店の近くに引っ越してからは、
圧倒的に、緑を目にする機会が減った。
植え込みや並木はあれど、
小さく揺れる、
いわゆる『雑草』というものたちの、
姿を見ることが、少なくなって。
アスファルトの隙間から、
かろうじて顔を出しているものをのぞいては、
その存在が、暮らしに溶け込むことはなく。
狭くなったベランダのために、
処分してしまった薔薇や緑も、
また条件が許すまで、触ることは叶わない。
けれど畑には…。
畑へ向かう道すがらには、
風に揺れる緑がいっぱい。
きらきら葉をこすり合わせながら、
ひしめきあって、揺れる。
「ああ、緑の香りがするねぇ…」
ゴンザと共に呟くのは、
やっぱりそこが、居場所のような気がするから。
風薫る、五月。
ツツジは咲き乱れ、
空気は甘やかだ。
圧倒的に、緑を目にする機会が減った。
植え込みや並木はあれど、
小さく揺れる、
いわゆる『雑草』というものたちの、
姿を見ることが、少なくなって。
アスファルトの隙間から、
かろうじて顔を出しているものをのぞいては、
その存在が、暮らしに溶け込むことはなく。
狭くなったベランダのために、
処分してしまった薔薇や緑も、
また条件が許すまで、触ることは叶わない。
けれど畑には…。
畑へ向かう道すがらには、
風に揺れる緑がいっぱい。
きらきら葉をこすり合わせながら、
ひしめきあって、揺れる。
「ああ、緑の香りがするねぇ…」
ゴンザと共に呟くのは、
やっぱりそこが、居場所のような気がするから。
風薫る、五月。
ツツジは咲き乱れ、
空気は甘やかだ。
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