ブログ 「ごまめの歯軋り」

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「文語訳 旧訳聖書 Ⅳ 預言」

2020年09月03日 | 書評
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バラ

イスラエル民族の再興を願う3大預言書と12小預言書

3) 「文語訳 旧訳聖書 Ⅳ 預言」(岩波文庫2015年)   (その56)

16) ゼカリア書 (その1)

本書は14章からなり、小預言書の内では、比較的大部にわたる。内容としては、幻視に関する8つの記述、エルサレムに臨んだ災いを記念する断食に関する質問、諸国民に対する裁き・メシアに関する預言・神の民の回復に関する記述からなる。希望の預言書として飾るにふさわしい。
第1章: ペルシャ王朝ダリヨス王の2年8月、エホバの言がイドの子ベレキアの子なる預言者ゼカリヤに臨む。汝らは我に帰れという。汝らの父親に対して先の預言者は汝ら悪しき道を離れ悪しき行為を棄てて還れと言ったが汝らの父親は聴かなかった。あの父親らのようでなければ我汝らに還ってもよい。ダリヨス王の2年11月エホバの言が預言者ゼカリヤに臨む。鳥拈樹の中に天使が顕れエホバの使いで地上をあまねく巡視したが全地は穏やかにして安しという。天使いう、エホバよ何時までユダとエルサレムを憐れみ給わないのか、すでに70年になった。エホバは天使に嘉言をもって答えた。エホバは民の叛きが大きかったのでいたく怒ったが我憐れみをもってエルサエルに帰る。我が室がエルサレムに建設されたなら我が邑には再び嘉物があふれ、シオンを慰めエルサレムを選ぶと。いま4つの国(バビロン、メディア・ペルシア、ギリシャ、ローマ)がユダの地に向かって角を挙げている。これらの4つの角を擲たん。
第2章: 一人の人が手に測量縄をもってエルサレムを測っていた。別の天使が現れ言う、エルサレムは人と家畜が増えてきている。エホバ言う、エルサレムの火の垣根となりその中で栄光となる。来たれ北の地より逃げ来たれ。我手を彼の上に揺らん、シオンの娘よ喜び楽しめ我来たり汝らの中にあり。エホバ聖地にエルサレムを取り住まんとす。
第3章: 祭司長ヨシュア、エホバの使いの前に立ちその右にサタンが立つ構図である。エホバはサタンを責めて言う、エホバがエルサレムを選んだのは燃え芝ではないと。さらに祭司長ヨシュアの服装があまりにみすぼらしいので、その衣服を脱がせ美服に着替えさせた。そしてユシュアにいう、汝は我が道を歩みわが職務を守るならば家を守ることができ祭司らを掌る者となすと。ヨシュアが立つ前にある石に7つの眼があり、この地の罪を1日で取り除く。その日には汝ら祭司たちに我が僕の徴の枝をもたらす、葡萄の樹の下、無花果の樹の下に居れ。
第4章: 天使がまたゼカリアの前に現われて呼び起こした。汝何を見たかと天使が問うので、総金の灯台1個あって灯台の上に7つの灯皿があった。灯台の傍に左右に橄欖の木2本あったと答えると、天使はその幻視の意味はユダの方伯ゼルバベルがこの室の基礎を作り終えたことを汝に知らせるためであるという。7つの灯皿はあまねく全地に行き来するエホバの眼である、測量縄がユダの方伯ゼルバベルの手にあること、橄欖の木2本は膏を塗りし二人の子であってエホバの前に立つものなり。
(続く)


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