しばれる夜のつぶやきは

このところめっきり寒くなった。北陸地方は大雪だというが、それが実感できるくらいここ関東地方の冷え込みも半端ではない。この冬を無事乗り切って生き長らえることができるかどうか、我ながら自信をなくしている昨今である。

深夜、ベッドに横になってからが特にしばれる。ひどくしばれる。私が寒さにとらわれる理由は、二つある。一つは、厚手の掛け布団を掛けられないこと。私は左半身が麻痺しているので、厚手の布団を掛けると、その重さに圧迫され、自由に寝返りが打てないのである。厚手の布団の代わりにセーターとダウンジャケットを着込んで寝るが、それでもこの寒さには太刀打ちできない。

夜、ひどく寒いと感じるもう一つの理由は、エアコンの圧倒的なキャパ不足である。私の部屋のエアコンは、私の部屋を暖房／冷房するには明らかにキャパシティが足りないのだ。

思い返せばこの夏は、冷房がほとんど効かず、その殺人的な暑さにほとほと悩まされた。部屋をカーテンで仕切ってみたが、それでも効果は感じられなかった。それはこの冬の暖房でも変わらない。カーテンの間仕切りは、暖房にもまったく役に立たないのだ。

対策はほかにも考えた。エアコンの他に遠赤ヒーターを付けっ放しにしてみたりもしたが、これは火事になる恐れがあり、丸焼けにはなりたくないから、眠ろうにもおちおち気が抜けない。

そんなこんなで、いろいろ考えた結果、やっとこさ出したのが、「もう少しキャパの大きなエアコンを買うことにしよう」という結論だった。

背に腹はかえられない。命あっての物種である。この冬は凌げたとしても、これからはそうは行かないだろう。地球温暖化の影響で、冬の寒さも夏の暑さも、ますます厳しいものになるに違いない。これからいくつ（あるかは分からないが）の夏や冬を無事乗り切れるかどうか、我ながらはなはだ心許ない。

たかがエアコンごときで、なぜこれほどご託を並べなければならないのか。それは、その値段が私の懐には馬鹿にならないからである。なけなしの貯金を下ろせば買えない額ではないが、年金暮らしの身には、それだけの出費は痛くないといえば嘘になる。

しかしまあ、片麻痺の私には、ほかにカネを使う当てがあるわけではないし、残ったカネをあの世に持って行くわけにもいかない。

だから、清水の舞台から飛び降りる気持ちで、えーい、買ってしまえ！と思うのだが、どうだろうか。良いかな？