やオフィス棟、ホテル棟などを設ける予定。大部分の施設は2032年度に開業予定で、市場移転から6年、新たな街づくりが動き出す。
現在、巨人の本拠地である東京ドームは老朽化が懸念されており、移転先に注目が集まっていた。東京・水道橋にある東京ドームは1988年に開場し、36年たっている。また巨人は東京ドームに年間で25億円と言われる賃貸料に加え、グッズ収入などのロイヤルティーも支払っている。それらを全て解消できるのが、スタジアムが建設される今回の築地市場の跡地への移転だ。今回の再開発計画に携わる関係者は「今年、巨人は球団創設90周年。自前の球場で100周年を迎えることを目指している」と明かした。
旧築地市場の再開発を巡っては、2017年に小池百合子都知事が「食のテーマパーク」の建設をぶち上げたが立ち消えとなっていた。巨人の築地新球場構想も浮上していたが、今回ようやく動き出した形だ。
今回の計画が軌道に乗れば、東京の新たな大型観光スポットになるのは間違いない。ただ近隣には大きな駅はなく、新橋駅や東京駅といった大規模な駅からは距離がある。人の動線の問題が、新たな街づくりの課題となる。
野球・サッカー・コンサート、変幻自在のスタジアム…築地新拠点で誰もが感動共有 読売新聞 2024/04/19 22:55
東京都が19日、事業予定者を発表した築地市場跡地(中央区)の再開発。中核施設となるマルチスタジアムは、変幻自在に内部の形が変わるのが特徴だ。国内の既存施設に不足しているVIPルームなど迎賓機能を充実させ、新次元の多目的施設として、世界中から多彩なイベントを呼び込む。
事業予定者によると、同スタジアムは、可動席や仮設席を活用し、世界的にも珍しい「可変性」と「多機能性」を目指す。約5万人収容を基本にしながら、2万~5万7000席に変化。目的に応じてフィールドと客席が形を変え、観客にとって常に最適な観戦体験と環境を提供できる。
ラグビー・アメリカンフットボール・サッカーで使用場面の内部イメージ図
屋根のある全天候型で、野球やサッカー、ラグビー、バスケットボールといった多様なスポーツにとどまらず、音楽ライブや大規模展示、演劇の際にも、専用施設と同様の迫力を感じることができる。
コンサートで使用場面の内部イメージ図
最先端のデジタル技術と音響・演出装置を導入し、臨場感や高揚感、没入感を高める工夫を凝らす。海外の賓客も受け入れられるよう、様々なタイプのVIPルームを用意し、国内最大規模のラウンジも備える予定だ。
誰もが利用しやすいようユニバーサルデザインも徹底する。性別、年齢、障害の有無に関わらない「感動体験の共有」を基本理念に掲げ、常設の車いす席を多数設置するほか、視覚や聴覚など感覚過敏の症状がある人らが安心して過ごせる「センサリールーム」や「クールダウン室」を設ける。視覚・聴覚障害者向けに音声・文字情報の提供も想定している。
国内に多目的のスタジアムやアリーナは多数あるが、観客席からフィールドが遠かったり、VIPルームや障害者向けの設備が足りなかったりする課題がある。スポーツ庁は「多様な利用シーンを実現するための仕様・設備が必要」と改革を促している。
新たなスタジアムはこうした課題を克服したうえで、世界中から大規模イベントや一流アーティストを誘致していく。