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   猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

記憶の消えた夜

2006年05月31日 05時54分06秒 | 猫たち
珍しく早寝をしたら。
夜中に目が覚めて、ふと思った。

「あれ?ちびくんが隣で寝てない」

少し身を起こして足元を見れば、ちゃあこがすやすやと寝息をたてているというのに、
ちびくんは布団の上にも、隣に置いた枕の上にもいない.....。

私は焦ってちびくんを呼ぶ。

「ちびく~ん。ちびくん。どこにいるの?ソファなの?こっちにおいで~」

けれどちびくんの足音は聞こえず、私は再びちびくんを呼び続ける。

「ちびくん~。一緒に寝んねしよ~。ちびくん~」

それがどれくらいの時間であったか。
私にはわからないが。

私はその時、すっかり忘れていた。
ちびくんがもういないのだということを。

その事に関する記憶が、その時はすっかり抜け落ちていたのだ。
本当に、すっかり。

そうだ。
ちびくんが生きていたなら、私が寝ているのに、隣に来ないわけがない。
いつも、いつの時でも、彼は私のそばにいたのだから。

隣に置いた枕には、ちびくんがつけた窪みはもうない。
ぽっかりと開いた心の穴は、深夜の空気に触れて、ますます大きくなってゆく。

足元ではちゃあこが、私の声に起きることもなく、寝息をたて続けていた。