おはようございます。
昨日は久しぶりに朝、雨が降っていなくて、朝トレが楽しめましたが、
まあ、梅雨どっぷりな季節になりましたねー。
晴れていたかと思えば、黒雲が突然湧いて出て・・・カミナリが遠くで鳴っているような、
そんな季節でもあります。
ま、これを抜ければ、夏ですけどねー。
さて、火曜日は「昭和の「闇」シリーズ」ということで、
なんとなく、そこにあった「不思議な空間」をテーマに文章を書いています。
ま、いまだに、あれは何だったのか・・・そんな思いの記憶を掘り起こしている感じですかね。
では、始めていきましょう。「昭和の「闇」」・・・今回は第四回目になりますね・・・。
それは、僕がまだ、小学1年生の冬頃の話です。
まだまだ、わからない事の多い、昭和の「闇」の時代・・・そんな頃の話です。
僕はその頃、両親に自転車を買ってもらい・・・ようやく、自転車を自由に乗り回せるようになっていました。
僕はそれまで、自分の街の中だけで、遊んでいましたけど、自転車が乗り回せるようになって・・・少し別の街にも足を伸ばせるようになっていたんですね。
僕はある時・・・学校で仲のよいクラスメイトのMくんのいる街に遠征しました。
Mは・・・男気のある、ちょっとガキ大将タイプの気のいい奴で・・・僕がわざわざ自転車で遊びに行った事に気を良くして、
「よし、Nが、わざわざ、この遠い街まで来てくれたんだから、俺がいいところに連れてってやる。「クニガイ」さんのところだ。オトコだったら、喜ぶところだ」
と、Mは満面の笑みで言いました。
「クニガイ?」
と、僕は聞き慣れない言葉に???な顔をしましたが、その言葉を聞いた瞬間、横にいた・・・これもクラスメイトであるSが嫌な顔をしたことにも、
僕は、気づいていました。
でも、今考えてみれば、それは一種の不安を表した表情だったのかもしれません・・・。
「クニガイさんのところは、日が暮れてから行くのがいいんだ」
と言って・・・僕らはなんということもなく遊びながら、時間を使い・・・5時を過ぎた頃に、そこに向かいました。
冬の夕方・・・とっぷりと暮れて、もう夜でした。
少し離れた場所にある湿地にどうやら、そのクニガイさんの家があるようでした。
昔はよくあった・・・トタンづくりの平屋の家・・・3人は静かにそこへ近づいていきました。
そして、そこには窓があり・・・部屋の電気が漏れていましたが・・・人が動いている気配がします。
「いいか、N、よーく見とけよ」
と、Mは言うと、その窓をガラッと開けたのです。
その向こうに・・・27,8歳の細身の女性が素っ裸で立っていました。
その目は生気を失い・・・びっくりしたわけでもなく、ただ、とろんと僕らを見ているだけでした。
僕はその時、はじめて、女性のすっばだかを見て・・・胸は、たわわな果物のようで、僕はその時初めて女性の局部に毛が生えていることに気づきました。
まあ、一人っ子だし・・・。
その女性は何も言わず、僕らを見ていました。
そこに意思は感じられなかった。
「な、すげーだろ。これが女の裸だよ・・・」
と、Mは言うと、
「なあ、帰ろうぜ。俺、もういいから・・・」
と、Sが言い・・・3人はその場を離れました。
その時、背中の方から、か細い声で、
「・・・がさないから・・・」
と、ちょっとだけ人の声が聞こえました。
二人はその声に気付かなかったようでした。
僕は気分が悪くなって・・・そこから自宅に帰りました。
Mによると・・・その女性・・・「クニガイ」さんは、いつも意識がとろんとしていて、暗くなると、服を脱いでしまう女性なんだそうでした。
「だから、夜に来れば、百発百中で、女の裸が見れるのさ」
と、Mが自慢気に言ったのを覚えています。
その夜、僕は強烈にうなされました。
「クニガイ」さんが夢に出てきて・・・裸のまま、僕を抱き寄せ、抱きついてくるのです。
僕はその瞬間、全身に悪寒が走り、なんとか、その手を振りほどいて、その場を逃げ出しました。
僕はとても汗をかいて、目を覚まし・・・まだ、2時過ぎだったにもかかわらず、それから一睡もせずに朝を迎えました。
また、夢に「クニガイ」さんが出てくるような気がして・・・すごく、いやだったのです。
僕は朝まで、布団の上に体育座りして、寝ずに過ごしました。途中、強烈な眠気に襲われましたが、僕はなんとか寝ずに済みました。
朝、学校に行くと、MとSは学校を休んでいました。
僕はなんとなく、嫌な気持ちになりましたが・・・いつもと変わらず過ごすことが出来ました。
その日の夜は、特になんということもなく、普通に寝ることが出来て・・・いつしか、嫌な記憶は風化しつつありました。
一週間程経った頃・・・まず、Sが亡くなりました。
そして、数日後、Mも亡くなりました。
先生の説明では、ふたりとも流行り病だと言うことで・・・僕は人生で初めてお葬式に出席しました。
二人のお葬式で、共通していたのは・・・二人の死に顔を見れなかったことでした。
遺族の側が・・・それは一切遠慮するということだったので・・・もしかしたら、死に顔があまり見せられたものではなかったのかもしれません。
その記憶もいつしか風化し・・・今に至るわけです。
その後、「クニガイ」さんがどうなったかも、よくわかっていません。
二人の死と「クニガイ」さんが関係するのかも・・・。
ただ、僕があの時、聞いた「クニガイ」さんの声は・・・僕には「絶対に逃さないから・・・」と聞こえていました。
それだけが・・・確かなことです。
(おしまい)
さてさて、昭和は遠くなりにけり、な毎日ですけど、
梅雨というのは、一種のネガティブなんですね。
でも、これを通り抜ければ、僕の好きな夏が来る・・・。
暑いけど、かき氷の美味しい夏が来る。
日焼けした、少年の夏が・・・。
ま、それを楽しみに、生きていきましょう!
ではでは。
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