ささやんの週刊X曜日ーー号外ーー

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

新型コロナウイルスと緊急事態条項

2020-02-09 10:43:24 | 日記
某国のある地方では、この時期に行われる伝統的な行事がある。各家庭が自家製の料理を持ち寄る形で、数万人規模の大宴会が行われるのだ。この時期、この地方では新型コロナウイルス感染症が蔓延しており、このような大宴会が開かれれば、感染症の拡大に拍車が掛かることは避けられない。

事態を重く見たこの地方の行政当局は、大宴会を中止するよう、自治会に再三要請したが、自治会の古老たちは「これは昔から続く、伝統的な行事じゃからのう」と、まるで聞く耳を持たない。

行政当局は現状では、この行事を中止にする権限を持たず、このままではどうすることもできない。かといって、事態を座視すれば、感染症が爆発的に拡大し、住民の福祉や生命が脅かされることは目に見えている。

さて、この場合、あなたならどう考えるだろうか。これは仮想の事態ではなく、実際に中国の武漢市で(すでに!)起こった事実である。日本でも、今後、充分に起こり得る事態なのだ。

【1】大宴会を止めさせる強大な権限を行政当局に与えるような、そういう新しい条例を制定して、なんとしても大宴会を中止させる。

【2】大宴会が開かれ、感染症が爆発的に拡大すれば、自分の生命(いのち)が脅かされる。とはいえこの地方の行政府が強大な権限を持つようになれば、自分の自由が脅かされかねないから、そういう恐れのない他の地方に移住する。

言うまでもなく、【1】は「憲法を改正して、新たに緊急事態条項を盛り込む」とする(一部自民党議員の)見解に通底する考え方である。「住民(国民)の生命を守るため」という大義名分はあるものの、これによって市民生活にさまざまな規制をかけることが可能になるから、これはかなりヤバい考え方でもある。【2】の敗北主義以外に、何か良い手立てはないものだろうか。読者諸賢のお知恵を拝借したい。
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2 コメント

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Unknown (ケイン小杉)
2020-02-17 11:33:48
自民党の緊急事態条項は行使する側にもっと制限をかけた方がいいのと、などが入ってる事によって適用範囲が曖昧になるのもよくない。権力者にとって都合のいい悪法になるぐらいだったら緊急事態条項は要らないと思う。
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Unknown (ささやん)
2020-02-17 20:51:56
ケイン小杉様

コメントありがとうございます。小杉様のご意見の趣旨はよく理解できます。小杉様のご意見に従い、選択肢【1】を却下しますと、残るのは【2】ということになりますが、この【2】では問題の解決にならないように思います。そこで私は、ブログ本文の最後に「【2】の敗北主義以外に、何か良い手立てはないものだろうか。読者諸賢のお知恵を拝借したい」と書いたのですが、小杉様の代替案はどのようなものでしょうか。もしよろしければお教えください。
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