ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

海自の不祥事に思う

2024-07-13 11:09:12 | 日記
きょうの朝日朝刊の第1面は、こんな記事だった。

防衛省、218人処分 特定秘密を違法運用、自衛隊113人 海自で常態化、トップ辞任

防衛省は12日、安全保障に関わる機密情報『特定秘密』についての違法な運用や手当の不正受給などが行われていたとして、自衛隊員218人(延べ220人)の処分を発表した。うち113人(延べ115人)が特定秘密保護法違反での処分で、特に海上自衛隊で違法な運用が常態化していた。
(朝日新聞7月13日)

第2面には、こうある。

現場裁量、『秘密』なし崩し 海自人手不足、別部署から補充

安全保障に関わる機密情報『特定秘密』の取り扱いが、その最前線に立つ自衛隊で適切に運用できていなかった。100人以上が処分される異例の事態からは、想定されていなかった法と現場のギャップが浮かぶ。
(同前)

社会面にも、でかでかと次のようにセンセーショナルな見出しが掲げられていた。


海自トップ『なあなあの体制』 架空の潜水訓練4300万円受給、『踏襲』証言も

こうまで海自の不祥事がクローズアップされると、「ブルータスよ、お前もか」の思いが強くなる。わが祖国を守ってくださっている自衛隊。わが祖国を他国の侵略から守るため、日夜訓練に励んでいらっしゃる自衛隊。頼りにしていたその自衛隊がこんな有り様だったとは・・・。私は、期待を裏切られた思いで一杯だった。

嘆かわしい限りだが、しかしまあ、と私は思い直した。軍隊とは、しょせんそういうものなのだろう。米軍の少女レイプ体質然り。ウクライナ軍の支援物資横流し体質然り。軍隊が生きのいい生身の人間から成り立つ以上、この組織が欲得ずくに走りがちなのはやむを得ない。

問題は、この組織にどうやってコンプライアンス精神を叩き込むか、どうやって市民社会の倫理を植えつけるかだが、これが存外難しい。生身の個人に対するように、「法をおかした者は禁錮10年」とか、「罰金100万円」とか、禁固刑や罰金刑を科せばそれで済むかというと、そういうわけでもなさそうだ。

木原防衛相は「海自トップの酒井良・海上幕僚長を減給30分の1(1カ月)、増田和夫防衛事務次官を訓戒と俸給月額の10%自主返納(3カ月)、統合幕僚長ら各組織のトップ4人もそれぞれ訓戒とした」と記事は書くが、ここに見られるのは、「法をおかした個人には罰金刑」と同じ発想である。こうした安易な発想で、海自という軍隊組織が真っ当な組織に生まれ変わるとは、私には思えない。

では、どうすればよいのか。

「防衛省は再発防止策として、情報保全についての教育の強化や専門職員の育成などに取り組むことも公表した」

とも記事は伝えるが、この取り組みは果たして有効な再発防止策になり得るのかどうか。
う〜む、正直、何か妙案が私にあるわけではない。何かうまい考えはないものだろうか。



コメント
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