中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

巨匠のシベリウス

2024-03-06 22:18:00 | 山形交響楽団
 2月よりも寒い3月。例年と大差ないはずなのですが、もっと暖かくなると思っていたのに寒くなると、余計に寒い気がする。…花粉がわりとおさまっているのはありがたいことですが。

 さて、今週の山響は週末の定期演奏会。オッコ・カム氏の指揮で、シベリウス「第1番」をメインに、山響の団員をソリストとして、ニールセン「フルート協奏曲」、サッリネン「交響曲第2番」。これは打楽器の協奏曲と言ってもいい作品です。

 コロナによる指揮者交代などもあったので、前回からずいぶん間があいて登場のオッコ・カム氏。

 合わせどころが掴みづらいシベリウスですが、さすがの明快さです。御歳77歳ということで、「肩が痛い」などと言ってはいますが、素晴らしい指揮はもちろん健在です。…肩ぐらいなら私たちの方がやられてます。

 今日もリハーサル中に思っていたことですが、こういう世界的な巨匠の指揮を見ると、やはり指揮というものは「棒の振り方」とは、ほとんど関係ないのだということがわかります。

 音を出さずに棒を振っているだけなのですが、本当に不思議なものです。

 一言でいうと、頭の中にある完成形が伝わってくるということでしょうか。

 料理人の一流が、包丁さばきではないのと近いかも知れません。しかし演奏の場合は包丁を使うのも指揮者ではない。

 野球の監督?建築士?…どちらの方面もよく知りませんが、自分は何もせずに、現場の職人たちをイメージ通りに操る仕事。結果として職人たちが想像した以上のものが出来上がる。

 私たちにとっても馴染みのない曲が並んだプログラムではありますが、きっと良いコンサートになると思います。チケットは残り少ないようですが、ぜひ、ひとりでも多くの人に会場で体感していただきたい。

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