いつもなら魚料理の皿で終了となるのだが、佐渡では読者紹介用にと、肉料理も入ったコースを選択してみた。ちなみに安い方のBランチ（2100円）には、お肉料理がなく、前菜も、赤ピーマンのムースと野菜サラダだけ。２０代、３０代女性二人連れはこのコースを選んでいた。ま、Bランチで充分である。お肉料理は、和牛のポアレ。残念ながら佐渡牛ではなく国産和牛だそうで、表面はレアー状態に見えるが低温調理してあり、火は十分通っているとのお話。ソースはマデラ酒風味の赤ワインソース。スタッフが説明する前に、それを指摘したら、「よくご存知ですね」と言われてしまった。どたまをかち割られるのを承知の上で言いますけど、「いつも食べ付けているソースの色なので、ついつい口に出ちゃうんですよお～」。お肉の表面には佐渡産の塩が乗せられていた。この塩が、逆にお肉の甘味を引き出す脇役を演じており、お肉も柔らかくてもの凄く美味しい！付け合せは、じゃがいもを生クリームで炊いた物と、胡瓜と人参。何だか、ミシュラン★★★の白金台の予約の取りにくいフレンチレストラン「カンテサンス」で食べた和牛のコンフイを彷彿とさせる感じで、素晴らしいじゃないですかあ～。デザートは、佐渡牛乳で作成したソルベとメロン。下に佐渡産のブルーベリーが敷かれていた。宿泊部門を担当する女性スタッフがこのデザートを運んで来た。筆者がこのスタッフに、「ホテル浦島の東館に宿泊し、夕食をこのレストランで食べ、朝食もこのレストランで洋食を頂く事は可能ですか？」と問うたらば、「勿論です」と答えてくれたので、次回はこのパターンで行こうかなと考えている。最後の飲み物はいつものようにストレートの紅茶に変更するようお願いしたら、すんなりＯＫ！そして、パークハイアット東京のようにテーブルでの会計をお願いしたら、これもＯＫ！宿泊部門を担当する女性スタッフは「このレストランの向こう側にラウンジがございますのでごゆっくりとご休憩下さい」とまで言ってくれた。パーフェクトじゃないですかあ～！都心の高級ホテルで、これだけのコース仕立てを頼めば、最低でも６千円は取られるし、外資系ホテルならば１万円のコース料理に匹敵すると言うのに、サービス料も取らずに、たったの4200円と言うコスパの高さ！料理のお味、サービス共、筆者の愛車のようなハイパフォーマンスにしてハイスペシフイシテイ。紙製ナプキン以外は100%の満足度を叩き出した、佐渡の最高峰を行くフレンチレストラン、それが浦島が誇る「ラ・プラージュ」だ。文句無しの★★★である。かつて浦島に頻繁に宿泊したネットカフェチェーン店のシヤチョさんが今度食べにくるかもしれないな。１０月１０日登場予定の「翼君の美味しい店リスト」入りを確実にした「ラ・プラージュ」だが、このリストに入るのは、世界遺産登録暫定リストに入るよりも遥かに難しい。筆者がお店を出る頃にはホテルの駐車場は満杯になるご盛況！佐和田地区では、「ラ・プラージュ」のような高級路線とネットカフェ系の低価格路線の二極化が遅まきながら進行し始めたようである。都心に比較して、高級フレンチは安く、ネットカフェは高いと言う奇妙な逆転現象を見せる特異な島、佐渡。だが筆者にとっては実に有難い島である。
島外資本のフランチャイズ店がどんどん佐渡へと流入し、佐渡でも、本土標準の視点でのサービスやお料理の評価が成されてしかるべき時代になった。それらを佐渡だけ特別扱いして欲しいと言う理屈はもはや通用しなくなっている。自遊空間佐渡店の経営者様が言うように、本土からやって来た人の目には佐渡の既存の飲食店のサービスレベルはさほど高くないように映る。これはもう共通認識なので、今までのやり方に固執するお店は淘汰され、いずれ無くなるであろう。かつての佐渡の飲食店業界には、健全なる相互批判を許さない風潮があったが、佐渡の翼君の登場で、そこに風穴を開けられ、各飲食店も考え方を転換したように思える。
燕三条から佐渡へ移住してきた人が経営する、佐和田の「燕人」と言うラーメン店が廃業していた。元々ラーメン激戦区の佐和田地区に、昨年から今年にかけて人気ラーメン店が連続してオープンしたため押し出されるような形で閉店した。店主の高齢化や家庭の事情が原因かもしれないが、生き残りを賭けたラーメン業界の競争は熾烈の度を極めている。彗星の如く登場した「ラ・プラージュ」の人気の高さのあおりを受けて、佐和田や真野地区では洋食部門が更に厳しくなるだろう。まあ、強がりは言わずに素直にお客様からのご意見に耳を傾けた方が良さそうである。
レストラン ラ・プラージュ
〒 952-1325 新潟県佐渡市窪田978-3
Tel 0259-57-3751 Fax 0259-57-3762
URL http://www.urasima.com/laplge.html
E-mail info@r-urasima.com
